到着すると、山と海に囲まれた静かで美しい自然環境と、その雰囲気に溶け込んだ趣ある古民家に、とても懐かしくほっとする気持ちになりました。
農家民宿では、農山漁村の自然や文化を活かした様々な体験活動が魅力の一つです。山ぼうしでも、オーナー手作りの薪のピザ窯、かまど、様々な作物が採れる畑、そして眼前に広がる伊万里湾でのカヤック、釣り、自然観察など様々なメニューが用意されているそうです。敷地を回りながら、お話を聞くだけで、本当にワクワクします。
民宿の中に入ると、古民家の重厚感ある柱や梁、広々とした座敷など、積み重なった年月から生まれる本物の雰囲気が醸し出されています。都会や外国から山ぼうしを訪れる皆さんは、初めて体験する異空間に心から感動されるだろうと感じました。一方で、食堂のテーブルや客室のベッドなど、利便性もバランスよく備えられており、宿泊される方々が快適に過ごせるよう配慮がされています。
伊万里市では、グリーン・ツーリズムに力を入れており、その中のムラ泊部会で、民泊会の皆さんは活動をされています。民泊の取組は、平成23年から始められており、徐々に受入れ農家も増加しながら、現在24名の会員がいらっしゃるそうです。
民泊会の田中幹事からは、「民泊会では、主として修学旅行生の受入に取り組んでおり、当初は年間300名程度の受入でしたが、今年は600名以上になりました」とご説明いただきました。地域に子どもたちが来てくれると、本当に活気が出るとのことで、都会の子どもたちが、夜の暗闇や星空の美しさ、この地区の自然や文化に感動しているのを見ると、自分達自身も改めて地域の良さを感じる機会になるのだそうです。訪問する側も受入れる側も、お互いが幸せになれるというお話を伺い、地域おこしの理想的な形だと感じました。
また、民泊会の小杉会長や塚部芳和市長からは、長崎県松浦市との連携のお話がありました。民泊会は、民泊先進地である長崎県のまつうら党交流公社と連携しながら、民泊者や体験活動を受け入れることで、その取組を拡大させてきたそうです。私も、長崎県との連携には様々な分野で力を入れていきたいと考えています。この民泊においては、長崎県という先進地の取組を取り入れつつ、伊万里のすばらしい自然や文化を加えていけば、もっともっと伸びていくと感じました。
一方で、様々な課題も伺いました。例えば、男女別のトイレを設置しなければ、家族客であっても異性同士の宿泊ができないという規制がその一つです。今後、修学旅行生以外の一般の宿泊客の受入れを拡大していくうえで、この規制が問題になるとのことでした。この規制がされている背景や規制緩和をした場合の影響などをよく確認し、農家民宿の発展を阻害しないよう、早急に対応をしていきたいと思います。
農家民宿の現場を拝見し、皆さんのお話を伺うと、佐賀の自然や文化のすばらしさが存分に活用できるこの取組に、とても大きな可能性を感じました。この取組をさらに大きく発展させていくためには、地域の皆さんが、そこに元々ある資源を活用して魅力を創り出し、たくさんのファンを獲得していくことが大切です。是非、地域全体で、5年先、10年先と、この取組を継続して、多くの方々に佐賀の魅力を感じていただきたいと思います。
【山口知事のさー行こう!!】
農家民宿は、佐賀の自然・文化などの魅力を積極的に活用しながら、都会や外国から訪問する皆さんはその魅力を楽しみ、そして受入れる皆さんは地域をさらに大切に想う、とてもすばらしいさが 創生の取組だと感じました。
今、さが 創生の流れが本格化していく中で、県内の各地で、様々な地域おこしの芽が出ようとしています。皆さんが、自分の生まれ育った地域に誇りを持てるよう、そしてそこで幸せになれるよう、私も様々な形で応援していきたいと思います。
あふれる魅力を活かした農山漁村へさー行こう!!