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※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。
平成29年5月16日 知事定例記者会見
質疑内容
○朝日新聞
佐賀空港への自衛隊のオスプレイの配備計画で、まず2点質問があるんですけど、まず1点目は、空港の駐屯地の建設予定地の地権者説明会がありました。そこでは反対意見が相次いだということを出席者から聞いているんですけれども、かねてから知事は、漁業者の方に寄り添うという姿勢を示していらっしゃいますが、説明会を終えての感想とかをお聞かせください。
加えて、その際に漁業者の方から、今後は県の何らかの判断がないとこの問題は進まないんじゃないかという意見がありました。それについても知事のお考えをお聞かせください。
○知事
地権者説明が4月26日、27日、28日と行われました。さまざまなご意見を承ったと思います。特に厳しい意見が多かったというふうに聞いておりますけれども、ちょうどこの時期、諫早の問題が、控訴しないという国の判断があったこともあって、特に漁業者の皆さん方は、これまでの有明海周辺での国の公共事業による環境悪化及びその後の国の不誠実な対応による不信感が極めて強いというようなことで、今回のオスプレイの問題についても、そういった国に対する思いが色濃く出たというふうに聞いております。
そうしたことで、これから漁業者と、また今同じ景色を見ながら作業をしているという状況という中で、やはり国との関係といったものが一つの大きなポイントになるんだろうと考えてございます。もう1点は何でしたか。
○朝日新聞
今後は、県の何らかの判断がないと、このお話は進まないんじゃないかという声がありましたが。
○知事
確かに、そういったご意見も承っております。さまざまな課題について、今、県は論点整理をしているところで、論点整理されたものについては、準備が整い次第、公表させていただこうと思っておりますので、そうした中でまた議論が進むということを期待しております。
○朝日新聞
2点目は、かねてからおっしゃっている論点整理についてですが、いつごろ公表されるかというそのめどを教えていただければと思います。
○知事
まさに今、素案のようなものをどうしていこうか、項目整理をしているところで、まだ、それがいつ案の形で皆さん方に提示できるのかは見通せないんですですが、そんなに遅くはないんではないかなと思っております。
○朝日新聞
6月議会までには出ますか。
○知事
その方向で努力したいと思います。
○共同通信
先日、防衛省からの5回目の質問への回答が返ってきたと思うんですけれども、その中で、防衛省側は、これまでの事故を踏まえてもオスプレイは安全な機体であるということをかなり強調していたように思うんですけれども、これを受けての知事の率直な感想をお願いします。
○知事
その回答も含めて、今まさに精査をして、そういったことも含めて課題の整理の中で我々の考え方を示そうと、今作業をしているところです。
○共同通信
沖縄の事故については、知事はもう前にあるものが大き過ぎて先には進めないというふうな話もしたと思うんですけど、ここはもうある程度明確になったというふうにお考えですか。
○知事
いや、これはまた防衛省さんのほうから何らかのお話があろうかというふうに思いますので、そういったこともしっかり踏まえて、その内容、そしてそれをどう受けとめるのかといったことが一つのポイントになっていこうかと思います。
○共同通信
政府が核のごみの処理についての自治体向けの説明会を始めていて、19日に佐賀でも行われるんですけれども、こういう理解を求める活動が終わってから、実際、自治体とかに調査の要請が来るというのは、まだまだ先にはなると思うんですけど、現時点での核のごみについての知事の考え方をお願いします。
○知事
極めて大切な問題だと思いますし、せんだって世耕大臣が来佐されたときも、その問題は国が責任を持って行うべきだということで話をさせていただきました。大臣のほうも国が責任を持つんだということでお答えもいただきましたし、その最終処分の形がどういう形でするのかということについてはまだはっきりとしていないですけれども、我々としてもしっかりと、そういったこれからの国の進め方も含めて、よく注視していくということだと思います。
○共同通信
新たなものは受け入れたくないという考えに変わりはないでしょうか。
○知事
新たなもの、せんだって私が申し上げたくだりですね。基本的な方向とすると、これはもう一回読み上げたほうがいいかなと思いますが、「もし仮に、今新たに原子力発電所をつくるという判断を求められたとしても、私は決して同意するつもりはありません。しかし、私が愛する佐賀県には、現に玄海原子力発電所が存在しています」と申し上げましたけれども、基本的な方向はそういったことでご理解いただきたいと思います。
○佐賀新聞
オスプレイの事故の件で、まだ政府から事故の原因については正式な説明があっていないかと思うんですが、本日一部の報道で19日にも調整されているということで出ていますけれども、政府のほうからの説明については、今回いつごろというのは決まっているんでしょうか。
○知事
私が今把握している話では、防衛省の幹部が佐賀のほうに来られて、その件についての説明をされるということでして、19日という報道がきょうありましたけど、全体として今調整中ということで、これがはっきりすると国のほうから発表されると聞いております。
○佐賀新聞
現時点では19日ということは言えないけれども、その方向で調整があっているという理解でいいですか。
○知事
いずれさまざまな諸条件を精査した上で、国のほうから発表されるものと思います。
○佐賀新聞
オスプレイに関連してなんですけれども、弊社のアンケート調査で、現時点においても計画に関しては賛否が拮抗しているという状況なんですけれども、これだけ計画が発表されてから期間がたっている中でそういう状況にあるということについて、知事はどのように受けとめられているのか、教えてください。
○知事
まず、賛否が分かれているというか、さまざまな意見があるということに関して、しかも、それが拮抗しているということについては、かねてよりさまざまな報道機関なりの調査でも示されておりましたので、それがまだ続いているのかなということと、それから、今朝の報道を見ますと、必ずしも正確に今の状況を把握されていない方も多いということでありますので、これはもう要請元である防衛省さんのほうでしっかりと説明されるべきかと考えています。
○佐賀新聞
原発の話ですけれども、国の原子力防災訓練が今年は秋に佐賀県で実施されるということですが、佐賀県としてどのような訓練をやってくれとかという要望みたいなものとか、参加しやすいような日程の調整のあり方だとか、そのあたりの要望などはされる予定でしょうか。
○知事
これは山本大臣が発表されたんですよね。
○担当局長
秋ごろ、玄海地域で行うということを。
○知事
日にちまではまだ決まっていないようですけれども、私とすると、国との関係、特に緊急事態が起きたときに、その連絡体制が極めて重要だというのはかねてから申し上げていましたし、そのときオフサイトセンターに副大臣が来ていただいて対応をするということが、実際のオペレーション(運用・管理)としてしっかり機能するようなことが大事だというのはかねてから申し上げていたので、今回、玄海でやるということは極めて意義があることだと思いますし、その際には、まさに国と我々との連絡調整といったものがどう行われるのか、緊急事態の宣言だとか、本部がどう運営されるのかといったところについて、国とのそういった手順の確認というものをしっかりやっていくということが一つの大きなポイントになろうかと思います。
○佐賀新聞
具体的な手順の確認みたいなところ、例えば離島の確認だとか、渋滞の状況の確認だとか、複合災害だとか、個別の項目でいろいろあるかと思うんですけれども、そのあたり、今回はこういうことをやりたいなとかというのは特にありますか。
○知事
まさにもう、具体的にはこれからですけれども、1つは国との調整ですけれども、もう一つは、これはいろんな地域で国のほうも訓練をやっておられるんでしょうけれども、やはり今、(佐賀新聞記者)さんから離島のお話をいただきましたけれども、この区域ならではの特性といったものをしっかりと織り込んだものにする必要があるだろうと思います。
○NHK
さっきの防衛省のオスプレイの関係で、5回目の質問に対する回答がこの前来たかと思うんですけど、それを受けて、今、佐賀県としての考え方の案を今まとめつつあるというお話だったかと思うんですが、ということは、つまり、その5回目の回答をもって、基本的に追加の質問はないということで理解していてよろしいということでしょうか。
○知事
今まさに、そこも含めて精査中で、今回は漁協さんからの話についてもあわせてご回答いただいているんですけれども、そういった関係の皆さん方ともよく相談もして、これで質問の精査のやりとりを了とするのか、さらに追加で伺うことがあるのかといったことについては確認していきたいと思います。
○NHK
では、今の時点では最終的な意思決定は行われていないということですね。
○知事
はい。
○NHK
わかりました。あともう一点だけ。
漁協に対する回答の中で、コノシロ漁の確認をするというあれ(記載)もありましたけれども、それについて知事のお考えと、確認の仕方についても含めてですけど、録音した音でとたしか書いてあったと思うんですけど。
○知事
まさにそこは技術的な話でもあるので、なかなかオスプレイそのものが来るというのは難しいということで、お互いが納得するようなやり方があればいいなと思いますし、実際、この時期にそういった代替のものででもできるということで話がつけば、そういったものについては我々もサポートしたいと思います。
○サガテレビ
先ほどの防衛省の幹部の来県の件ですけれども、これは回答でも、人的要因が複合的に重なって発生したということで、日米間で一致したという回答が来ているんですけれども、それ以上に確認したい部分というのは、知事としてはどうお考えでしょうか。
○知事
直接、幹部の方が来られるのであれば、しっかりと見解を賜りたいなと思っています。
○サガテレビ
というと、どこら辺をどう、原因究明。
○知事
どこら辺というか、今回は防衛省さんがこの問題に関して米軍とどうなったのか、みずからどういう判断をされたのかということも含めて承りたいと思いますので、今の段階でどのポイントということについては、私から言う話ではないのかなと思っています。
○サガテレビ
先ほど佐賀新聞さんからもあったんですけれども、うちでも2014年から3回、オスプレイについて賛否を問う世論調査をしまして、これまでずっと反対が多くて、前回の数カ月前の世論調査では反対が45%で12ポイント離れていたんですね。今回初めて10ポイント以上離れていまして、拮抗していないような状況ですけれども、この反対の意見が多いということに関しては、どのような受けとめがありますか。
○知事
基本的にあるかないかということに関して考えると、それはないほうがいいというお考えもわからないではないですけれども、まさにこの国防という大きな課題、そして、大切なものについてはみんなで分かち合っていかなければいけないということも片や考えなければいけないなと思っています。
○サガテレビ
その部分に関して言うと、先ほど(佐賀新聞記者)さんからもお話がありましたけれども、理解活動みたいな周知というのがすごく大事になってくると思うんですけれども、今行われている以外のものでの周知だったり認知拡大というのは、どのように図ろうとお考えでしょうか。
○知事
先ほど申し上げましたけど、まず正確に今の要請内容について私なりに全体像、将来像ということについてこれまでやってきたんですけれども、それがどこまで県民の皆さん方に通じているんだろうかということについては、きょうの報道、あまり母数は多くなかったと思いますけれども、それでもやっぱりそういう傾向があるということなので、まずは防衛省さんのほうにしっかりと今の要請内容についての説明をしていただきたいということと、これからまた検討が進んでいく状況の中で、ほかの県民の皆さん方とのいろんなやりとりをするような場みたいなものについて検討する必要が出てくる可能はあると思っています。
○サガテレビ
防衛省からの説明があって、佐賀県として案がしっかりまとまれば、6月議会での受け入れ可否の判断もあるということでしょうか。
○知事
まだそれは見通せないところではありますけれども、我々がその検討項目についての発表をしたいと思いますので、そうしたところの状況、特に、漁協、地権者の皆さん方が大事だとかねがね申しておりましたけれども、特に冒頭申し上げたように、国の公共事業、国が信用できるのかといった声というのは非常に重いと思うので、そういったところについて、しっかり国のほうにも話していくことが大事だろうと思います。そういった中で、時期的なものというのは見えてくるのか来ないのかといったことだと思います。
○毎日新聞
オスプレイに関してですけれども、地権者説明会を知事はかねてから重要な位置づけにされていて、次のステップに行くために必ず踏まなければならないプロセスの一つだと。この前実施されたと思うんですけれども、これはもう地権者説明会は終了というか、もうこれで終わったという認識でいいんですか。
○知事
いや、まだ、私はこの前のことで全てが終了したという報告も受けておりませんし、これからどういうふうなお互いのやりとりがなされるのかについては注意深く見守っていきたいなと思いますが、いずれにしても、今回の問題は我々は県営空港であると同時に、やっぱり地権者もおられるので、皆さん方がそれを納得されない限り、その先が見通せない状況なんです。ですから、そこについては本当に地権者とのやりとりというのは丁寧にやっていくべきだろうと思います。
○毎日新聞
地権者説明会の前日に、国の諫干に関する控訴しないという判断が出たと思うんですけれども、こういう国の対応、どう考えても漁業者の方の感情を考えると、ちょっとそのタイミングでやるのはおかしいんじゃないかという声もあると思うんですけれども、知事はこの国の対応をどう思われますか。
○知事
私は、和解協議を否定していたわけではなくて、これはむしろ記者の皆さん方は私とずっとやりとりをしているのでわかっていらっしゃると思うんですけれども、前提のついた和解協議というのはどうかなということであって、和解協議自体は、みんなで話し合う場をつくって、私もそこに参加することに全くやぶさかではない、4県知事でもいいしという話をさせていただいていたわけですから、その中で、4月末でしたけれども、控訴期限が5月1日まであったにもかかわらず控訴しないと決めたことを、漁業者の皆さん方は非常に「えっ」という感じであった、我々もそうでしたけど。
そのときに、国、国と言いますけど、片やオスプレイの要請をしている国、片や控訴をしないという国、相手は同じ漁業者、そういったところで、国のほうで両方がちゃんと連携しているんだろうか、縦割りになってはいないかと、そういったところについて非常に危惧しているというか、そういったところについても国に申し上げていく必要があるんだろうと思います。
やっぱり、人の気持ちはとても大事なので、どう受けとめられるのか、どうやって信頼を得ていくのかといったことに関しては、やはり国全体としてしっかりと考えていただきたいと思います。
○朝日新聞
先ほどおっしゃったことで、もう少し具体的に確認をしたいのですが、地権者の方が納得しない限り、その先は見通せない状況というふうにも知事はおっしゃったと思うんですけれども、今、説明会で反対の声が相次ぐ中で、地権者が反対という表明している中で、県として受け入れの判断はないというふうに考えてよろしいですか。
○知事
基本的に防衛省さんは強制収用はしないと言っていますから、ということは、地権者の皆さん方の理解協力は不可欠なわけです。ですから、そこが国防という大切なものの中で、どうやって地権者の皆さん方との話がつくかどうか、そういったところが極めて重要だと思いますので、そのときに県としての、まだ我々は考え方というのを明らかにしておりませんけれども、そうした中で、先どうなっていくのかといったところが見えてくるんではないのかと思います。
○朝日新聞
地権者の方が受け入れなければ土地は買えないわけで、駐屯地もできないというのはわかるんですけれども、例えば、地権者の方は反対しているけれども、県が受け入れということを判断して、防衛省と一緒に地権者を説得していくということもあり得るかと思うんです。考えられると思うんですけれども、そこについてはいかがですか。
○知事
そこは、そもそもいわゆる覚書の事前協議も、県がそうやって受け入れを仮に判断したときには、漁業者に対して、むしろ要請をするという立場になるわけですよね。ただ、私はかねてから申し上げているように、漁業者と同じ景色を見ながら、今、相談をしていきたいと申し上げておりますので、そこの中で、例えば、先ほど言った国のことが信用できないということであれば、そういう条件をできるだけつまびらかにしていくということは、我々がやっていくべき話だと思っております。
ですから、防衛省に対しても、情報開示にしてもそうですし、何かあったときにはどういう対応になるのかといったことというのは、まだまだ国のほうから話は承っていないことも多いので、そういうことがこれからまた開かれていく中で、県としての考え方というのも出てくるし、そのときには、漁業者の思いというものが極めて大事な要素になっていくんだろうとも思っています。
○時事通信
今のところのお話ですけれども、県が国に対して考えをまとめる中では、受け入れの是非について述べる部分ではなくて、もう少し漁業者との話のあり方だとか、防衛省としてはこうするべきだとか、具体的な、詰める前のベースのような話であって、受け入れの可否とか、そういうところまで踏み込まないような問題の内容の提起の仕方になるんでしょうか。
○知事
いくつか、実際に、仮に受け入れた場合にはどういう状況になっていくのかとか、そういったことも含めてまだ議論はされていないので、特に国との関係において詰めるべき話がまだあるんだろうというふうに思います。