今回訪問した中原恵峰工房は、県指定伝統的地場産品の一つであり、県の南西部に伝わる伝統芸能である面浮立で使用される浮立面を、息子の博和さんとともに制作されています。
まず、浮立面の材料となる木材置場を拝見しました。手彫りにこだわる中原恵峰工房は、木材選びも妥協しないそうです。恵峰さんからは「丸太の切り口から木目を見て、良いと思った木材は3年間寝かせたのち製材して使用します」とお話しいただきました。
その後、工房内に場所を移し、これまでの取組についてご説明をいただきました。工房内に展示されている多くの浮立面は、各地区によって色や形に加え、微妙な表情の違いがありました。それを現物どおりに再現する匠の技を、県内の数少ない面師として次世代へ受け継いでいただいており大変嬉しく思いました。
また、恵峰さんからは、「最近は、浮立面の木彫技術を活かした動物の置き物の制作や、首都圏で開催される見本市への出展にも積極的に挑戦しています」とお聴きし、伝統的な技術・技法を守りながら新しいものづくりや販路開拓にも取り組まれていることがわかりました。
最後に、制作風景を見せていただきながら意見交換を行いました。恵峰さんからは「これまで数々の苦労を経験しましたが、お客さんの支えがあったから頑張れたのだと思います」とのお話がありました。今日に至るまで、佐賀県の誇るべき浮立面の普及・振興に大きく貢献してくださっている皆さんの想いに応えられるよう、県としてもしっかり取り組んでいきたいと思います。
【山口知事のさー行こう!!】
浮立面制作の伝統的な技術・技法の継承に加え、現代のライフスタイルに合った新しいものづくりや見本市への出展を通して販路開拓にも挑戦していただいており、本当にありがたいと思いました。皆さんのお気持ちをしっかりと受け止め、伝統的地場産品全体の更なる振興に取り組んでいきたいと思います。
伝統的地場産品が継承され発展していく佐賀さいこう!