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山口知事のさー行こう‼ 第111回 【有田町】株式会社深海商店(令和5年9月11日(月曜日))

最終更新日:
 地域でがんばっている皆さんを訪問する広聴事業『山口知事のさー行こう!!』 111回目の訪問先は、有田町の株式会社深海商店です。


(※訪問の模様は、県内のケーブルテレビ局で放送するほか、外部動画サイト(YouTube)でもご覧いただけます。)


 今回は、株式会社深海商店を訪問し、呉須製造工程の見学や、有田焼産業の再興などについて関係者との意見交換を行いました。


呉須クイズの色あてクイズに挑戦しました。

 昭和36年に創業の「株式会社深海商店」は、陶磁器の染付に使う鉱物質の顔料「呉須」をはじめとした色絵具や釉薬などの窯業資材を製造・販売しています。

後継者の深海家13代目、深海宗佑さんは、大手経営コンサルティング会社での経験を経て、令和3年にUターンしました。令和4年、岩尾玄樹氏とのコラボで呉須を用いたアパレルを作り、「呉須×_(ゴスカケル)」プロジェクトをスタート。その後、ジュエリーや家具とも続々とコラボしています。令和5年3月に開催したArita Diningでは、有田焼誕生から現代までの歴史と変遷を知るツアーや有田焼の器での食事、窯元巡りを通じて、参加者に伝統産業のダイナミズムを伝えるなど、様々な取組を大胆に仕掛けています。
 
呉須を製造している工場を見学しました。

 初めに、「呉須」に関するクイズに挑戦し、呉須とは何かを教えてもらいました。呉須は、磁器の染付に使う藍色の顔料で、酸化コバルトを主成分とし、混ぜ合わせる鉄やマンガン、クロムの調合分量によって緑から茶色のような色味まで、大きく変化します。化学変化によって、絵付時と焼成後でも色が異なり、深海商店では約300種類もの微妙に異なる色の呉須を製造していると聞き、その多さに驚きました。

 
石臼での微粉砕の工程を見学しました。

 次に、実際に呉須を製造している工場を見学しました。調合から出荷まで1カ月かけて、六つの工程で丁寧に製造されている様子を見ることができました。特に、最終工程の微粉砕では石臼で1週間もの間すりつぶすことで、呉須の粒子を1mmの1/1000である1㎛(マイクロメートル)まで細かくすることに感心しました。この作業によって、絵付の筆がとてもスムーズに流れるそうです。品質へのこだわりを強く感じました。

 
深海さんと意見交換をしました。

最後の意見交換では、今後の展望についてお話をしました。九州陶磁文化館で有田焼の歴史を学び、有田焼や伊万里焼の器でフレンチを味わい、器を提供してくださった窯元さんの工房を訪問することで有田焼の歴史や伝統をストーリーで伝える「Arita Dining」というイベントを3月に開催したところ、とても好評で、既に第2弾を計画していると伺いました。また、深海商店の呉須を使って作られているジュエリーもとても人気だそうで、深海さんが目指している「呉須の伝統に基づいた価値創造」が着実に進んでいることを頼もしく感じました。

 
株式会社深海商店の皆さまと一緒に。

【山口知事のさー行こう!!】

 有田焼など磁器に必要不可欠な深海家420年もの伝統を彩る呉須を、今も丁寧に製造しているだけでなく、時代に合わせてアパレルやジュエリーなどとコラボして、呉須の素晴らしさを今に活かしていこうと努力されている姿に、一緒に連携して頑張っていきたいと思いました。

伝統産業に更なる価値を創造する、佐賀さいこう!

 


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