劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)とは
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock
syndrome;STSS)は、主にA群溶血性レンサ球菌により引き起こされる、手足の壊死や多臓器不全などを起こす、死に至ることがある疾患です。
A群溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)感染による一般的な疾患は、急性咽頭炎(のどの風邪)であり、特に小児(5~15歳)に多く見られます。(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)
一方、溶血性レンサ球菌により、まれに引き起こされる劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、子どもから大人まで幅広い年齢層に発症し、特に大人に多いのが特徴で、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは区別されます。
症状
初期症状としては、咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振、吐き気、おう吐、下痢)、全身倦怠感、血圧低下などの敗血症症状、四肢の疼痛、腫脹などがありますが、明らかな前駆症状がない場合もあります。
発病からの病状の進行が急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には、身体の組織が壊死したり、敗血症などの重篤な症状を引き起こし、急速に多臓器不全に進行することがあり、ショック状態から死に至ることも多くあります。その死亡率は約30%とされています。
感染経路・予防
創傷感染(手足などの傷口からの感染)、手術創からの感染、飛沫・接触感染(鼻やのどの粘膜からの感染)がありますが、詳しい感染経路は不明です。
予防のため、しっかりとした手洗い、咳エチケットなどの基本的な感染症対策を行うとともに、四肢の疼痛、腫脹、咽頭痛、発熱などの感染の兆候が見られ、急激な体調変化が生じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
関連リンク
〇劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
〇劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは(国立感染症研究所ホームページ)(外部リンク)