○西日本新聞
まず幹事社の西日本新聞から2点ほどお聞きします。
今日午前中に石蓋が開きまして、赤色の顔料ですとか、目張り粘土、密閉に使うようなものの一部発見もありましたが、現在の調査の状況について受けとめをお願いします。
○知事
そうですね、本当に今日は公開の中で10時から石蓋が開かれるということでありましたが、全般的に見ると想定の範囲内だけれども、期待感はさらに高まったというのが素直な感想でありまして、1800年以上たっているので、大分土砂がその間流入しているので、少しでも何かの副葬品の頭でも出て、今日のうちに見えたらなというかすかな期待はしておりましたけれども、やっぱり土砂で全面覆われたというところでありました。ただ、非常にみんなで何だろうと思ったのが、例のこの(1)、(2)、(3)という、(2)番と(3)番の石の蓋にはいわゆる「×」とか、そういった跡が残されていたわけですけど、(1)にはなかったわけですね。で、今日この蓋を開けてみたら、この(1)の部分の裏側に、蓋の裏側です。ですから、我々はこちらのほうに頭があったのではないのかなと推測しておるんですが、そちらのほうに関してだけ裏側で、要は向き合うような形で跡が残っていたということがどういうことなんだろうかということに関して、何か考古学者の皆さんでも見識のある方、こういうことではなかろうかということなんかもぜひお話しいただけるとありがたいと思います。
ちょうど、ですから、こっちにこういう状況だったわけですね。これは開けてみたら裏にこうなっていたと。今ちょっと土をならす作業をしているんですが、結構広く跡が残っているということです。
それと、あとは目張りというか、蓋のところに白い粘土のようなものが付着していたので、それがずっと残されていたということだから、前から思っていたんですけど、盗掘されていない、そのままの状態で今まで1800年の間眠っておられたのだということが分かりました。これは非常によかったなと思います。
あとは、先ほどお話しいただいた赤色の顔料が、やはり裏側についていたということはこれまでの我々の経験からするとかなり高貴な方についているものでありますから、その可能性は高まったということであります。ですので、今からその土砂の中の発掘を行っていくわけですが、雨の日はできませんので、明日は雨の可能性が高いということであります。これから、そういった形で実作業日で3日、4日かかると思っているので、全容が判明するのは来週の半ば頃までには整理されるのではないかと思っておりますけれども、これは天候次第でありますので、ご期待をいただきたいと思っております。
私からは以上です。
○西日本新聞
もう1点。今日も報道関係だけで70人くらい現場に集まって、非常に全国的に吉野ヶ里に今、注目が集まっています。そのことについて受けとめをお願いします。
○知事
これはだから、まさに古代のロマンというか、1800年以上眠っておられた方はどんな方だったんだろうかということを皆さんと共有できた、実際に知っている知識の量というのは、我々も皆さんと同じ条件で、途中何かを覗いたりしておりませんので、同じ気持ちが共有できたということに大変我々はうれしく思っておりますし、これから先、もちろん今回の石棺墓もそうです。さらに奥を発掘していく過程で同じように、皆さんと同じ気持ちを共有しながら発掘作業を続けていきたいと思います。
○朝日新聞
今のお話ですけれども、昨年来、見える発掘、見せる発掘というのを意識してやっておられましたけれども、そこの狙いと、今後どういうふうにやっていくか教えてください。
○知事
特に、やはりこの発掘作業というのはできるだけ開かれた場所で、やはり皆さんと気持ちを一緒にしながら、しかも今はSNSもありますし、様々な映像というものも今の時代あるので、今の時代に合った発掘作業というものをチャレンジしてみたいなというふうに思ったのと、これから出てくるもの、それから、その検証の量にもよりますが、できるだけ大勢の皆さん方にこの発掘現場に近づいて見ていただけるように、もともと9月以降を予定していたわけですが、そういったことについてもチャレンジしていきたいと思います。そういったことで皆さんとともにそういう作業をするので、ぜひその辺について、みんなご理解をいただいて、何か問題が起きると、また閉鎖環境でということになってしまうので、ここは県民、国民の皆さん方と気持ちを一つにしながら、みんなで感動を共有していきたいと思っています。