始めに、木戸ホーム長のご案内で施設内を視察しました。愛あいは、年齢や障害の有無に関わらずみんなが一緒に過ごせる施設を作りたいという木戸ホーム長の想いが形になったもので、高齢者のデイサービスの部屋と託児室が一つの建物内にあり、子どもたちが自由に行き来し、高齢者の皆さんとも交流ができるようになっていました。
佐賀県でも、それぞれの地域において家庭的な雰囲気で福祉サービスを提供する地域共生ステーションの整備を進めています。愛あいは、この県の取組に先駆けて開設されました。横尾俊彦市長は、開設時に木戸ホーム長が市へ相談に来られていたことを覚えておられ、「最初に取り組む時はとても勇気が必要だったでしょう」と当時のことをお話しいただきました。この愛あいは、長年福祉に携わってこられた木戸ホーム長だからこそ実現できたものだと思います。
デイサービスの部屋に入ると、楽しそうな笑い声と子どもたちの元気な足音が聞こえてきました。子どもたちと高齢者の方々が一緒に遊んでいる様子は、まさに、昔の大家族を思わせるもので、とても温かい気持ちになりました。
ここでは、日中30人程度の高齢者の皆さんを受け入れていらっしゃいます。利用者の皆さんは、カラオケ教室やパッチワーク教室など、趣味や特技を活かした活動をされ、日々楽しく過ごされているとのことでした。私にも素敵なパッチワークのプレゼントをいただき、とても嬉しかったです。
お話を伺うと、毎日ここで皆と一緒に過ごす時間がとても楽しく、一日が始まるのが待ち遠しいというお話がありました。
私も、皆さんと一緒にかるた遊びをさせていただき、とても楽しい時間を過ごすことができました。
その後、木戸ホーム長やスタッフの方からお話をお伺いしました。
愛あいには、重度の障害のある方や他の施設では受入が難しかった方、緊急で子どもを預けなければならない方など、いろいろな方から相談があるそうです。開設以来、受入を断ったことはないというお話をお聴きし、木戸ホーム長をはじめスタッフの皆さんが、利用者お一人おひとりの個性や事情をしっかりと受け止め、どのような関わり方をすればいいのかを一生懸命考えられているからこそできるのだと思います。
また、当初は対応に難しいところがあった利用者の方でも、心を込めて接していくことで、穏やかに毎日を過ごされるようになるというお話を聴き、改めて、お一人おひとりの想いを大切にし、寄り添って対応していくことの大切さを実感しました。
運営していく上では大変なこともあるそうですが、木戸事務長からは、人と関わる仕事なので楽しいことが多いですというお言葉をいただきました。スタッフの皆さんも、愛あいのモットーである「笑顔、やさしさ」にあふれ、また利用者のご家族の様子にも気を配られている様子などは、本当に地域の皆さんの見守り役となっていらっしゃるように感じました。
愛あいの皆さんのお話を伺い、地域の皆さんが住み慣れた地域で幸せに暮らしていらっしゃる様子をもっと多くの人に知っていただき、このような取組が広がっていくようにしたいと思いました。
愛あいのように、利用者お一人おひとりの個性を大切にしながら、しっかりと寄り添っていく施設が増え、佐賀県の皆さんが住み慣れた地域で明るく幸せに暮らし、たくさんの笑顔であふれるように、しっかりと支援していきたいと思います。