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玄海原子力発電所3、4号機の再稼働

最終更新日:

○読売新聞
 まず1点目、知事は今、再稼働はやむを得ないという判断を示されたわけですけれども、これまで知事は住民の理解を前提に再稼働はやむを得ないという立場を示されてきました。先ほどの説明であったり、先日の世耕大臣との会談の中でも、県民から寄せられた意見のほとんどが反対の意見であったり、第三者委員会やGMの中でもさまざまな立場の意見があるということは示されました。
 そういったプロセスを経て、県議会が出した決議というものは重たいという言葉はありましたけれども、知事ご自身として、この住民の理解というものをどのように判断されたのか、どのように評価されたのか、まず、その点について知事の考えを教えていただけますか。
○知事
 住民の理解についてですが、今申し上げたように、さまざまな形で県民の意見を聞いてまいりました。県民説明会もそうですけれども、メールや意見箱、広く意見を聴く委員会、GM※などもありました。
 この県民の理解というのは非常に難しい言葉であって、少なくとも83万人全員が一つの方向を向くということはあり得ないわけでありまして、皆さんにまずさまざまな情報をお伝えして、どういうお考えなんだろうかというところをしっかり開かれた形でやることが大事だと思って、さまざまなプロセスをやってまいりました。そして、そのさまざまなことに関しては、それぞれしっかりと国のほうからも答えを出して、そしてそれを公開して、それに対して、またさまざまな意見が出てという形をとってまいりました。その中でまた、本県独自で全市町長に話を聞くということもあって、そういったことを踏まえて、日ごろから県民の代表として、県民と接しておられる県議会はどういう立場なんだろうかと、お考えなんだろうかということを直接臨時会でお伺いさせていただいたということであって、その中で議論がなされて、再稼働やむを得ないということが決議になったということは、私はその今の間接民主主義の中で重く受けとめなければいけないということがありますけれども、もちろんこの県議会の決議だけをもって県民の理解というふうに考えてはいけないとは思っています。それは政治家として、私自身の判断をしなければいけないから、そのためには県議会の意見というのは重く受けとめながらも、私自身もそういったさまざまな機会をとらまえて伺った意見、そして、私自身が日ごろからさまざまな機会で県民の皆さん方と対話をさせていただいているその皮膚感覚といったものが大事になってくるだろうと思っています。
 そうしたことも踏まえて、今回、熟慮に熟慮を重ねた上で、私は全体として総合的に考えて理解を得たものというふうに判断させていただきました。
※GM(佐賀県GM21ミーティング)…市町長と知事を合わせた21人の首長が自由闊達に意見交換を行い、様々な地域課題を浮き彫りにしながら、その意識を共有する場。
○読売新聞
 知事の説明の中に、県民の安全が第一という言葉を何度か繰り返しおっしゃられました。そういった中で、事業者や国に対してハード面・ソフト面での安全性、努力、信頼性の向上、そういったものを国、事業者にきちんとやってもらうという言葉もありましたけれども、その同意権という法的根拠はないと言いながらも、知事はこうして記者会見を開いて、再稼働を容認する判断を示されたわけですが、佐賀県知事としての責務というものはどのようなものがあるとお考えなのか、また、どういったことを取り組み、かかわりながら、佐賀県知事としての責任を果たしていきたいと思っているのかについて教えていただけますでしょうか。
○知事
 私はこのプロセスについても、何と言うんでしょうか、もうちょっとわかりやすくて明確にされているといいんじゃないかということは申し上げたこともこれまでありましたけれども、やはり非常に最初のころ、特に悩ましかったのは、私はこれ、原発政策というのは本当に国がしっかりと責任を負うべきだと、何となくいいかげんにやってもらっちゃ本当に困ることなのでということでありまして、国の責任というものを明確化するべきだということに尽力、強い言葉で申し上げてきましたけれども、片や、知事は県民の安全・安心をどう考えているのかという意見もその当時出てまいりました。
 私は、安全・安心というものがこの問題に関する全ての第一のミッション、テーマだということは、これは再三申し上げてきましたけれども、その中で、自分としての役割をいかに果たしていくのか、佐賀県知事として県民の皆さん方の安全というものに第一義に寄り添ってしっかりとやっていくということが私は大事だと思っておりましたので、そこの両方をどう県民の皆さん方にわかっていただくのかなということに苦心してまいりました。
 そして、例えばきょう、こんなに長い時間、本当にマスコミの皆さん方には申しわけなかったですけれども、丁寧に──何分かかったかな、大分、30分ぐらいしゃべらせていただきましたけれども、これをしっかり、5年、10年、20年、30年、40年、50年と残していくということが大事で、私はこういった問題というのは、今いる、こういう緊張感のある中でやっているうちはまだしも、これから我々の子ども、孫の世代に行ったときに、そのあたりが風化するということが非常に悩ましい問題だと思っています。これは国に対しても言いたい、事業者に対しても言いたい。そこをしっかりと記録にこうやって残しておいて、このときにこういう決意でみんなが進んだんだということを常日ごろからしっかりと頭に入れながらやっていく、安全対策をしっかりやっていく。何となくいつの間にか作業をはしょったりとか、安全神話に陥ることがないようにということでありまして、全ての原点に安全があるということの中で全てが行われるということについて申し上げてきたつもりでございます。
○佐賀新聞
 知事としてかなり熟慮に熟慮を重ねたという判断だったと思うんですが、今、表明をされて、今の率直な感想をまずお願いいたします。
○知事
 そうですね、やはり知事の、何ていうか、同意と言っていいのかわかりませんけれども、この知事の了解というのか、そういった意思表明というのが、はっきりしていないにもかかわらず、こんなにも重い判断。本当に多くの方々から、この間、私、知事になってから2年数カ月ですね、いろんな強い意思表示をいろんなところで受けて、そのたびにその問題について考えてまいりました。ですので、この重い判断をしっかりと、みずからも責任を果たせるような形で、これから常に玄海原発に向かい合っていくということを自分にも言い聞かせなければいけないと、そういう思いです。
○佐賀新聞
 2点目ですけれども、知事として22日に世耕大臣が来られて1日考えられてきょうということになっていますが、知事として判断された時期というのは、どのようなタイミングだったのかというのと、今回の表明された中で一番力を込められた部分というのは、どのような部分になるのか教えてください。
○知事
 一番、再稼働ということの位置づけですね、非常に悩んだのは、私、きょうも申し上げましたように、玄海原発があるわけですよね。あるかないかと言ったら、私は、自分からそういったものについて前に進めるということはなかったと思います。しかしながら、今、佐賀県が、そして北部九州の中で玄海原発というものが佐賀県は立地県としてあるわけで、その中で、それをどのように安全にこれから、対処していくのかという、この観点で、自然エネルギーのほうがいいというのは、これはもうわかっているし、県民の皆さんもほとんど、どっちかと言われたら、それは自然エネルギー、それはひしひしと感じています。その中で、私とか、それから県議会の皆さんもそうですけれども、これだけ長きにわたって県議会に特別委員会を設けていろんな勉強をしてきて、その中でその責任を負わなければいけないというところがすごく肩にのしかかっているその重さというのを考えると、結論のところをどういう表現するかというところまで考えると、もうきのうのきのうまで、実はきのうもいろんなことを考えて、どういう説明すれば県民の皆さん方が、少なくとも、私の心のうちを、それを全部というのは難しいんでしょうけれども、できる限り、もちろん反対の方もおられると思いますけれども、私がどういう経緯でどういう考えでやったのかということについては、わかっていただけるようにという努力に非常に細心してきたという感じです。
○佐賀新聞
 ちょっとセンシティブな話なのかもしれないんですが、いわゆるきょう再稼働すると、やむを得ないという判断をされたかと思うんですけれども、きょうもおっしゃっていましたが、自然エネルギーのほうがいいに決まっていると、愛する佐賀県に原発は既にあるということもかなり感情的な部分をおっしゃったかと思うんですけれども、いわゆる知事としての立場としての選択と、山口さん本人としての気持ちの部分の折り合いのつけ方について、少し、表明された部分と、いわゆる思いの部分とに少しギャップがあるような感じがするんですけれども、そのあたりの……
○知事
 ちょっともう一回。
○佐賀新聞
 要は、知事としての判断されたものというのは、再稼働を容認するという形だと思うんですが、表明されている言葉の中には、要は再稼働したくないような思いというのがすごくにじんでいるような気もするんですが、そのあたりは知事としての立場と山口さん本人としての感覚と、何かそこら辺の折り合いのつけ方みたいなのがどのような感じだったんでしょうか。
○知事
 きょうここで話したことが全てなんですけれども、実際のところ、まず一つは我が国として原子力政策というのをやってきて、やっぱり福島原発事故が非常に大きい。やはり私は本当に思うのは、何で今のような深層防護的なああいうさまざまな状況を踏まえたようなこと、あるいは新規制基準のようなものを、あの前から、JCO事故の後に原対法ができたわけですけれども、何でそういうふうな考え方ができなかったのかなという強い思いなんですよ。
 ですから、私は今の規制委員会の考え方ということに非常に納得しているんですけれども、この国としてそういう形がとれなかったこと、科学者も含めて全てがということに対するすごく強い思いがあって、私は今回のこのスキームの中で、今は再稼働をして、再生エネルギーの時代が来るまではというふうに申し上げましたけれども、というふうにしたほうがいいだろうと思っています。このまま本当にさまざまな安定供給の問題もそうですけれども、環境の問題もそうですし、エネルギー安全保障の問題もあるわけだから、今これだけ原発を抱えている中で、それを減らしながらも、それをしっかりと活用していくという、安全に活用していくということが合理的な選択なんだろうなというふうには思っています。
○朝日新聞
 まず知事が幾つか九電さんにも経産省のほうにも要請していると思うんですが、それが守られていくというチェックはどのように知事としてなされるお考えかお聞かせください。
○知事
 まず、九電さんに関して言えば、私が就任以降も乾式貯蔵の問題だとか、免震構造の問題だとかが情報が必ずしもすぐ伝わってこなかったというところについて私が異議を申し立てたりしたこともありましたけれども、ここのところちょっとした事故もすぐに表に出そうというところはうちの職員に確認してもうかがわれる。なので、大分というか、皮膚感覚でわかるんですけれども、よくなってきたなというふうには思います。ただ、それは未来永劫続いてもらわなければいけないと思っています。ですから、これから後もまずそういう兆候が──兆候というか、物事、例えば、うそをつく、隠すということがないかどうかということについては常に我々も意識を持っていかなければいけないと思いますし、定期的に九電さんとのそういう緊張感のある意見交換といったものは必要だと思います。
○朝日新聞
 具体的にどういう形みたいなものを考えられていますか。
○知事
 これからもいろんなことが九電さんとのやりとりというのはあります。もちろん、今回、規制基準のこの問題も、今回、私がやむを得ないと言ったからと言って、これからまた工事認可とか、いろんな問題がありますし、1号機についても認可計画、これからは事前協議の対象に順次なってくるわけでありますから、そういったものに対してどうなのかということ、それから、ほかにも今あれは規制委員会のほうにリラッキングについても出されたままになっていますよね。そういった問題だとか、それから今、唐津や玄海町とこれからどういうふうに九電さんがもっとこの地域に寄り添っていくのかとか、さらにやはりもっともっと原発というものについて住民の皆さん方に、今、個別訪問とかしていただいたみたいですけれども、もっともっといろいろ話し合う、わかりやすく話し合う機会も必要だと思います。そういった意味で、非常に会うのは多いんじゃないかと。接触する機会はというふうに思っています。
○朝日新聞
 今、周辺の3県、30キロ圏内に3県の8市町がある中で、長崎県の3市と佐賀県の1市が反対の意思を表明されています。それについて、改めてどういうお考えできょうこの判断に至ったのかというのをお聞かせください。
○知事
 私のやり方として、まずこの自分の判断をするに当たって、少なくとも地域振興的なとか、例えば、税とか、そういったことは一切考えないようにしたんですね。あくまでも安全に真っすぐに寄り添って考えていこうということと、それから、ほかの地域の皆さん方に何か私の意見を言って、こういう調整をするとか、県内にとどまらず、もちろん県外も含めて、そして、知事に対しても。その中で出てくるフラットなところでの意見表明とか、そういったものということもしっかり自分として受けとめなければいけないと思いました。その中で、伊万里とか、壱岐とか平戸とか、松浦とか、そういったところのみんな知っている首長さんですけれども、そういう表明がなされたということも非常にある部分、私は自然なことだと思うし、それぞれのお考えで。私はそれをしっかり受けとめなければいけないと思いました。ですので、ある部分、そうやって進めなければいけないと改めて思いました。
○朝日新聞
 最後に、さっきの質問への回答の中で、もちろん県議会の住民の理解のところについて、県議会の意思は強いけれども、それを踏まえて総合的に自分の皮膚感覚で御判断をされたというふうにおっしゃったと思うんですけれども、ちょっとそこが、わかりやすく県民説明するというのは、その皮膚感覚というところがちょっとわかりにくくて、もう少しどういう、今まで就任以来、スタンスがずっと変わってきていない中で、どういうふうな判断をされたのか、もう少し詳しく皮膚感覚の部分を教えてください。
○知事
 県議会の判断がまず重いということについては、まず申し上げた上で、私も多くのさまざまな県民の皆さん方といろんな、この問題ということで会っているわけじゃなくても、いろんな意見交換をする機会が多いわけですけれども、やはり再稼働の問題というよりは、原発怖いよね、自然エネルギーのほうがいいよねという御意見が多いんです。と私は受けとめている。ですから、その中で、今回の再稼働についてどうねというところで深く、どこまでちゃんと知識や情報が与えられて考えておられるのかなとか、その辺というところの、私のそれは政治家としての感覚──感覚というか、だから、県議会には確認した。しかし、自分もいろんなところでこの83万人の皆さん方がどういう方向性を持っているのかということに対する意識というのはしっかり持たなければいけないということを常に自問自答しながら進めてまいりました。
○朝日新聞
 経産省から理解を求められているお立場だと思うんですけれども、経産省への回答はもうしましたか。
○知事
 2時前に世耕大臣に電話でさせていただきました。
○毎日新聞
 今言われたものにちょっと重ねてになりますけれども、周辺自治体の反対の関係で、きょうも壱岐市議会は反対の議決をして、知事の言葉でいうと、市議会は市民の代表であるので、この思い、結果だと思うんですけど、知事が言われたのは、それを受けとめてと言われましたけど、これまでは長崎県知事に受けとめてもらいたいというふうに言われていたと思うんですけれども、そのあたり改めて知事がどう受けとめられているのかというのを確認させてください。
○知事
 形の上からいうと、今、国のいわゆる理解活動というのは各県に対してなされていてということになるんだけれども、実際、私は立地県の知事として、30キロ圏内も含めて、県境というのは実際ないわけだから、私自身がそういうところに対する聞く耳をしっかり持たなければいけないという意識はありました。その上で、私が佐賀県知事としての職責を果たしていくということだと思っています。
○毎日新聞
 先日、世耕大臣にも手続を明確にしたほうがいいということですけれども、これは手続の法制化を求めるということでいいんでしょうか。
○知事
 それは、法制化するかどうかというのは効果であって、まず、国としてどういう理解をしてもらうという考え方、例えば、どこに対して、いわゆる地域という問題だとか、首長という問題をどういうスキームの中で考えていくのかということを考える中で、そうすると、そういう人たちに対してはこういう効果を与える、そういう人たちに対しては効果を与える、その場合について、それは法制化すべきなのかどうかという議論になっていくと思うんですよね。ですから、もともと原発政策の本質論というところをしっかり国の中で議論をしていくことによって、その効果として法制化するかどうかと。さきに法制化あり得るべしじゃなくて、そういった中の一つの選択として法制化もあるのではないかというのが私の考えです。
○毎日新聞
 最後にしますけど、最初に言われましたけど、国に対して地元の範囲を示してほしいというふうに要望したことに対して、法令上は示さないというふうに答えが返ってきたということですけれども、そういう国の今回の対応についてはどういうふうに思われますか。
○知事
 地域によって違うんだからと言われて、まさに地域によって違うことによって、なかなか今のような状況が生まれていて、こうなると、やはり私は自分として自分の職責を果たすということを全うしようということでしか対応できなくなってくるというか、いろんな意見を受けとめて、受けとめて、受けとめて、その上でどうするのかという消化の仕方というのは非常に悩ましいところになったなと。ただ、私とすると、1つ考えたのは、少なくとも今政治家として20人の首長さんと21人でいろんなことを政治家同士として話しているあの場というのは、非常に自分としては意義があったなと、佐賀県知事として、政治家として考えているところです。
○NHK
 知事が今回、再稼働をやむを得ないと判断した最大の理由というのをちょっとシンプルにお伺いしたいんです。
 知事、ずっと不安や反対の声がある中でという話だとか、あるいはできるなら再エネのほうがいい、それはそちらのほうがいいに決まっているというお話をされていますけど、その中で原発の再稼働をやむを得ないと判断したということは、原発の再稼働にどういう意味があると思ったからなんでしょうかというのが1つです。
○知事
 本当にそれこそ総合的な判断なんですけれども、もちろん今の国全体の置かれている立場ということについては再三申し上げているんだけれども、もう一つの観点として、これから何十年もつき合っていかなければいけないと、きょう申し上げましたけれども、その中で、いかに事業者に安全に管理してもらうかという観点というところも私の中では判断の一つとしてありました。
○NHK
 今の補足ですけれども、知事が常々おっしゃる玄海原発は今そこにあるんだからという話ですけれども、単純に今の状態である、あるいは廃炉に向かっていくということと再稼働するということはまた違うと思うんです。再稼働することには、当然、安全上のリスクもゼロではありませんし、逆に、電力を生み出すというメリットもある。その中で再稼働するということの意味をどう見たのかということなんです。
○知事
 もちろん総合的な判断なんだけれども、きょうも申し上げたように、あそこにちゃんとしっかりとした技術者が、知見というのはずっと続けていかなければいけないので、しっかりとそういった人間に安全に管理してもらう、そして、僕らがそれをしっかり注視するということで、自然エネルギーへの移行期間というところをむしろ監視下に──監視下と言ったらいかんね。かっちりしたほうがいいんじゃないかと。何となく廃炉、廃炉というところで本当に大丈夫やろうかというような部分。
○NHK
 九州電力には、きょうどのような形でいつ伝達をされましたか、あるいはこれからしますか。
○知事
 これからすることになると思いますけれども。
○西日本新聞
 先ほどの質問と少しかぶるかもしれないんですが、今回、同意権、原発の同意権は今、玄海町と佐賀県に事実上限られていると思うんですけど、先ほど世耕経済産業相とお話しされて、同意権の明確な規定を、地元同意の範囲を設けてほしいという話だったと思うんですが、結局、国からはそれは明確な回答、そこについては否定的だったと思うんですけど、その説明で納得されていらっしゃるのか、もしくは納得されていないならば、地元同意というのはどうあるべきだと今回、再稼働までの判断の中で考えられたかということを教えてください。
 並びにもう一点、先ほど佐賀県外の長崎、特に3市が30キロ圏内で反対の意思を首長が示していると思うんですけど、先ほど山口知事がおっしゃられたように、地元同意の根拠として、間接民主主義の根拠として県議会の理解をおっしゃられていましたが、今の地元同意の範囲が玄海町と佐賀県に限られる中で、だからこそ、30キロ圏外の県外の方からもたくさんの要望もあったと思うんですけど、そこら辺の同意の決断の難しさもあったと思うのですが、その部分で感じていらっしゃることがあったら教えてください。
○知事
 そうですね。その同意に対する私の感想みたいな形で申し上げてきたのは、少なくともこれから、この再稼働という問題に関しては北部九州だけの問題ではなくて、これからほかのところもこういった問題を抱えると思うんですよ。そのときに、それこそ国は地域の状況によって違うと言っている中で、私が、それぞれお考えがあると思うんです、地域によって。それを、こうあるべきじゃないかとあんまり強く言うのは私はどうかなと。私としては今回の経過の中で思ったことは表明させてもらっているんだけれども、それぞれ、例えばほかの知事さんとか市長さん、立地県もあるだろうしというところがあるので、そこと私は特に意見交換をしながらしゃべっているわけではないので、この件に関しては。なので、おのずと節度のあるしゃべり方をしたつもりなんですよ。ですからここは、あくまでそういったところの話なんかも国がしっかりとよく全体として踏まえてやっていただきたいなと思いますし、2問目の他県の首長さんの思いというものをどうこなすべきなのかと、非常に悩みました。ですから、そういうことをしっかりちゃんと聞こうと、どういうご発言をされているのか、そしてどういうところに問題意識があるのかということについては、しっかりと職員に聴取というか、いろんな情報を私のほうに集めるように言った上で、そういったものもしっかり判断材料の中に入れるというようなこと。ぎりぎり言うと、ルール的に言うとそれぞれの県ということになって、私はそれこそ今回も長崎の知事さんや福岡の知事さんからもいろんな要請を受けておりますけれども、そういったことも踏まえてやるんだけれども、やはり立地県というのはおのずとそういったものに対して耳を傾けるという責任はあるのかなと思いました。
○西日本新聞
 先ほどの最初の質問に関して、今、知事が答えられた内容だと、国も地域によっていろいろ事情が違うからという説明に対しては、知事自身も納得しているように私は普通に聞いていて感じたんですけど、納得されているという理解でいいんですかね。
○知事
 納得はしていないからずっと今まで、どうかなと、いかがなものかなというふうに申し上げていた。ただ、これからほかでもそういうことがあったときに、ある部分、うちは、いわゆる再稼働という問題に関しては、とりあえずこの3と4(号機)については意思表明まで、我々はもうここでしたわけだから、したところがまた、次もあるので。だから、あんまりこうはっきりこうじゃないかと、あんたんとこ終わったろうがとか何か、わかりますかね。あんまり言い過ぎてはいかんかなと思っているんです。それぞれご意見もこれからあるような知事さんや市長さんもあるので、ただ、こうやって、我々のこういうすごく難しい、非常にある部分すきっとしない状況の中で議論を重ねてきたということについてはよく見ていただきたいなとは思います。
○RKB
 最後に確認をさせていただきたいんですが、先ほどNHKさんが、シンプルに再稼働やむを得ないと判断した最大の理由をという中で、知事のお答えは、要約すると、今ある原発を最大限安全に管理するためには、とめておくよりも再稼働をしてさまざまな技術者による知見が得られたほうがよりメリットがあるという、そういう理解でよろしいんでしょうか。ちょっと先ほどわかりにくかったので。
○知事
 もともとの考え方として、私が申し上げてきた安定供給だとか、もともと我が国というのはよその国と電線でつながっていないので、自分たちの中でどういうふうにするべきなのかということと、今なんかだと火力発電所はフルパワーでやってきて、このままでこの環境問題も含めてという、その大きな話はまずありますよね。ですから、そういった意味で私は安全に管理しながらやっていくということについてはずっと思っていたわけなんです。特に、今回の再稼働のこの議論の中で、まさに安全性が大事だと自分でも言い、そして、どういうふうに向かい合うべきなのかというところをずっと考えたときの、その総合的な判断のうちの一つの切り口として、きょう言いましたよね、何十年も──これ我々だけじゃなくて福岡も長崎もですよね──何十年も向かい合っていかなければいけないんで、その向かい合い方の中で、という中で一つの問題点、課題というので私はそれを考えたということです。





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