難聴者への文字情報について

私は薬害難聴、人工内耳装用者で重度聴覚障害者です。人工内耳でだいぶ言葉は聞き取れるようになりましたが、マイクは声が響き言葉の判別が難しいです。

去年秋、SAGAアリーナで行われた佐賀県伝承芸能祭では、司会者の他に手話通訳はついていましたが、なぜ手話だけなのでしょうか。多分面白いことを話されたと思うのですが、皆さんがドッと笑う中で、マイクも聞き取れない、手話もわからない私は疎外感を味わい、悲しかったです。

高齢難聴者が増えている昨今、きっと会場のお客様の中でも同じようにマイクが聞き取れなかったり手話がわからなかったりされた方はおられたと思います。若い方でも突発性難聴になったら、手話がわかるわけではありません。またSAGA2024全障スポのボランティアに「ろう者」と「手話」だけしかなかったことも知りました。

難聴者が一番知りたいことは、隣にいる健聴者と同じ情報が知りたいのです。手話を付けるなら、必ず文字情報も付けてもらいたいです。

担当課の回答（令和6年5月24日）

〇障害のある人への情報保障について

この度は県が開催した佐賀県伝承芸能祭で疎外感を感じ、悲しい思いをされたとのこと、深くお詫び申し上げます。

ご意見をいただきましたとおり、障害の有無に関わらず、同じ内容の情報を知ることができることは当然であり、イベント等でそうした環境を整えることは大変重要なことです。

県では、手話言語の普及と聴覚障害者の特性に応じた多様な意思疎通手段への配慮を通して、聴覚に困難がある方も安心して暮らせることのできる地域社会を実現することを目的とした「佐賀県手話言語と聞こえの共生社会づくり条例」を平成30年に制定し、聴覚障害に関する理解促進、要約筆記者・手話通訳者などの意思疎通支援者の育成や派遣体制の確保に取り組んでいます。

また、年齢、性別、国籍、障害の有無などに関わらず、みんなで自然に支え合い心地よく過ごせる、佐賀らしいやさしさのカタチ「さがすたいる」を推進していますが、様々なイベントにおいても多くの方に楽しんでいただけるように、「みんなで楽しむイベントづくりサポートブック」を作成し、全職員に周知しています。その中で、要約筆記者などの配置や動画への字幕説明の挿入など、聴覚障害者や難聴者への配慮を紹介しています。

　県が開催するイベント等において、手話に加えて、文字情報を付けるなど障害のある人も障害のない人と同じように情報が得られるように障害の特性に応じて多様な意思疎通手段の配慮を行うことを改めて全職員に周知いたします。

今後も、障害のある人の想いに寄り添い、誰もがともに暮らしやすい地域社会づくりに努めてまいります。

〇佐賀県伝承芸能祭について

この度は佐賀県伝承芸能祭にご来場いただき、ありがとうございました。また、その際に情報をお届けする環境が十分ではないことにより疎外感を感じ、悲しい思いをされたとのこと、深くお詫び申し上げます。

ご意見をいただきましたとおり、聴覚障害者や難聴者の中で手話がわからない方が健聴者と同じ情報を知ることができるように会場づくりを行うことは大変重要なことであります。今年度の佐賀県伝承芸能祭では、手話通訳に加えて、文字情報を提供するなど健聴者と同じ情報を知ることができるように取り組んでまいります。

今後も、年齢や障害の有無に関係なく、誰もが楽しめる文化イベントの実施に努めてまいります。

〇SAGA2024全国障害者スポーツ大会について

SAGA2024全障スポでは、聴覚に障がいがある選手や観客の皆さんに対しての手話通訳や要約筆記を行っていただくボランティア「情報保障サポーター」を配置します。

令和6年4月28日（日曜日）に開催したリハーサル大会でも多くの情報保障サポーターの皆さんに活動していただいたところです。その際、情報保障サポーターの役割等を示すADカード（首から下げる身分証明・入場許可を証明するカード）について「手話」、「手書き要約・筆談」、「パソコン要約」、「ろう者」の4種類を準備して活動していただきました。聞こえが不自由な方は、様々で、そのような中「ろう者」のみを準備していたことについては、配慮が足りなかったと反省しているところです。

今秋に開催します本大会では、全国から多くの方たちが参加されます。リハーサル大会の反省を踏まえ、より良い大会が開催できるように準備を進めてまいります。

ご意見の担当課