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令和5年度9月補正予算案

最終更新日:

 皆さんおはようございます。まず、冒頭は豚熱関係についてコメントさせていただきたいと思います。

 基本的に全体のオペレーションは総じて順調でありまして、83%について殺処分が終了いたしております。今日の深夜に職員の骨折事案などありました。本当に深夜の作業で、しかもぬかるんだ状況の中で、戻る途中で足を取られたということでありましたけれども、安全にしっかり心がけて今後の作業を行っていきたいと思っています。

 改めて、建設業協会、自衛隊、JA佐賀、森林組合など、支援をいただいた皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。

 そして、他県から獣医師を派遣いただいております。今、32都道府県で53名ということであります。九州各県でも福岡県2名、長崎県1名、大分県1名と鹿児島県1名。そして、沖縄県は最多の5名の皆さん方に駆けつけていただいています。本当にありがとうございます。獣医師の皆さんの頑張りで、そこにかかっているので、本当に感謝したいと思いますし、都道府県のみならず、国のほうもFAMICさんとか動物検疫所から7名の皆さん方に来ていただいております。本当にこういったときに助け合うということ、大変ありがたいことだと思っております。

 それから、豚熱関係につきましては、まず、今回の殺処分、埋却、消毒などについては、当初予算に2億円積んであります。これは家畜伝染病が発生した場合に備えた予算ということでありますので、それで対応することを考えております。今後、県内全域に対して、ワクチン接種という流れになろうかと思っていますが、これは国が2分の1ですけれども、県の部分についてはこの予算で対応するという予定としております。

 その他、別途予備費が2億円ありますから、これも活用することになる可能性があります。というのも、これは全体防疫体制の規模が鳥インフルのときに比べてかなり大きくなっていますので、全体経費が現時点で見通せていない状況です。ですので、そういった全体の状況がまとまり次第、先ほど言った予算、プラスアルファ追加予算の必要があればそれを別途措置するということでありますので、結論から言うと今日の発表の中に豚熱関係は入っておりません。ということであります。

 

<令和5年度9月補正予算案>

 

 ただいまから令和5年9月補正予算の内容について説明させていただきます。

 今回の補正予算額は295億円であります。そのうちの7月の九州北部豪雨災害対策が196億円であります。そのほかに通常補正等と書いてありますが、99億円ですけれども、この99億円を分解してみますと、いわゆる一般的な補正を今日説明させていただきます、事業だけしたものが13億円、この残りの86億円は昨年度の決算剰余金の一定割合を積み立てたりとか、コロナの包括支援金を空床補償みたいなものについて国に返納する部分ですね、実績に応じてということなので、そうすると今回の予算はだいたい300億円あって、そのうちの約200億円は7月の豪雨災害に対する予算で、残り100億円ありますが、そのうち通常補正は13億円というものが概観になります。

 そしたら、これからまず、先にこの豪雨災害関係の196億円について説明させていただきます。

 まず、改めて災害の概要についておさらいをしておきたいと思います。今回は、長雨が続く中で線状降水帯が発生したということ。そして、いわゆる脊振山系ですね、唐津市から脊振山系に係る北部地域と、それから、鳥栖市周辺の東部地域といったところに短時間に豪雨が集中したというものが大きな特徴であります。

 7月10日に線状降水帯が発生して、特に山間部に最大雨量92mm/時ということでありました。さらに、城原川の上流でも最大雨量85mm/時ということですので、今回は、山間部で土砂災害が多く発生したということと、玉島川、そして城原川などで河川水位が上昇して護岸崩壊が出たというものが大きな特徴なので、我々も発災直後の情報が集まってくる中で、今回の特徴は概観的に大きくつかんでいたわけですけれども、中山間地を中心に非常に多くの施設被害が発生した。ですから、どういうことかというと、道路に土砂が埋まって通れなくなったりとか、護岸をしているものが崩壊してということで、ですから、元年災害とか3年災害が多くの住家に被害があったものに対しまして、今回はそういったものについては局所的だった。いうならば、住家の全壊、半壊、浸水被害については、令和元年は約6,000棟なんです。3年は3,500棟なんです。今回は136棟なので、これは、ここに書きましたけれども、深刻な被害はもちろんありました。浜玉町平原地区で本当に3名の貴い命がなくなったりしていますけれども、全体としての概括とすると、住家の件数というものは少なくて、局所的だったというものが今回の災害の大きな特徴だと僕らは思っています。

 8月30日に激甚災害の指定を受けております

 ということで、被害額は非常に大きなものになりました。これは元年、3年よりも大きな額ということで、元年が被害額約240億円、3年が約300億円に対して今回は約360億円という額なので、そういった意味で、元年、3年とは様相を変えた災害だろうというふうに我々は認識をしています。ただ、お金がいっぱいかかっているということ。そして、そのお金がかかっている多くが山の中です。

 ちなみに、ここに書いてあるのが合併前の市町で示してみました。浜玉町、七山村、これが今唐津市ですね、ここ2つ。だから、合わせると、この2つで、この旧町村で178億円、唐津市が全部で218億円ですから、ほとんどがこの山の中ということです。

 こちらのほうは今佐賀市となっています富士町と三瀬村、これが合わせて88億円で、佐賀市が96億円ですから、そのうちの多くが山と。

 脊振村は今の神埼市ですけれども、26億円、これは30億円のうちの26億円というふうに見ていただくと、ほとんどが中山間地、山の中で被害を受けたということが見てとれるということです。

 この5つの地域で被害総額の8割を超えるということになりますので、非常に多くの山が傷ついたということが我々の認識です。

 まずは道路・河川等の復旧で地域生活を再建ということで、約117.5億円を計上しております。

 まず、何といってもやろうと思っているのが今坂地区の復旧でありまして、ここに6.6億円ということで、国の緊急事業の採択も受けましたので、今回、砂防ダムを整備して全面的にここについての復旧をし、さらに、砂防ダムを整備することによって、今後に対して万全を期していきたいな思っております。

 そのほか、今回は先ほど言ったように、土砂がずり落ちて道路を塞ぐというものと、河川の護岸がダダダダッと落ちているというパターンが多かったので、それこそ土をどかす、啓開する事業、応急事業ですね、まずはどかすということ。これが、それこそ土のうとかで、まずは止めるというような応急対応に約20億円かかっています。

 さらに、これはあくまで応急なので、本格復旧するということで92億円を計上して、ここにありますような道路と河川について、本格復旧する予算が92億円ということで、全体で117.5億円ということになっています。

 続きまして、今度は農林漁業者の事業再開を後押ししようということで、農業用施設等の復旧支援に2.4億円ということで、簡単に言うとハウスですね。これを再取得したり修繕したり、土砂を撤去するという事業がありまして、これを通常の補助率10分の2にしているところ、今回は中山間地ということで、10分の3の補助にしたいと思っています。

 そして、大概いろんな事業で国費が出るんですけれども、ハウスの復旧、国費が出る予定がないというか、これも全国で積み上がって一定の程度になると国費出てくるんですけれども、佐賀だけだと出てこないという、兼ねてから問題視しているものなので、今のところ出てこないことを前提に県として、県単になりますね、県の予算で10分の3を中山間地に支援していこうということなんです。

 さらに、次期作等の支援ということで、もう一回作物を作るために必要な種子や種苗等の購入だったりとか、草勢とか樹勢回復に必要な薬剤、肥料等の購入ということに対して補助をしていく予算ということで3分の1。

 さらに、鳥獣侵入防止施設復旧支援ということで、今回、イノシシを止めていたワイヤーメッシュがずたずたになってしまったので、これについて応急的整備をするという予算が出ています。補助率2分の1ということです。

 それから、農地・土地改良施設の復旧ということで55.3億円。様々なところが崩落しています。

 それから、林地の災害復旧に19億円ということであります。

 さらに、漂着ごみの緊急対策として、有明海沿岸ですね、白石海岸だとか戸ケ里、こういったところに対して1.1億円という予算で充てて、農林漁業者関係の事業再開を後押しする予算が78.9億円計上しております。

 ここからは通常補正ということで、災害ではない部分について、先ほど13億円と申し上げたものの主なものを説明させていただきます。

 まず、佐賀型賃金アッププロジェクトという話をさせていただきたいと思います。

 せんだって佐賀の最低賃金は900円ということで、これは10月14日から施行になるということになっております。ご案内のとおりです。昨年は全国最下位のうちの一つだったんですけれども、今回900円ということで、目安額プラス8円という伸び率は全国1位ということで、これで福岡に次いで単独九州2位の最低賃金ということになりました。これからの経済を回していくのには実践的な人材を多く雇用することが大事ですし、それに併せて付加価値の高い企業群をアライアンスさせていくということが佐賀の経済が大きく成長することになるので、そのためには、やはり最低賃金というのは人への投資として位置づけると。これからAIとかIoTとか様々なものが発達していく中で、人が担わなければいけないものはとても尊い、そこに投資をするということは非常に重要なことだと思いますし、今ここで見ていただくと分かりますように、最低賃金というのは──日本は世界的に非常に低い状況です。それこそ、アメリカ等だと2,000円を超えていたりとかしておりますし、ロンドンでも1,800円程度だったと記憶しておりますが、そういった意味で、様々な賃金格差というものが世界的なものからずれているというところもありますし、国内の最低賃金を見ていただいても、東京の隣にある、神奈川県がありますけど、1円しか違わないんですね。人が流動化する中で、我々は福岡の隣にありまして、鳥栖とか東部地域を抱えているわけですけど、この県境を越えるだけで41円も違っているというのは非常に大きな課題だと思うので、まだまだかなと思っています。ですので、ぜひ足腰の強い経済をつくっていくということが佐賀県に求められていく、そして、本当に名実共に九州単独2位の経済にしていかなければいけないというふうに思っております。今回、それでもいろんな企業がこの賃金アップの問題というもの、特に小規模事業者は取り組むわけでありますので、もちろんここだけ、最低賃金のところだけをターゲットにしている事業ではありませんが、事業場内最低賃金の3%以上の賃上げをしたところ、900円は上回っていただくということを条件にこれをアップしたら、例えば、高機能オーブンだったりとかPOSシステムを入れたりとか、これが大体150万円とか50万円とかかかるわけだけれども、いろいろそういうようなものに対して補助率の3分の2を支援するという事業を今回立ち上げる。様々な小規模事業者の皆さん方がこの問題に対応することになるので、さらに前向きになっていただこうというような予算を4.8億円計上して、賃金アップを促進して、それをそのまま好循環に生かせるような形に仕立て直していただく予算を佐賀県版としてこしらえました。

 ですので、これからこういったものも活用していただきながら、もちろんこれは最低賃金のところだけということではないので、もちろん1,000円を超えていたって、1,200円でも1,400円でも対象になるわけでありまして、各事業者がぜひこういったものを工夫して活用いただければなと思っております。

 有効求人倍率も、私もよく言うんですけど、私が生まれた昭和40年は0.26でしたけれども、今はもうこんなふうな状況でありまして、本当にどこもかしこも人手不足というふうな状況に今、佐賀県はなっています。なかなか意識が、この頃のイメージがどうしても強烈でありますので、その辺のみんなの意識改革も併せてやっていかなければいけないなと思っております。

 それから次は、漁業者や農業者が前向きに経営を続けられるためにということで、これはいわゆる価格高騰に対する事業です。

 依然として飼料、肥料、燃料は価格が高騰して経営を圧迫しているということで、今回これは新規です。さが養殖漁業サポートということで、配合飼料単価がずんずん上がっていて、特にカタクチイワシをペルーあたりから輸入しているらしいんですけれども、かなり高騰してしまって、国のセーフティーネットだけではとてもじゃないけれども追いついていかないということで、県のほうでもそこの部分の価格高騰分に対して、補助率2分の1で補助をしていくという事業を新規に組み立てたわけであります。特にこれは玄海関係に対する支援ということです。

 続きまして、こちらは肥料が、特に中国産の肥料というものがずっと来ていたわけですけれども、これが高騰してしまって、佐賀県はずっと堆肥型の循環型農業に転換しませんかという話をしていたわけですけれども、肥料が安いもんだからなかなか進まなかったんですが、今回、輸入肥料が高騰するということで、我々が思っていたもの以上に激しくこれが進みまして、これは第3弾になっています。第1弾、第2弾とやっていったんですけれども、それでも予算が足りなくて、いよいよ第3弾ということで、これで大体落ち着くかな。(県職員:一応これをしっかり進めていこうと。なので、これはそうやって非常に厳しい状況でもピンチをチャンスに変えていこうという施策は非常に大事かなというふうに思いますので、堆肥散布機だったりストックヤードの整備といったものに補助をしていくということで、手厚い補助、4分の3になっております。

 さらに、これも第3弾になります。これもたしか国のセーフティーネットが利かない、対象にならない分野だったということですね。施設園芸における光合成促進装置の稼働だったり大麦若葉の乾燥機、こういったものに対して、さらに価格高騰が続いているので、その高騰分について補助をするということで、補助率2分の1ということで1,400万円予算措置をしております。

 そして続きまして、肥前鹿島駅エリアをスローツーリズムの拠点へという事業であります。

 ご案内のとおり、鹿島・太良エリアというのは、西九州新幹線から1年経とうとしていますけど、非常に厳しい状況に減便、それからダイヤ改正によって追い込まれているということなんですが、むしろ鹿島・太良地域というのは、これから伸びていく地域ではないかと。非常に豊富な魅力ある資源があります。そして、それこそ酒蔵ツーリズムのときとかは10万人ぐらいの人があそこに押し寄せるという、まさにデスティネーションエリアということになるわけなので、ぜひそれを生かしたような、単なる駅ではなくて、鹿島・太良の歴史、文化が織りなす地域、ここにわざわざ訪れたくなるようなエリアをつくろうということで、県も乗り出して鹿島市さんと一緒になって再開発をしていくという事業です。

 そして、今回、これはまさにエリア全体として整備をしていこうと、エリアプロデュースをしていこうということで、基本コンセプトがまとまりましたので、今回これについての実施設計をやっていくということであります。

 それから、やはりこのエリアが非常に多くの人を引きつけるエリアになるためには、やはりこの地域ということをとことん知って、みんなでエリア開発をしていく必要があるというふうに思っていますので、11月から鹿島の駅前に職員を常駐して、住んでもらって、地域の人と一緒になって地域資源の磨き上げを図るようなことを考えております。

 次は、本当に佐賀県はSSP構想というのをやっているわけなんですが、スポーツ文化のすそ野拡大という一般的な、プロで頑張っていく、世界の舞台でオリンピック、ワールドカップを頑張る人もいるわけですけれども、このすそ野を広げるということがSSP構想に対してとても大きいので、施設や学校以外でも気軽にスポーツする場を創出したいなと考えています。佐賀県は何を考えたかというと、普通の公園を市町が整備するときに、滑り台とかブランコとか、そうじゃなくて、こんな感じで別の、例えば、これであればバスケットボールですが、といったものに親しめるようなものというのをモデル事業としてやってみたらどうかということで、ちょうど前から議論をしていたんですけれども、時あたかもバスケットのワールドカップで盛り上がっていて、カーボベルデなんてやっぱりこういうのがあるんですよね、こういう感じで。ふだんから子どもたちとか大人が、時間があるたびにバスケットボールして遊んでいるという、そんな日常というのもいいんではないのかなということで、バスケットを見て予算立てをしたわけではありませんが、前から検討していたんですけれども、ちょっとタイミングよくこういったものをやっていこうというものが発表するタイミングになりまして。ここは鍋島の交差点です。ここに県有地があって、植栽していて、人が入らないような空間、昔の(県立)図書館前みたいな感じだったんですが、そこをこのような感じで整備をしていくという事業をやろうと思っています。

 今、ここは佐賀市ですけど、唐津市にも今場所を選定中ということで、佐賀と唐津でまず2か所やってみたいなと思っていますが、こういったモデル事業をやることによって、市町が公園整備をやるときに一つのモデルケースとして、こういった形態というのもありじゃないかということについてまた市町と連携しながらつくっていきたいということであります。今回は基本計画と設計業務についての予算立てをしているというわけであります。

 続きまして、九州佐賀国際空港関係です。

 国際線について、4月2日に台北便が運航再開いたしまして、非常に順調に推移をしております。ちょうど本日、上海便が戻ってきます。そして、あさってにはソウル便が戻ってくるということで、4年ぶりに東アジアの3つのハブ空港とつながるということでありまして、この3つのハブ空港とつながるのは九州では佐賀、福岡のみということになるわけです。

 コロナ前は佐賀に西安があったので、これはちょっとまだ時間がかかりそうです。これについても合わせて交渉していきたいと思います。

 ただ、ここにありますように、コロナ前は上海便は4便ありまして、ソウル便はデイリーだったわけですけれども、まだ今回は3便ずつにとどまるということであるので、完全復便を目指すということで、さらに今回も情報発信と利用者助成という予算を捉えて、昔のようにいっぱい飛行機が来ていた、そういうときを一刻も早く取り戻すために、2路線の利用促進に向けた予算を計上したというわけであります。

 ということで、説明を終わりたいと思います。


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