始めに、山口孝校長から「多様な生徒を受入れるにあたって、まず発達障害などについて理解することからスタートしました。そして、そういった生徒への配慮を通して、教育のユニバーサルデザイン化を進めています。また、選択できる単位制や地域との連携など、様々なことに取り組んでいます」との説明を受けました。
次に、学校内を見学しました。各教室は、前面に一切の掲示物がなく、背面に全教室統一のレイアウトで掲示をされています。これは「場の構造化」という工夫で、発達障害をもつ生徒への安心感につながることはもちろん、そうでない生徒にとっても非常にわかりやすいものであると実感しました。その後、Web学習室や教育相談室、保健室などを見学しました。
担当の先生達ともお話しし、多様な生徒を受入れるうえで、一律に型にはめるということではなく、一人一人の生徒の状況に合わせた対応を心がけていらっしゃることに感心しました。
校内見学後、2年生4名とお話しをしました。皆、イキイキとした表情で、充実した高校生活を送っていることがうかがえました。
まず、太良高校を選んだきっかけを尋ねました。「少人数の授業が多くてわかりやすそうだった」、「授業が選択制なので自分にあっていると感じた」とのことでした。太良高校のさまざまな取組が生徒の皆さんにもきちんと魅力として伝わっているのだなと感じました。
次に、部活動について尋ねました。「どの部活も人数が足りずに苦労しています。兼部している生徒もおり、なんとかやりくりしています」とのことでした。生徒数が減少しているため、厳しい状況もあると思いますが、お互いにフォローし合って頑張っていただきたいと思いました。その他、将来の夢など、私も高校時代を思い出しながら、さまざまなお話をしました。
最後に私から「皆さんの通う太良高校は、校長先生はじめ先生方が、生徒の皆さんそれぞれが自分の個性を伸ばせるような高校になるよう、頑張っていただいていると感じています。失敗があってもいいから、伸び伸びと自分がやりたいことに挑戦してください」と伝えました。
生徒の皆さんとお別れし、体験学習やインターンシップで太良高校の生徒を受入れている太良町森林組合を訪問しました。村井樹昭組合長はじめ組合の皆さんや太良高校の卒業生のお二人も交え、意見交換を行いました。村井組合長からは「体験学習での太良高校生の受入れは、若い人たちに林業に触れてもらい、山を大切に感じてもらいたいということで始めました。そのような中、体験学習からインターンシップを経て、森林組合に就職した生徒も出てきました。本当にうれしく感じています」というお話がありました。高校と地域の交流から佐賀県で働き続けたいという想いにつながったことは、まさに理想的な姿だと思います。太良高校卒業生で森林組合へ就職した方は9人いらっしゃるそうですが、最初の採用から17年間にわたり、いまだ一人も辞めていないのだそうです。太良高校は、地域の皆さんに支えられているのだと本当に実感しました。
こういった関係を是非続けていってもらいたいと願います。
【山口知事のさー行こう!!】
太良高校での発達障害など多様な生徒の受入れや、全ての生徒にとってわかりやすい授業など、生徒一人一人を大切にする姿勢に感心しました。また、地域での体験学習やインターンシップでの受入れ、道の駅などでのボランティアなど、地域の皆さんに太良高校を支えていただいていることも知りました。
これからの高校は一律的な教育だけでなく、それぞれの学校が地域とも連携し特徴を出しながら、生徒を輝かせていくことが大切だと思います。また、すばらしい取組をしている学校があることを、県民の皆さんに知っていただき、是非入学したい、応援したいと思っていただくこともとても大切だと感じました。
生徒一人一人を大切にして、皆が輝ける学校へさー行こう!!