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OKADA-ROOM Vol.30の展示がスタートします―画家の住む場所・描く場所―

最終更新日:

記者発表ヘッダー


令和6年2月28日

佐賀県立博物館・美術館 学芸課

担当者 岩永

内線 3717 直通 0952-24-3947

E-mail hakubi@pref.saga.lg.jp

 

OKADA-ROOM Vol.30の展示がスタートします―画家の住む場所・描く場所―

 佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠岡田おかだ三郎助さぶろうすけ(1869~1939)の画業と人物を顕彰してきました。

岡田三郎助は、明治39年(1906年)の末に劇作家の小山内薫の妹で自身も文筆家であった八千代(やちよ)と結婚し、伊達(だて)(あと)(現在の東京都渋谷区恵比寿)にアトリエを構えました。やがてアトリエ周辺には多くの芸術家や評論家が居を構え、岡田のアトリエは彼らが日ごと訪れる芸術家村の中核的な場所となっていきます。また、アトリエの内部には、岡田によって集められた多種多様な骨董品や染織品が積み上げられていました。さらに、岡田は大正末年頃にアトリエを増設して女子洋画研究所を開き、女性を対象に洋画を教えるようになりました。

このように、岡田にとって、アトリエは作品制作の場であっただけではなく、美しいものを集め、芸術を語り合い、教育を行った場でした。こうしたアトリエの在り方からは、岡田が芸術家としてどのように暮らそうとしていたのか、ひいてはどのような芸術家でありたかったかの一端を垣間見せています。

今回のOKADA-ROOMでは、「画家の住む場所・描く場所」と題し、岡田三郎助のアトリエに関わる作品を下記のとおり展示します。あわせて、岡田のアトリエに残されていた16mmフィルムを再編した動画を御紹介します。


 記


 1 会期   令和6年2月29日(木曜日)~6月16日(日曜日)

 2 開館時間 9時30分~18時

 3 休館日  毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)

 4 会場   佐賀県立美術館 OKADA-ROOM(佐賀市城内1丁目15-23)

 5 観覧料無料



 岡田三郎助(おかだ、さぶろうすけ)、1869(明治2)~1939(昭和14)

1869年(明治2年)、佐賀県佐賀町(現佐賀市)に旧佐賀藩士石尾いしお孝基たかもとの三男として生まれる。幼時に油絵に関心を持ち、のち洋画を学ぶ。黒田くろだ清輝せいき久米くめ桂一郎けいいちろうらとともに洋画団体「白馬会」を創立、東京美術学校の西洋画科の助教授に就任する。また文部省の留学生としてフランスに渡り、画家ラファエル・コランから穏やかで明るい色調の作風を学んだ。帰国後は東京美術学校教授として、官展の指導者として、後進の育成に力を注ぎ、1937年(昭和12年)、第1回文化勲章を受章した。繊細優美な婦人像を多く描き「美人画の岡田」と呼ばれた。


 画室内の岡田三郎助(1) 画室内の岡田三郎助(2)
 

 OKADA-ROOM Vol.30 画家の住む場所・描く場所 出品作品画像


岡田三郎助《ぬいとり》佐賀県立美術館
岡田三郎助《自画像》佐賀県立美術館
岡田三郎助《ぬいとり》
1914年(大正3年)、油彩・画布、佐賀県立美術館
岡田三郎助《自画像》
1899年(明治32年)、油彩・画布、佐賀県立美術館
岡田三郎助《風景》佐賀県立美術館
岡田三郎助《庭》佐賀県立美術館
岡田三郎助《風景》
1919年(大正8年)、油彩・画布、佐賀県立美術館
岡田三郎助《庭》
1919年(大正8年)、油彩・画布、佐賀県立美術館
岡田三郎助《少女読書》佐賀県立美術館
岡田三郎助《裸婦》佐賀県立美術館、佐賀県重要文化財
岡田三郎助《少女読書》
1924年(大正13年)、油彩・画布、佐賀県立美術館
岡田三郎助《裸婦》
 1935年(昭和10年)、油彩・画布、佐賀県立美術館
佐賀県重要文化財
ラファエル・コラン《日だまり(くつろぎ)》佐賀県立美術館
有馬さとえ《朝》佐賀県立美術館
ラファエル・コラン《日だまり(くつろぎ)》
1896年、油彩・画布 佐賀県立美術館
有馬さとえ《朝》
1957年(昭和32年)、油彩・画布、佐賀県立美術館


 

 出品目録(予定) 

1 岡田三郎助《自画像》1899年(明治32年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

2 岡田三郎助《ぬいとり》1914年(大正3年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

3 岡田三郎助《風景》1919年(大正8年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

4 岡田三郎助《庭》1919年(大正8年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

5 岡田三郎助《少女読書》1924年(大正13年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

6 岡田三郎助《裸婦》1935年(昭和10年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館、佐賀県重要文化財

7 ラファエル・コラン《日だまり(くつろぎ)》1986年、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

8 有馬さとえ《朝》1932年(昭和7年)、油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

※他、アトリエに残されていた16mmフィルムを再編した映像をOKADA-ROOM内で御紹介します。


 

岡田三郎助アトリエ・女子洋画研究所(県立博物館東側)

岡田三郎助は、1908年(明治41年)から1939年(昭和14年)まで、現在の東京都渋谷区恵比寿で暮らし、制作に打ち込みました。自宅に隣接したアトリエは木造の洋風建築で、岡田の没後は洋画家の(つじ)(ひさし)が譲り受けました。辻家の人々により長年守られた後、佐賀県立博物館東隣に移築・復原され、2018年度から一般公開されています。2022年には、国の登録有形文化財に登録されました。

このアトリエで岡田の名作の数々が誕生し、またその一室は、彼が主宰した画塾「女子洋画研究所」の教室として使用され、数多の女性画家たちが巣立ちました。

御来館の際は、ぜひアトリエもあわせて御見学ください。

岡田三郎助アトリエ(1) 岡田三郎助アトリエ(2)



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