○佐賀新聞
県政とは直接関係ないですけど、20日にアメリカのトランプ大統領の就任式がありまして、新政権が発足するということになります。安保とか貿易とか、多方面で政策転換というのが出てきて、影響が出てくるんじゃないかというような見方もありますが、知事のトランプ大統領就任の受けとめというか、所感についてお伺いします。
○知事
私もこの仕事についてみて、やはり山口祥義という人間のほかに、佐賀県知事という佐賀県民の行く末を大きく左右する重責だということで、慎重さがすごく備わったというか、軽々に物をしゃべれないな、人の言ったことに対するコメントはなかなか簡単に出せないなと、すごく身にしみているんです。例えば、今回のトランプさんのツイッターでのさまざまな発言などによって、佐賀の会社でもメキシコに工場を出しているところもあったりとか、輸出が多く、今回の円高の問題で影響を受けたりしているところもあるものですから、今回は20日に就任されるので、20日以降は、その辺は考えていただけるんじゃないかと、まだ期待したいところがあって、というのは、一度つぶやいたこととかしゃべった言葉というのは、きょうの記者の皆さんはわかっていらっしゃると思うけれど、政治はなかなかもとに戻せない。だからこそ、本当によく全体を見据えた上で発言するとか意見を述べるということが大事だと思っています。
ですから、本当にそういったところ、予見可能性というか、ある程度こういうふうな幅の中で動くんだというところがもうちょっと見えてこないと、佐賀県のような一つの県であっても、見通しが立てられないところもありますので、こう言ってしまうと愚痴になるかもしれませんけれども、やはり世界全体の大国なので、大きな全体としての見方をしっかり考えていただきたい。もともとアメリカは世界の警察と言ったり、資本主義経済を牽引したりしながら、みんな自由貿易とか、そういったところでイメージしていたので、ここに来て保護というような感じで、どういうふうになるのか、貿易通商面も安全保障の面も見通せない状況だというところが非常に悩ましいと思っています。
○佐賀新聞
特に佐賀への影響で懸念されているものはありますか。
○知事
やはり我々からすると、1つは、佐賀も今グローバル企業が非常に多くて、特にニッチなところも含めて、世界を相手にしているところが多いので、そういった皆さん方からはちょっと先行きが見通せないなというような話も受けておりますし、特に自動車関係の部品工場も多いので、これがそれからどうなっていくのだろうかという話、それから、そもそも南シナ海や東シナ海で非常に混沌としていた安全保障の状況、環境がどう動いていくのかというのは、今の佐賀県にとってみると一つの大きなポイントでもあったので、安全保障環境がどうなっていくのかなということは、これは佐賀県民だけに限らずでもあるのかもしれませんが、みんなの思いだと思っています。