このたび、唐津出身の3人の建築家に焦点をあてた「建築の建築」展を開催します。
本展覧会では、建築の分野から近代日本の「社会」・「経済」・「文化」の発展を支えた辰野金吾と曽禰達蔵、村野藤吾の偉業とその作品の魅力を存分に感じていただきたいと思います。
明治期に体系的な西洋建築を日本で初めて学び、近代日本を象徴する数々の建築を手掛けた辰野金吾と曽禰達蔵。
辰野は、東京駅や日本銀行本店など、近代日本の「社会」の基盤となる数々の建物を設計し、曽禰は、大火により荒地となっていた丸の内に、日本の「経済」の中心地となるオフィス街を築きました。
昭和に入り、村野藤吾もまた、日生劇場に代表される、日本人の「文化」を支える数多くの建築を手掛けることで、建築界に大きな足跡を残します。
世界を視野に、型にとらわれない想像力や構想力、そして創造力で近代日本の礎を創りあげていった佐賀の先人たち。
東京奠都(てんと)の建白や、司法・教育の制度設計に力を尽くした佐賀藩出身の大木喬任や江藤新平、日本初の鉄道開通に尽力した大隈重信ら、政治の中枢から近代日本の礎を築いた偉人たちのように、辰野・曽禰・村野ら才能あふれる唐津出身の建築家たちは、建築の力で社会の発展を支えます。
本展覧会では、首都・東京を中心に、大きな志をもって街や文化を築いていった姿を、豊富な資料と現代アート作品から紐解いていきます。是非ご堪能ください。
最後になりましたが、本展覧会の開催にあたりましてご協力をいただきました関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。