○朝日新聞
長くなっていますが、オスプレイの関係です。現状、もうノリ漁期に入ってしまっていて、ボールがどこにあるのか、漁協側から向こうについては見えづらいというか、ちょっとややこしくなっている部分があると思うんですけれども、県として、これまでは漁協と国、防衛局の交渉の中ではオブザーバーの立場というか、アドバイスする、うまく円滑に行くような立場で動いてこられたと思うんですけれども、これも基本的に佐賀県がどうこうというよりは国の問題ではあるんですけれども、もう少し強い形で3者による話合いをもっと重ねていくだとか、何がしか県がさらにギアを上げるというか、関与していくというような考え方を持っていらっしゃるのか、それともそこはあくまでも漁協の自主性に任せて、あくまでも間のサポートをしていく形を考えていらっしゃるのかというのをお願いします。
○知事
私はかねがね申し上げているように、やはり国防は大事だろうと。特に、今、世界情勢がこういう状況の中で、国の根幹である国防を大切にするべきだということ、そして、有明海再生ということ、これも大事なこと。これはもう県がしっかりとやっていくということは常々申し上げていることなので、私はこれを両立させていくことが大事だろうと思っています。そこで今、ある部分議論が重なってきて、産みの苦しみの時期だと思うんです。今、極めて大切なタイミングになってきていますので、私とすると今後の状況次第に応じて、私自身も再びお伺いしてお願いするということもあり得るなと思いますが、今後、これから、どういう調整になっていくのかというところをさらに注視していくということだと思います。
○朝日新聞
今、お伺いしてというのは、漁協にお伺いしてということですか。
○知事
はい。
○朝日新聞
知事から漁協に行って漁協のほうと話すということですか。
○知事
極めて今大事な時期を迎えているんだという認識です。
○朝日新聞
最後に1点、オスプレイ関係で、防衛局としては恐らくノリ漁期が始まる前に一定の、かなりの部分前進というのをしておきたかったところで、なかなかそれができていない状況だと思うんですけれども、これを見ていると、やっぱりどうしてもノリ漁というものとか、漁師さんが何を大事にしているかというところを、どうも国側、九州防衛局側が十分理解しきれていなくて、その結果、もめるはずじゃないというか、スムーズに行くはずの日程が、さらにもう一回やり直しだとか、そういうことを重ねた結果、なかなか話が進まないように見えるんですけれども、その辺り、有明海、ノリについての理解を防衛局がどれくらいしているかというのを知事はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○知事
もともと国防というものとノリ漁というものはまた別物ですから、お互いが分かる、それぞれの大切さを分かるということって、やっぱりある程度時間がかかると思うんです。もちろん、防衛省が、僕らにとってノリ漁がどれだけかけがえのないものかということを分かるには、やはり一定の時間──我々も一生懸命説明してきたけれども──必要だし、逆に、ノリ漁の皆さんからすれば、自分の子や孫まで、この自分たちの誇りを紡いでいきたいという思いは人一倍我々も分かるわけですよ。ただ、そのときに、国防というものはあまりにも大きな話で、実感として湧かないという部分も分かるので、そこも我々も一生懸命説明して、やっぱり国が守られてこその我々だから、営みだからというところも説明しているので、そこが徐々に今つながってきているんではないかなと私は実感しているんだけれども、そうは言っても、まだ見方によっては、まだまだそこの部分のお互いの理解が足りないという意見もあるので、そこは県がそこの調整というものにしっかりと乗り出して、お互いの理解が進むようにというところはまさに今大事なところだと認識しています。