2本目ですが、さがの林業再生プロジェクトに取り組んでいるというお話をさせていただきます。
林業は、簡単に言いますと、戦後の日本が復興している中で、特に、昭和30年代、私が生まれる前ですけど、その頃はまさに戦後からサラリーマンが増えてきて、佐賀からいえば集団就職で太平洋ベルト地帯に多くの人が行った時代でありますが、そのときに併せてマイホームブームというか、家を建てようということが盛んだった時代です。みんなで日本の木がいっぱい必要になった時代。でも、なかなか木の数が足りなくてマイホームができにくかったので、日本政府がとにかく人工林を植えまくって、そのマイホーム需要に対応しようとしたんですよ。ここは私の想像ですが、国の言うことをきっちり聞く優等生佐賀県は一番人工林を植えて、今では日本一人工林比率が高い県になっています。
ところが、その後、外国の外材が入ってくるようになって、日本で植えた人工林というのはなかなか切り出せない状況が続く。要は外国から輸入したほうが安いという状況に陥って、それが一つの大きな過疎問題という、私も過疎室長をやっていましたが、そういうことにも相なるわけでありまして、佐賀がしゃかりきになって植えた木がちょうど今収穫時期が到来しているわけですね。
なのに、これまで何でなかなか切り出せなかったかというと、木材価格が低迷したり、伐採意欲が減退したり、担い手が減少したりということで、なかなか山が価値を生まなかったという前提がございます。
それが最近ウッドショックということで、世界的に木材価格が高騰、品薄になってきたわけです。これはコロナもあって、都市に住むのではなくて、どちらかというと、上海とかニューヨークとか、マンションに住むのではなくて、もっと地方都市に住んだほうがいいんじゃないかという人が増えてきたことによって木材需要が急に高まって、外材価格が上がった、だからなかなか日本に外材が入らなくなった。それをウッドショックといいますが、佐賀県は考えました。それはチャンスじゃないかと、単なるピンチなんだろうか、逆に言えば、国産材を市場に出せるチャンスではないか、ピンチはチャンスではないかと考えたのが佐賀県でした。
私がむしろチャンスだぞ、これはということで、今やれることを何でも考えろということで検討チームをつくりました。職員たちが考えてきたのがこれから紹介する佐賀の林業再生プロジェクトというものになるわけであります。
考えた第1弾が林業機械の導入を支援しようということで、この際、多く伐採するために国の補助対象とならない機械の導入を支援して、木材搬出をスムーズにするようにして現場を助けるようにしたというのが第1弾でございました。
第2弾とすると、これが結構大きな問題で、今、山の所有者というのは結構飛び地になってばらばらなんですね。それがさらに相続によって誰の土地かよく分からないような状況になっていて、これに作業道をつくったりとか、全体として管理するときに、関係する人が多過ぎて大変だったんです。ですので、この際だから、ちゃんと森林組合にそれぞれが経営をお任せすることによって一括して森林組合が作業道をつくったり、搬出できるようにすることによって、所有者の皆さん方にもメリットが出るようにしたというのが第2弾であります。ですので、この集約化の支援ということで、県としても補助金を出したりしながら集約化で、今まさに木を切り出せるような環境をつくってきたというのが第2弾です。
第3弾とすると、やはり担い手が少ないという話もさせていただきましたが、さが林業アカデミーというのを令和4年度から開講して、このような形で第1期生の6名全員が無事就業して、佐賀県内の森林組合だとか、企業だとかに、それから、自らの会社を設立するなどによって林業に携わっていただけるようになったということで、今年も第2期生をまた同じような形で育てていきたいというふうに思います。
さらにもう一点言いますと、このサガンスギというのがちょうど56年かけて開発したものがありますので、成長速度は通常杉の1.5倍、強度も1.5倍、花粉量は半分以下という三拍子そろったサガンスギというものを今植えまくっております。今年はまだ5%程度がサガンスギですが、4年後には100%、全てをサガンスギというところまで、苗木をしっかりとビニールハウスなどで育てて、佐賀県の山の中をサガンスギで埋めつくしたいなと思っております。
ということでサガンスギのロゴを完成させました。こういうことでSAGANSUGI、3拍子ということであります。5月1日にはパークテラスのテーブルにサガンスギを使っておりますので、ロゴの焼き入れを行ったりとかしますし、今、北山のキャンプ場の再整備をやっていますけれども、ここにレイクサイド北山にスライダーを今設置しているんですが、その近くにサガンスギフィールドというものを設けています。
こういったことで県民の皆さん方にサガンスギというものを親しんでもらおうと思っています。サガンスギフィールドは今年の夏に完成です。
山を大切に!「サガンスギ」を最大限活用しながら、佐賀の林業再生を進めていきたいと考えています。これが2点目になります。