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※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。
平成29年10月19日 知事定例記者会見
質疑内容
○佐賀新聞
まず、衆院選に関してお尋ねしたいと思いますけど、知事が就任されて初めての衆院選になるかと思うのですけれども、解散の経緯でしたり、野党の動きなどについての知事のご所感をお願いしたいというのと、その後、できる政権について、国政課題を抱える佐賀県としてどのような政権であってほしいみたいな望むことを一言お願いいたします。
○知事
今回は突然の解散で、候補の皆さん方も大変苦労されているというふうに聞いています。そして、その短い中で政策を練り上げて戦うということ、私はいつも選挙というものに対して思うのですけれども、任期というものがあって、予定されているのであれば、それをターゲットにいろんなことを考えて、国民だったり、県民だったり、市民に何か訴えていくというのが本来あるべき姿で、それ以外の場合ということになると、特別な事情がある場合ということ、そして、そういうルールが世界の趨勢なのかなと思っておりますので、今回、いわゆる大義があったかどうかということについてのコメントは避けますけれども、原則が原則であるべきだろうなという感想は持っています。
そして、今後の政権、今、まさに選挙中なのでありますけれども、今度の日曜日に国の大きな方向性が示されると思いますけれども、特に佐賀県は国政案件を多く抱えている県でありますので、現場だとか、地域だとか、そういったところで起きていることに敏感な政権であってほしいなと思います。私は本当に危惧しております。毎回、国会議員の定数のところで都市部の議員が人口比例でどんどん増えていくことに対して警鐘を鳴らして、これは不可逆的だから、一旦そうなってしまうと、国の選挙制度の土俵というのは国会議員が決めているわけだから、戻ってくることは起こりにくいと。だからこそ、今、地方の声というものを届けることが大事だし、そういった意味で骨太の憲法論議をすべきだということは本当に焦りにも似た気持ちで申し上げているわけであります。今回はそういった意味で、三都物語というのもありましたけれども、地方というのは何となく地方自治体と、東京、大阪も含んだ地方自治というふうに考えるわけなのだけれども、今考えなければいけないのは、先ほどの「森川海人っ」じゃないけれども、中山間地や過疎地域で、いわゆる地域で何が起きているのか、そして、そこを大切にしなければ日本という国の存立基盤がなくなるということについて今国民全体が考えていかないと大変なことになるんじゃないかという思いを今回強く持たせていただきました。
○佐賀新聞
あと、衆院選、先ほどから国政課題を佐賀県は抱えているということでしたけれども、衆院選の佐賀選挙区の候補者の中では、例えば、1区ではオスプレイに対して賛否が明確に分かれていたり、2区でも原発再稼働に関しての政策に違いがあったりするんですけれども、その選挙結果を受けて、それが知事の今後の判断に影響を与えたりすることがあるのかどうか、そのあたりの理由も含めてお願いいたします。
○知事
今回もさまざまな、佐賀市議選も含めてですけれども、やはり選挙というものの争点と、その結果、そして、その過程でもたらされたさまざまな住民の皆さん方の声というのはしっかり真摯に耳を傾けなければいけないと思いますし、私もそういった意味で今回のさまざまな選挙については注視をさせていただいております。そうしたものについて自分なりにしっかりと受けとめて、今後の県の方向性には生かしていきたいと思っています。
○佐賀新聞
知事個人的に特定の政党なり特定の候補者なりを支援されるということはあるのでしょうか。
○知事
私の知事になるまでの過程というものも御案内のとおりでありまして、非常に幅広い層の皆さん方から御支援をいただいております。そして、私の仕事は佐賀県がどうあるべきなのか、佐賀県民をいかに幸せにすべきかだと思いますので、むしろこういう激しい国政選挙が行われているからこそ、佐賀県全体としてのまとまりといったものを大切に考えなければいけないなと思っています。
ですので、今回の選挙に関しましては、今関係で5人おられましたかね、先ほど言いましたように地方の声を届ける議員はどんどん減っていますので、何とか5人、もう一度、どういう形にしろ、佐賀の代表として御活躍いただいたらいいなと思っています。
○サガテレビ
その衆院選の争点の一つにもなっているオスプレイの問題なのですが、知事のお話では衆院選前の時点では防衛大臣に漁業者の思いなどを伝えていきたいというお話をされていたと思うのですけれども、実際こういう状況になりまして衆院選が行われることになりまして、今後の大臣面会のスケジュールなどそういった部分というのはどういう形になるんでしょうか。
○知事
この解散までの動きの中でさまざまなことを考えていたわけなのですけれども、一回国会がこういう形になりました。そういった意味で、少なくとも私自身が、いわゆる政治家同士で何かをしているということは今ありません。ただ、今回、我々のほうも人事異動等もございまして、担当部長などもいろいろかわったりもしたこともあって、そして、調整監を設置したりとか、そういった形で事務的には防衛省とお話をさせていただいたり、それから、漁協との意見交換、こういったものについては進めております。今回、新たにまたどういう方々で組閣されるのか、そして大臣が誰になられるのかということにもよると思いますので、そういった結果を踏まえて、国と県との関係ということについては改めてまた整理をさせていただきたいと思っています。
○サガテレビ
事務的にいろいろ進めているということなのですけれども、ノリの漁期にも入りまして、これから漁業者も非常に忙しくなる時期になると思うのですけれども、そうなると今年度の判断というのは非常に難しくなってくるのかなというふうにも受け取れるんですけれども、その辺というのは知事の受けとめはいかがでしょうか。
○知事
ここは本当、そういった意味ではまだ見通せない状況が続いているのかなというふうに思っています。
○サガテレビ
あと、米軍だけではなくて、自衛隊のヘリしでしたり、最近そういったものの事故というのも相次いでいますけれども、こういった面というのは知事としてどのように受けとめられていますか。
○知事
きのう第4師団長が御訪問いただいて、いろいろ話をする中で、ちょっと事故が続いているねという話もさせていただいております。特に自衛隊の事故も最近は、浜松に続いて百里でも火がという話が出ていますけれども、そういったこともあるので、再三申し上げているように、厳しい訓練はしていると思うのです。浜松の事故も、あれは夜間で、通常あのヘリがああなるというのは私的にはおよそ想定できないのだけれども、夜間で非常に厳しい訓練をしていたのか、原因はよくわかりませんけれども、そういうことを考えてもちょっと多いのかなというふうに思いますので、今、数がありますから、米軍だけでなくて、改めて、それぞれについてしっかり整理してお話しいただくということが必要かなというふうに思っております。
○西日本新聞
この衆院選の世論調査で、オスプレイの佐賀空港配備の賛否について、私ども西日本新聞と佐賀新聞さんと共同で世論調査をしました。800人以上の県民の方が答えてくれたのですが、その賛否が、「反対」「どちらかといえば反対」という反対派が49%で、「賛成」「どちらかといえば賛成」というのが36%、5対4の構図になりました。これは前回の衆院選とか昨年夏の参院選では賛否は拮抗していました。相次ぐ事故の影響かどうかわかりませんが、反対がふえています。まず、こうしたアンケート調査の結果についての率直な受けとめと、あと、こういう反対の声に対して何か対応方針があればお願いします。
○知事
もうまさにおっしゃるとおりだと思います。最近、非常に事故が続いておりますので、それはそういったことが佐賀で起きたらというふうに思うのが当然のことだと思いますし、素直なことなのかなと思います。その中で、これからまさに北朝鮮の脅威の問題もありますし、安全保障というものをどう考えていくのかということ、そして、今、佐賀県が置かれている状況も含めて、我々もしっかりまた再整理もして、そして、この安全の問題については防衛省からしっかり話を承って、それを開示して、県民の皆さん方とも、そして、その代表であります県議会ともよく議論をしながら今後、真摯に進めていくということになろうかと思います。
○西日本新聞
あと、安全かどうかの事故報告を待つ。その事故報告を待っている間に、次から次に事故や機体のトラブルが続いています。どのタイミングで最終判断をするのかということなんですが、オーストラリアでの今回の夏に起きた事故の結果でもって判断をするのか、それともその後起きた大分空港での不時着や、あと新石垣空港でも不時着、そういった相次ぐ事故の報告書をずっと待っていくのか、そのあたりはいかがなのでしょうか。
○知事
基本的には、大分、それから新石垣の問題、そういったことも含めてお話しいただきたいというふうに思います。それを承ってから考えていく課題だというふうに思います。
○西日本新聞
わかりました。
○朝日新聞
報告書について、防衛省からの説明待つとか、他県の状況を踏まえてという話が最前あったのですけれども、改めて県として安全性について検証するとか、そういった考えは持たれないでしょうか。
○知事
従前にも増して、今、安全に関してはさまざまな皆さん方の関心が高まっているところだと思います。まず、しっかり聞いてみたいと思いますけれども、その上で、防衛省の説明内容に関して我々として改めてどういう検証をすべきなのかということを考えていきたいというふうに思います。
○サガテレビ
つまり、それは見直すということですか。
○知事
まず聞いてみたいと。聞いてみたいのだけれども、それは前から申し上げているように、これだけの関心事であるので、佐賀県だけではなくて多くの皆さん方、各県とも、これは沖縄県もそうだし、宮崎、それから大分、山口、多くの知事も関心をお持ちなので、そういった皆さん方の各県の状況、見解をしっかり注視していくということと、その説明内容によって、さまざまな有識者の意見なども聞いてみることも検討しなければいけないのかなと思っています。
○佐賀新聞
オスプレイの件なのですけれども、今回、10月の人事異動で担当部長がかわられて調整官を専門的に置かれているということなのですけれども、この時期にこのような人事をされた目的あたりを説明いただきたいと思うのですが。
○知事
特に調整監の部分については、かなり調整業務というのが非常に今まで以上に増えてきたということがあるので、それに専任してもらいたいということ、それから、今回の部長がそれぞれ横にずれているということに関しては、やはりさまざまな観点から県政を見なければいけないということがありますので、定期的にいろんな面から県政を見ていく、そして、お互いが知事や副知事と部長でいろんなことを相談していくというのは有意義だろうと思いましたので、このタイミングで。そして、佐賀県は4月と10月でということでやっておりますので、今回、人事異動を行うことにしました。
○佐賀新聞
重要案件のオスプレイ、新幹線の担当部長がかわられているというところなのですが、そのあたりは、なぜこの時期にしなければならなかったのかとかというところをもう少し詳しく。
○知事
一定のタイミングで常にやろうとは思っております。言うなれば、部長というのは国でいうと大臣みたいなものなので、一定のところでみんなで回して考えていくということも私は必要なのかなと思いますし、逆に言えば、県政課題ってずっと続くものもあるので、そうすると、もうその人だけでずっとやっていくというのはどうなのかなと私は思いました。
○佐賀新聞
冒頭、憲法のことについて触れられていたので、詳しく伺いたいのですが、知事は先ほど骨太の憲法論議が必要だというふうに言われていたのですけれども、話の流れでは、参院選の合区のことを触れていたと思うんですけれども、そもそも知事は改憲が必要と考えているのかどうか、そして、それは参院の合区に限った話なのか、それとも、今回の衆院選で示されているさまざまな争点も含めて全体的な論議、むしろ改憲が必要かと考えるかとかを教えてください。
○知事
私は一番関心があるのは、地方自治全体の記述が少ないという議論ということもあるのですけれども、先ほど言いましたように、第二院の考え方、地域代表ということについてもうちょっと真剣に考えてもいのではないかという意識です。
例えば、これは連邦制かどうかという議論もありますけれども、例えば、アメリカの上院であれば、どんなに大きい州だろうと小さい州であろうと、50掛け2だったかな、というような方で、同じように代表をするという整理もあるわけで、合区を解消するというよりは、地域の声をしっかりやっていく、第二院というか、そういったものの性格というものを憲法に書く。憲法に書くことによって、少なくとも人口論議ということは必要なくなるわけであって、腰を据えて地域の意見が代弁できるような機能がそこで果たされるということなのかなと思いました。
私ちなみに、先週、フランスのヴァルドワーズという県に行ったのですが、そこは立候補するときに男女ペアで立候補する。だから、当然男女同数。すごいなと思いましたけれども、憲法改正でやったという話でした。 私はそんなことできるのかなと思ったら、やはり憲法を改正してということ。だから、日本の場合は憲法を改正したことがないという硬性憲法だから、なかなか難しいのだけれども、やはりそういう骨太の議論をするときには、私は憲法改正あってしかるべきだと、かねてから思っておりますし、そこは、むしろ地方自治の部分についてであれば、私は国民の納得がいくと思うのです。
そして、今やらないと、ますます東京一極集中がなされている中で、国民的議論、今は東京、大阪、名古屋にお住まいの皆さん方でも、九州に対する思いがある方、結構おられます。じいちゃんが佐賀やったとかですね。だから、Re:サガミーティングなんかにも来て、私は佐賀なんですよなんていう話はありますけど、これがもう少し、あと20年、30年たつと、私は埼玉の人間です、私は千葉の人間ですとなってしまって、よく調べてみると、何か4代ぐらい上は九州ですねみたいな話になって、とてもその地域のことを考えようなんていう国民が減ってくると思うのです。だから、本当に今こそこの問題は避けて通れないと思っています。
○佐賀新聞
先ほど地方自治というふうに限定されていましたので、それ以外の部分については。
○知事
それに対する思いが強くて。今、安全保障とか9条の問題なんかもなされていますけれども、それは私がコメントするというよりも、本当に国政自体が国会議員同士でしっかり議論していただきたいなと思うのですが、何で私がその地方自治のところにこだわるかというと、都市部の議員ばっかりになってしまうと、そんな議論は成り立たないから、少なくとも発議することがあり得ないからなんですね。ですから、本来、国としてしっかり議論すべきところというのは、国会議員の中で、かんかんがくがく議論していただきたいなと思います。
ただ、国民に対して過半数投げかけるという議論においては、とってもわかりやすい議論であるのではないかと私は思っております。