今回訪問した神野消費者グループ ひよこ劇団は、約10年前から、悪質商法や詐欺をテーマにした寸劇を通して、これらの被害の撲滅を目指しています。神野校区に限らず、伊万里市や鳥栖市など、県内各地で年間40回程度寸劇を披露しています。
はじめに、ひよこ劇団による寸劇を鑑賞させていただきました。脚本は、警察から情報提供を受け、事案に基づいて構成されているそうです。また、実際にリフォーム詐欺の被害に遭った吉岡団長が書かれているため、非常にリアルで、劇の細部にまで気を配られているのが伝わってきました。
また、長い月日の中で磨き上げられたプロ顔負けの佐賀弁を用いた寸劇は、とても親しみやすく、面白くてわかりやすいものでした。寸劇を通して、詐欺に遭った時のケーススタディーをしておくことで、特に詐欺被害に遭いやすい高齢者の方には効果的だと感じました。「自分は詐欺被害には遭わないだろう」という日頃の油断が、いざというときにパニックを引き起こし被害を大きくしてします。ひよこ劇団のリアルな寸劇は、観る人の意識を変えるうえでも、本当に素晴らしいと思います。
その後、ひよこ劇団や神野校区の住民の方々と意見交換を行いました。意見交換では、劇団と神野校区の方々との関わり合いについてのお話や、今後の課題などを伺いました。今では、アドリブを交えながら面白くてわかりやすい寸劇を披露してくださっている皆さんですが、かつてはセリフが出てこなかったり、間違うこともあったそうです。しかし、地域の方々からの応援が支えとなり、ひよこを卒業して立派なにわとりに成長したと言っていただけるまでになったそうです。安全・安心な生活の実現のためには、地域全体が一体となって活動していくことが大切だと痛感しました。
一方で、ひよこ劇団は、この活動を引き継いでいく後継者の確保の問題に直面していることを知りました。劇団の活動に対して好意的な住民の皆さんですが、いざ劇団へ入って活動するとなると、やはりハードルが高いそうです。行政の目が届きづらい、いわば地域課題の隙間を埋めるこうした活動は、本当に貴重なものだと思います。ひよこ劇団のような、生活の安全・安心の向上に取り組む地域活動の輪が、将来にわたって持続し、広がっていくような仕組みづくりについても考えていきたいと思いました。
【山口知事のさー行こう！！】
神野消費者グループ ひよこ劇団を訪問し、ひよこ劇団の活動や地域の方々とのつながり、今後の課題などについて伺うことができました。県民の方々が安全・安心な生活を送るためには、詐欺のみならず、交通事故など様々な場面で「自分だけは被害に遭わないだろう」という意識を変えていく必要があると思います。寸劇を通して意識改革を図るひよこ劇団のような活動を、これからしっかりと支援していきたいと感じました。
詐欺被害を撲滅し、誰もが安全に安心して暮らせる佐賀へさー行こう！！