<目次>
1 令和5年7月 九州北部豪雨災害について(その1)
2 玄海原子力発電所について(その1)
3 九州佐賀国際空港について
4 西九州新幹線について
5 オスプレイについて(その1)
6 令和5年7月 九州北部豪雨災害について(その2)
7 SAGAアリーナについて
8 玄海原子力発電所について(その2)
9 オスプレイについて(その2)
令和5年7月 九州北部豪雨災害について(その1)
○NHK
冒頭にもございました、今月10日の記録的大雨の被害について伺います。
山間部中心に土砂災害、それから、河川の護岸被害等相次ぐなどということだったんですけれども、その中で、復旧・復興に関してインフラ、産業、被災者生活支援という全体的なお話をいただきました。改めて、県として復旧・復興にどう取り組んでいくのか、知事の所感をお願いいたします。
○知事
先ほど申し上げましたように、やはり今回は施設災害が非常に多かったわけでありまして、やはり一刻も早く、道路の被災だとか、護岸の整備を早めに復旧することと、やはり生活で苦しんでいる皆さん方を一刻も早く支援しなければいけないということで、この3つのグループの支援をさせていただいているということでありまして、少しでも早く佐賀県の日常が取り戻されるように全力で取り組んでいきたいと思っています。
それから、もう一点申し上げると、先ほど県民の皆さん方にこれまでの雨の降り方は今までと違うということなので、過去の経験を鵜呑みにせず、今の豪雨災害に対してどう対応すべきなのかというお話もさせていただきました。
それからもう一点、あえて申し上げたいと思うんですけれども、ハード整備も、特に治山事業だとか、砂防事業というのは大事になってくるわけなんですけれども、これは順次優先順位をつけながらやっているわけですけれども、大体今、年間10か所程度ずつ進捗しているわけですよ。ところが、計画箇所というのはもう四、五千あって、それ以外にも起こり得る可能性があるところが多いので、もちろんハード整備も順次やっていきますけれども、やはりおのずと限界があるというのが我々の思いです。ですので、ぜひこれは県民の皆さん方と我々行政機関とが連携しながら、命を助けるための避難行動だったりとか、先ほど申し上げた垂直避難とか、そんなことを一緒にやっていくという共同作業だというふうに思いますので、そういったことも含めて、これからまた復旧・復興といいながら、8月、9月、10月、非常に危ない状況だというふうに認識しているので、みんなで力を合わせて被害が最小限になるように努力していきたいと思っています。
玄海原子力発電所について(その1)
○NHK
ありがとうございます。
もう一つ、話題が変わるんですけれども、玄海原子力発電所の関係の質問です。
明日、原子力規制委員会が現地視察に訪れて、その後、対面で知事とも意見交換されるご予定です。山中委員長就任後、佐賀県の訪問は初めてになると思うんですけれども、住民の安全を守る県の立場として、規制委員会に対してはどのようなお考えを伝える予定でしょうか。
○知事
山中委員長は、たしか5年前も委員長じゃない立場で来られていたと私は記憶しているんですけれども、そのときに、私なりに原子力災害の恐ろしさと、原子力規制委員会というものが独立した機関として.安全のために、ある部分、周りに忖度せずに審査をしていただくということの重要性を強く訴えたので、恐らく記憶していただいていると思います。
今回は、改めて委員長としてお越しいただくので、さらに我々は安全性を厳正に検査、審査する重要な仕事を規制委員会はしているので、人がどんどん入れ代わっても、そこの部分だけは決して失うことがないようにということと、個別に我々として政策提案していることもありますので、そういったことも交えながら、改めて皆さん方にしっかりした仕事を今後も続けていただくように依頼したいと思っています。
九州佐賀国際空港について
○西日本新聞
2点質問します。
スプリングジャパンの佐賀空港-成田便が今月から運航を休止し、国内線は羽田便だけとなりました。県は路線維持のためにこれまで予算をつぎ込んできたと思うんですけれども、搭乗率の伸び悩みが運航休止の原因ともされています。成田便の運航再開の見込みはあるのでしょうか。県として今後どう対応するつもりか、お聞かせください。
○知事
スプリングジャパンさんとは、まさに春秋系の会社でありましたから、非常にいい関係で成田便を進めてまいりました。本当にずっとこれまで努力していただいたことには感謝申し上げたいと思います。
しかしながら、コロナ禍もあって運航主体とか様々なものが変化いたしまして、春秋グループ自体が中国路線といったものを中心にとか経営方針が変わったりもしながら、それでも粘ってこれまでつないできていただいたんですけど、やはり全体の経営方針の中でなかなか存続は難しいということで判断をいただきました。
これまでのことには感謝していきたいと思いますけれども、春秋グループとの関係というのは、今回、上海便も戻ってきますし、そうした中で、春秋ジャパンというところがどういうふうな対応をしていくのかなというのは我々も関心がありますし、我々も中国便、西安便もこれから戻す努力をしていきたいと思いますので、そういう全体の動きの中で、さらに復便だとか別便だとか、そういった話をしていきたいと思います。
西九州新幹線について
○西日本新聞
もう一つあるんですが、国土交通省との新幹線問題の「幅広い協議」についてお尋ねします。
協議が始まってもう3年になりますけれども、特に進展はなく、最近は開催自体の頻度も落ちてきています。協議では国交省から何ら新しい提案はなく、この協議を続けて、今後成果が出てくると思っている人もだんだん少なくなっているのが現状だと思います。
西九州新幹線が現行のリレー方式のままでいいというのならば、「幅広い協議」を続ける意味は特にないと思いますけれども、何の進展もない協議を続ける意義は、県としてどこにあるとお考えでしょうか。
○知事
逆に打ち切る理由もないということだと思っています。我々からすると、もともと全体の枠組みの中で、佐賀県は在来線を通すという中で合意する枠組みがあったわけで、我々にしてみると、フル新幹線というのは全く別の枠組み、それこそ過去の延長線上にないものなんですね。ですので、もともとは我々は在来線を活用して、規格が変わっている新幹線が走ることが前提だったという話をすると全国の多くの方も分かっていただけるんですけれども、なかなかそういう情報というのは伝わらないもので、どうしてここがつながらないのかというお話を受けることもあります。
という状況なので、いつも申し上げているように、我々から打開する話ではないというふうに思っています。佐賀県からしてみると、やはり新鳥栖駅まで13分から20分程度、15分程度でつながっているわけでありますので、それをさらに在来線だったり、さらに財政負担も私は間違いなく真水で1,000億円を超えると思っていますけれども、それではとても1,000億円でも全然足らないぐらい佐賀県が負担をするという今のスキームの中で、これに乗り出すというのは、我々からすると現実的ではありません。ですので、我々からすると、そこを自ら踏み出すということは考えていません。
ただ、長崎県さんだとか、国だとかJRさんがいろいろフルということに関してずっと検討していきたいということでありますから、国交省の勧めに応じて「幅広い協議」をやっているわけですから、ということは全く新しい話なので、やはり国のほうから新しい提案というか、全くぴくりともしないということになりますと、我々もぴくりともしないということになるわけですから、それを我々から打開するということは考えていないというのも再三申し上げているので、今の状況だということです。
ただ、別に「幅広い協議」を我々はずっとそれを閉じるということも考えていないので、そういったものは続けていきたいというふうに思うし、私もいろんなところで、それこそ国だとか、森山委員長とかと話をする機会もありますから、そうした中で打開策というものが見えてくることがあるとしたならば、そうしたところで新たな局面になる可能性はあるというふうには思っております。
○西日本新聞
ありがとうございます。
オスプレイについて(その1)
○佐賀新聞
今日は九州防衛局長、新しく着任された局長が来られると思うんですけれども、新局長と面会される中で知事が伝えたいこと、新しい局長に求めたいことなどがあれば。
○知事
そうですね、私も危惧しているのは、ここのところ、進政策部長も総務省に帰任しましたし、今回、また局長も伊藤局長から変わるということで、ずっとこの局面に向けて、住民、地域のことを大切にしながら丁寧にやっていこうねということで、1つの考え方、共有認識ができていたので、これが人がぱらぱらぱらっといろんなところで変わっていって、それが崩れることがないように、あくまでも工事が始まっているからそのまま走るんだということが、丁寧さが欠けることがないように、そういった話について改めてみんなで合意しなければいけないので、江原局長さんにもそうした趣旨のことをお話ししようと思っております。
令和5年7月 九州北部豪雨災害について(その2)
○共同通信
大雨の災害の関係で、先ほど避難を早めにしてくださいという、土砂崩れの避難を早めにしてくださいというお話がありましたけど、現状、現場で話を聞いてみると、崩れてもやっぱり避難しなかったとか、今後も多分しないと思うとか、そういった声も一定数あります。最終的に避難するかどうかは住民の問題ではありますが、行政側としてどういうふうに実効性を高めていけるかというのはお考えがあるんでしょうか。
○知事
これは本当にもどかしい問題です。確かに中山間地域についても本当に大勢の皆さんがお住まいになられているので、住民の皆さん方の気持ちも分からないでもないし、市町の苦しみ、特に夜の避難の問題というのも抱えていますから難しい課題であるということは分かります。
ですので、我々とすると危険度の強さというものということについての精度を上げていくということなんだとは思うんです、まずは我々がやるべきこととして。なので、しっかりと土砂災害警戒情報についてももうちょっとしっかり強弱が、精度が上がるようになって、我々も市町に対してそれが提供できて、市町もそこが避難指示も少しでも区域を限定的にかけるという努力をするということと、あとは、これは先ほどから言っているように、官民というか、住民の皆さん方と行政と一緒になってやっていくことだというふうに思うんです。そこに対しての共通認識というのは持ちたいなと思います。
我々は県民の皆様方の命を一生懸命助けたいと思うけれども、助けるわけだけれども、我々だけの力では限度があって、先ほど私がどこが崩れるとか分かりませんと正直に申し上げたのは、まさにそういうことなんですね。ですから、そういうリスクに各住民の皆さん方が向き合ったときに、避難すべきかしないべきなのかということを自ら判断いただくような環境を僕らはつくらなきゃいけないし、その中でも、少なくとも今日訴えたかったのは寝る場所、特に夜に起こる可能性がありますから、どこに寝るのかということに関しては家族でぜひ考えていただいて、大雨が降るときには、少なくとも布団を敷いてほかのところで寝ようとか、どっちが安全なんだろうかという、これは考えていただくだけでも大分、全国のケースを見ても違うことがよく分かります。
ですので、まずは豪雨災害というものを恐れていただく、その中でできることというのを住民の皆さんも考えていただく、そして、我々行政もしっかりそれができる環境を整えるように、やれることについて全力を尽くしていくということなのかなと思っています。
SAGAアリーナについて
○朝日新聞
SAGAアリーナの件でちょっと教えてください。
オープンから2か月あまりたちまして、一通り大きな、いろんな種類のものが開催されたと思います。ライブもそうですし、アイスショーもそうですし、学会もありました。そういういろんなパターンのことをこなしながらやってきて、現状見えている課題とか、また逆に手応えですね、経済効果的なものはなかなかデータをすぐにとは言いませんけれども、どういう手応えを得ていらっしゃるかということと、これからどういうところがちょっとまだ弱いからやらなくちゃいけないねというふうに見ておられるかというのを教えてください。
○知事
おかげさまで、まずは順調なスタートを切っていると思っています。新時代のエンタメアリーナと我々は銘打ってPRをしているわけですけれども、観客からはライブハウスのようだというような声があります。そして、アーティストからは、観客からの声援が非常に近く感じた。だから、演者からもライブハウスのような感覚を得ていただいたのかなと思いますし、何よりも一番評価が高いのは裏方の皆さんでありまして、音響が抜群で、しかも、私も意外だったのは空調の音がしないというんですよ。ほかのところの施設はウーと空調の音がして、そこが非常に邪魔するらしいんですけれども、SAGAアリーナはそれがないという声とか、そういうのもありまして、非常にこういった効果を、これからも長所を生かしていきたいなと思うんですけれども、我々は先駆的にアリーナを造ったわけですけれども、これからどういったところが追っかけてくるかというところも大きいのかなと思います。
私は5年はいけるんじゃないかなと思うんですけれども、簡単には建ちませんから。ただ、民を中心にいろんな、SAGAアリーナなんかも参考に造られていくところもあると思いますし、行政機関がどのようなものを造っていくのか。今まさにBリーグもアリーナの新基準というのがありますから、というところなんかも見据えながら、我々のSAGAアリーナの先駆者としての利益だったり、個性だったりを生かしていくということなんだろうというふうに思います。
あとは、この効果をいかに県域に波及していくのかということだと思います。ですので、一番最近すごい頑張っているのはお弁当屋さんとか、だったら中でどうよということで拡充して対応していただいたりもしていくので、それをもっとエリア全体の街、店だったり、夜の街だったり、そういったところにも波及してもらいたいなと思いますし、交通機関もそうですし、何と言っても一番のネックは宿泊施設の不足だと思っています。せっかくこれだけの施設がありますから、多くのホテル、宿泊施設がこのエリアに立地していくということについて、これは官民一体となっての話でもありますけれども、民間、経済界の皆さん方にも促してまいりたいというふうに思っております。
○朝日新聞
今までとちょっと別の話ですけれども、「推しの子」という人気のアニメにもなった漫画があるんですけれども、それでも割と最新のところで、背景の一コマですけれども、SAGAアリーナが使われたというのがあって、そういう佐賀の認知度というか、佐賀でライブをやること、ありだよねというような意味だとか、そこら辺のところというのも世の中に少しずつ広まっていくのかなという気持ちでいますが、そこら辺のところはどうでしょうか。
○知事
そうですね、今回、B'zさんとNiziUさんが全国縦断コンサートの最初の土地に佐賀を選んでいただいたということのインパクトは結構大きくて、もちろんファンだけではなくて、様々な報道もそれを中心に、佐賀と言わなくても、あれは後ろに映っているのはSAGAアリーナだなという報道も非常に増えてきましたので、これでもまだまだかなというふうに思いますけれども、あそこにエンタメアリーナ、要はライブハウスアリーナがあるんだということをもっと我々自身が全国に向けて告知をしていって、今せっかくバックヤードとアーティストの中でSAGAアリーナいいよという雰囲気が出てきたので、これが広がっていくことによって、特別な場所としての位置づけができないかなと、我々はそういう野心を描いております。
○朝日新聞
分かりました。ありがとうございます。
玄海原子力発電所について(その2)
○時事通信
原発に関して伺いたいんですけれども、福島第一原発の処理水の海洋放出計画ですが、この夏にも正式決定する見込みなんですけれども、その開始した場合も様々な影響を懸念されております。漁業者の方は風評被害をすごく懸念されておりますし、実際に中国ではもう既に海産物の輸入規制というのが始まっております。佐賀県も原発立地県として、これは無視できない事態だと思うんですけれども、海洋放出計画に対する知事のお考えをお聞かせください。
○知事
これは国がしっかりと説明することに尽きると思うんです。特にこれは科学的根拠が伴うものなので、そこについてどの程度のものなのかということをもうちょっと国民に対して分かりやすく、身近な言葉で語っていただけるといいのかなというふうに思いますし、どうしてもイメージだけが先行してしまうということも、これは日本全体にとって不幸なことだと思うので、国としての説明の仕方ということにしっかりと全力を費やしていただきたいと思いますし、それに対して国民がどう考えるのか、そして、中国、韓国をはじめ、近隣諸国がどう考えるのかということだというふうに思います。
オスプレイについて(その2)
○佐賀新聞
すみません。6月議会で佐賀県は空港の将来像をつくりますよということを議会に報告されました。オスプレイの配備計画が動いて、知事はこの間ずっと民間空港としての発展を優先させるというふうな発言をされていて、今回も将来像にはそういった考えを盛り込むということも報告されています。
配備されると、どうしても佐賀空港の場合は、民間機より圧倒的に自衛隊機の滑走路の占有状況が増えるという状況になると思いますが、その中で知事が考える民間空港としての発展について何を大切にしているかということと、防衛省側に何を求めるかということをお聞かせください。
○知事
そうですね、私も民間空港としては第一義だということをずっと大切にしながら、防衛省に対してもそれを訴えてきたわけでありまして、それはこれからも続けていきたいと思いますし、見え方、これから施設整備が防衛省のほうもどんどん進んでいくわけで、それこそ8階建ての施設とかいろんなものができた中で、やはりこの空港は民間空港としてがファーストプライオリティーなんだということをしっかりつくっていかなきゃいかない。それはハード、ソフトと共にというふうに思います。ですので、じゃ、佐賀空港って何ですごいんだろうかと考えたときに、やはりコロナ前も、特にインバウンドに関しては、この地理的優位性から、近隣各県の空港よりも多かったわけでありますので、そして、やはり福岡空港は九州の中心空港ですけれども、どう考えてももう限界があるというふうに思います。九州全体の発展を考えたときには、福岡空港と佐賀空港が連担して九州全体に対する活力としての拠点となるべきだろうと私は確信しています。という意味で、これからも路線誘致をする、そのための滑走路の延長と平行誘導路、それから管制の問題、こういったものについてさらに充実するように取り組んでいきたいというふうに思いますし、さらに言うと、今日お話ししましたけれども、SUMCOさんとの関係は台湾との関係も非常に強いわけでありまして、この有明海沿岸が半導体も含めた産業関連地として非常に伸びていく可能性が高いわけですから、そういったところの物流拠点としても十分考えていかれると思います。
もう一点思っているのは、やはり南海トラフは必ず起きるので、今まで定期的に起こってきているので、そのときに津波想定もない、被害想定も極めて少ない佐賀県とすると、やはり我々が災害支援拠点になることはもう見えていると思うんですよね。ですから、そうしたときに、我々がそういったことを、これは防衛省とも連携してですけれども、しっかりその役目を果たせるようにということで、将来、我々佐賀空港が行うべきことというのは極めて大きなことで、佐賀空港が最初にできたときには想定できないような空港になっていると私は思いますので、そういう未来に向けて、この空港の将来像というものをしっかりとつくっていきたいと思います。