第64回障がい児(者)の教育・福祉・就労研修佐賀大会の開催を心からお喜び申し上げます。
皆様におかれましては、障がいのある方々が安心して暮らし、活躍できる社会づくりにご尽力いただいておりますことに対し、深く敬意を表します。
昨年度の「心の輪を広げる体験作文コンクール」で県内の最優秀賞に選ばれた作品の中で、高校生である筆者が、障がい者の方と接した際に感じた想いを率直に綴られていました。
筆者は、以前、パラリンピック日本代表選手から、車椅子専用駐車場に別の車が停まっていて駐車できず困ったことがあるという話を聞いた際、相手の立場に立って、自分ができることをすることが大切だと改めて感じたそうです。
そして、ご自身も、聴覚が不自由なおじいさん、おばあさんとコミュニケーションをとるために、積極的に手話を覚えたいと思うようになったと言います。
筆者の言う「差し出した手に気持ちを込めて笑顔で接する」行動が広がっていけば、きっと、思いやりがまちに溢れ、あたたかくて暮らしやすい社会になることでしょう。
今、佐賀県が取り組んでいる、みんながお互いに自然と支え合い、誰もが自分らしく心地よく過ごせる佐賀らしい優しさのカタチ“さがすたいる” も県内各地、さまざまな場面で広がりを見せています。
多様な人々が交流し、相互理解を深めていくことで、年齢、性別、国籍、障がいの有無を越えて、誰もが輝く佐賀県を実現できると私は信じています。
災害時の命の72時間を守る非常用電源の整備や軽度・中度難聴児補聴器の購入支援、佐賀県医療的ケア児支援センターの体制強化をはじめとした取組は、現場の方々の1つひとつの想いが形となって実現したものです。
こうした“さがすたいる”な取組の先に、本大会の主題にもなっている「多様性を認め合う夢のある地域社会の実現」があると考えています。
いつの時代も、子どもは私たちの大切な宝物です。
やがて社会をつくる一人として成長していく子どもたちを見守り、社会全体でしっかりと支えていくためには、障がいのある方々の生活や、教育、就労など寄り添った支援を続けてこられた皆様の存在が必要不可欠です。
ここ佐賀の地で、皆様と想いを一つに、子どもたちをはじめ、佐賀に生きる全ての人の尊厳が守られ、慈愛に満ち、人と人との結びつきが社会を支えている未来を目指して歩みを進めていきます。
結びに、本大会の成功とご参加の皆様のご健勝、ご多幸を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。