まずは、有田町のサテライトオフィスであり、まちづくりの活動拠点となっている「まちのオフィス 春陽堂」に有田内山まちづくり会議の部会長 清水耕一郎さん、副部会長の手塚秀樹さん、山口隆敏町長から、「まちづくりの取組」や「目指すまちづくり像」についてお話を伺いました。
この有田内山まちづくり会議は、地域住民の皆さんが一体となって“新生”まちづくりを進めるべく、歴史的価値の再認識や空き家の活用策など具体的な方策を検討するために立ち上げられた会議だそうです。
清水さんからは「まちづくり会議では、まずは今あるお店をもっと活気づけること、次に空き家の活用策を考えること、そしてこの街を歩いて楽しくしていこうということ、最後にこれから始まるまちづくりを物語として伝えていけるようにしようという四つの方針を立てました」と、これから目指すまちづくりについて熱く語っていただきました。 「今年の夏には地元商店街の皆さんが協力してミストシャワーの設置を計画しています」と手塚さん。早速、具体的な取組が動き出しているようです。 山口町長からは「有田陶器市などの文化を通じて交流人口が増えることで空き家が解消したり、まちが活性化していくと思います」というお話がありました。 また、「地域の皆さんがどのようなくらしをしたいかというところからまちづくりは始まります」と清水さん。 私も、すばらしい街並みを持つこの有田町では単に移住政策を進めていくだけではなく、まちづくりと一緒に盛り上げていくことが大切だと思いました。 有田内山まちづくり会議の皆さんや地域商店街の皆さんが楽しんで取り組まれている様子ややる気を肌で感じ、このような方々がいらっしゃる地域がもっと増えるといいなと思いました。 続いて有田内山のまちを皆で歩きます。
今回、街並みをご案内いただいたのは、ボランティアで有田の歴史や文化を紹介するお手伝いをされている「有田れきみん応援団」の皆さんです。
最初に、県の重要文化財である「有田異人館」を訪問しました。県で最も古い洋風建築物で、大正時代の記録をもとに現在復元修理中とのこと。有田焼創業400年を迎える平成28年10月に完成するそうなので、今からとても楽しみです。
陶山神社や明治時代に造られた建物などの説明を受けながら、途中、今右衛門窯へ立ち寄りました。昔ながらの家屋を拝見させていただき、14代今泉今右衛門さんにも、まちづくりについてお話を伺いました。「街並みの魅力は、昔からずっと住んでいる地元の人にとっては分かりにくいものです」と今右衛門さん。
確かに、日常風景にある本物の魅力には、なかなか気がつきにくいものです。
有田内山まちづくり会議の中心となって活動されている清水さんは、県外のご出身とのこと。地元の人が今まで気が付かなかった魅力について、しっかりと発掘していただける清水さんの存在は、とても心強く感じました。
最後に赤絵座を訪問しました。
この赤絵座は、有田で作陶する若手作家の独立の支援を行う場所で、現在、有田窯業大学校を卒業された西 隆行さんがこの赤絵座で活動されています。
ここでは西さんの作陶の様子を見学したり、絵付け体験やろくろ体験もできます。
「手作り感を出すため、形が少しずつ違いますし、釉薬の溶け具合によって表情が変わってきます」と西さん。
涼しげな風合いの中に、柔らかい温かみのある西さんの作品に魅了されました。