かつて、みやき町の千栗(ちりく)八幡宮にそびえる石段を、来る日も来る日も駆けのぼり、鍛錬を続けた少年がいました。
長く険しい一段一段を踏みしめながら、その先に続く空を見つめ、大きな夢を描いた少年・古賀稔彦さんは、のちに“平成の三四郎”とも呼ばれる柔道家として、数々の名勝負を繰り広げました。
勝つこと、負けること、再び立ち上がることを経て、若者に伝え続けたのは、「優しい人になりなさい」という言葉だったそうです。
皆さんもまた、これまで一歩一歩、大人への階段をのぼってこられました。
歩み続けてきた日々は、お一人お一人の礎となっていることでしょう。
そして今日、皆さんはまた、新たな一歩を踏み出します。
私たちは大人になっても、少しずつ成長していきます。
それは、何かを続けること、何かを変えること、誰かを支えたり支えられること、夢を実現すること。
いろんな出来事、いろんな出会いの中で、これからもあなたらしく駆けていく先には、きっと、あなただけが見られる唯一無二の景色が広がっているはずです。
世界が認める佐賀ならではの歴史や文化、そして人と人とのあたたかなつながりがあるふるさと・佐賀を誇りに、お一人お一人が信じた道を力強く進んでいかれることを願っています。
「志」は、天に通ず。
ご成人、誠におめでとうございます。