原子力発電所では、燃料であるウランが核分裂する時に生じる熱を利用して発電を行っていますが、この核分裂にともない放射性物質が生じます。
この放射性物質とはどのようなものでしょうか。たとえば、温泉にはラジウムを含む温泉がありますが、このラジウムや病院でガン治療のために用いられるコバルト-60などは放射性物質の一つです。
私たちのまわりには、ラジウムのように自然界にある放射性物質やコバルト-60などのように人工的に作られた放射性物質が数多くあります。
一方、原子力発電所で発生する放射線物質の代表的なものは、希ガスと呼ばれる気体状のキセノン、クリプトンなどや、放射性ヨウ素、コバルト-60などがあります。
このような放射性物質は、アルファ(α)線やベータ(β)線、ガンマ(γ)線などの放射線を出しています。
また、私達が健康診断でレントゲン撮影を受けるときに使われるエックス(X)線も放射線の一種です。
これらの放射線に共通した性質としては、
- 物をつきぬける透過力
- フィルムなどを感光させる写真作用
- 物質をプラス(正)とマイナス(負)に電離する電離作用などがあります。
(出典:原子力・エネルギー図面集2013)