選定を行った一般社団法人DOCOMOMO Japanからは、正面からは王冠、側面からは鞍型を思わせる外観や壁や床のタイル、木製の滑らかな階段手摺等の技術性はもちろん、竣工当時の体育館としての用途での使用が困難となった当施設を、用途を変更して保存活用することとした佐賀県の方針について「保存か解体かの岐路に立つ全国のモダニズム建築のあり方にも一石を投じるもの」と、その社会的価値も高く評価されています。
佐賀県は今後、この建物の歴史的・文化的価値を大切にしながら、文化を創造していく場として活用していくよう、事業を進めていきます。
※ 「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」は、モダン・ムーブメント(近代運動)の推進に寄与した建築の歴史的・文化的重要性を訴え、その記録と現存建物の保存に関する活動を展開する国際的学術組織であるDOCOMOMO(=The Documentation and Conservation of buildings,sites and neighborhoods of the Modern Movementの略称)の日本支部であるDOCOMOMO Japanが下記基準に基づいて選定を行ってきたものです。
a.装飾を用いるのではなく、線や面の構成による美学が適用されている。
b.技術の成果がデザインに反映されている。
c.社会改革的思想が見られる。
d.環境形成(広場や建築群の構成)という観点でデザインされている。