高志狂言とは、神埼市千代田町の高志地区で約200年以上前(推定)から伝承されている鷺流(さぎりゅう)の狂言です。毎年、五穀豊穣に感謝して高志神社へ奉納されています。
今回訪問した高志狂言クラブは、地区の伝統芸能である高志狂言をやってみたいという子ども達からの声を受け、約16年前に設立されました。高志狂言クラブでは、地元の高志狂言保存会と連携して夏季休業中や昼休みの時間に練習を行い、高志神社の秋祭りや千代田町の文化祭などで狂言を披露しています。
はじめに、高志狂言クラブの練習の様子を視察させていただきました。セリフのタイミングやスピード、一つ一つの細かな動きについて、高志狂言保存会の方や先生方が丁寧に指導されていました。狂言は独特な言い回しが多く、大人でも習得することが難しいと思いますが、子ども達は演目の内容をしっかりと理解した上で登場人物になりきって堂々と演技することができており、とても感心しました。練習の様子を見て、地域で大切に受け継がれてきた高志狂言が、クラブ活動という形で子ども達にしっかりと継承されていることを大変うれしく思いました。
当日は非常に厳しい暑さでしたが、子ども達は、高志神社の秋祭りに向け、一生懸命稽古に取り組んでいました。これから更に練習を積み重ねていき、見事な狂言を披露していただけるのを楽しみにしています。
その後、高志狂言クラブの子ども達や先生方、高志狂言保存会、神埼市の皆さんと意見交換を行いました。保存会の皆さんからは、狂言の練習を通して子ども達が自信を持つことができるようになったというお話しを伺いました。その一方、高志狂言クラブで狂言を経験した子ども達が、就職などを機に地区を離れてしまい後継者が残らないという課題があることも知りました。佐賀の宝とも言うべき高志狂言を、これからも継承していくためにはどうしたらいいのかということを強く考えさせられました。特色ある伝統文化を次の世代へ残すためにも、何が必要かを見極めた上で、やるべきことを検討していきたいと思います。そして、こうした取組を通し、皆さんがより一層佐賀に誇りと愛着を持っていただけるようにしたいと考えています。
【山口知事のさー行こう!!】
神埼市立千代田中部小学校 高志狂言クラブを訪問し、地域文化の保存・継承のために、子ども達や地域の皆さんが頑張っている様子を拝見するとともに、その課題などについてお聴きすることができました。
少子高齢化の急速な進展に伴い、伝統文化を次の世代に引き継ぐことがますます難しくなっています。県としても、地域の歴史や伝統を大切に守り続けるために、次世代の担い手を育成する取組などをしっかり応援したいと思いました。
地域の誇りである伝統文化が連綿と受け継がれていく佐賀へさー行こう!!