まずはじめに、病棟にあるカフェで、中川龍治理事長から病院の概要をご説明いただきました。その後、病棟の内部をご案内いただき、外来や入院病室の様子を見学しました。
嬉野温泉病院では、昭和40年代から、絵画や陶芸などの創作活動を活用した芸術療法を取り入れていらっしゃいます。中川理事長からは「創設当初から患者さんが真に社会復帰できる病院を目指してきました。先代の理事長は、芸術療法をするために精神科の病院を開設しました」とのお話がありました。このような取組を50年も前から実施していらっしゃることに大変驚きました。
また、子どもの精神的問題への対応にも力をいれられており、スクールカウンセラーとしての学校訪問や児童・思春期外来の設置などに取り組まれています。
治療では、子ども本人だけでなく、保護者に病気のことをきちんと理解してもらうことがとても重要であるとのことです。子どもの問題を専門的に扱う医療機関はまだ少なく、その分野に力をいれていただいていることは、とてもありがたいことだと感じました。
谷口市長は、「嬉野温泉病院のスクールカウンセラーの取組は全国でも先駆けです。また、創設当初から患者さんの地域への復帰に力を入れて頂いており、患者さんたちは、退院後、市内でしっかりと頑張っていらっしゃいます」と言われていました。
次に、アートセラピー美術館で、芸術療法によって患者さんが製作された絵画や陶芸を見学しました。
美術館には、大小様々な絵画が展示されており、私もその時々の患者さんの気持ちを想像しながら拝見しました。同じ患者さんが描いた絵でも、その時の状態によって、絵の雰囲気が全く異なっており、芸術療法の効果を実感しました。
最後に、中川理事長、谷口市長と意見交換をしました。
私から「嬉野温泉病院の患者さんを大切にするという姿勢がすばらしいと感じました。特に子どもの問題に力を入れていただいていること、保護者への説明を丁寧にされているのには驚きました。これからも職員の方々の人づくりに力をいれて、このすばらしい取組を守っていっていただきたい」とお話ししました。
また、谷口市長からは「嬉野温泉病院にご理解いただき、市民の皆さんへの認知症の相談を始めていただきました。市のイベントにも、多くの職員さんにご参加いただき、市民の方々とも交流いただいています」とのお話がありました。
中川理事長からは「スクールカウンセラーの取組などを通して、病院側としても成長をさせていただいたし、何が必要かを理解できるようになりました。精神障害者の地域への復帰も、試行錯誤を繰り返しながら、50年経ってやっと体制が整ったと感じています」とのお話がありました。
【山口知事のさー行こう!!】
嬉野温泉病院の、芸術療法や子どもの問題への取組、地域に患者さんを復帰させる取組など、患者さんに寄り添うという想いにとても共感しました。嬉野市との学校や認知症に関する連携もとてもすばらしいと感じます。こういった病院があるということは、佐賀県の誇りだと心から思います。
私は、これからの医療・福祉施設は、患者さんの立場に立って一人一人を大切にすることが、最も大切だと思います。県としてもできることをしっかりと対応していき、病院の皆さんの想いに応えていきたいと思います。
患者さんに寄り添う医療へ向かって、さー行こう!!