PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、幅広い用途で使用されてきました。これらの物質は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、国内で規制やリスク管理に関する取り組みが進められています。
2 PFOS・PFOAの水質規制の状況
厚生労働省では※、水道水について、2020 年に PFOS、PFOA を水質管理目標設定項目に位置付け、当時の科学的知見に基づき安全側に立った考え方を基に、PFOS と PFOA の合算値で 50 ng/L 以下とする暫定目標値を定めています。
また、環境省においても同様に、公共用水域や地下水における暫定目標値として PFOS と PFOA の合算値で 50 ng/L と定めています。
これは、体重 50 kg の人が水を一生涯にわたって毎日2リットル飲用したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと考えられる水準を基に設定されたものです。
(※)2024 年4月、水道行政のうち、水道水質・衛生管理に係る事務が厚生労働省から環境省へ移管されました。
3 人の健康への影響
PFOS、PFOA は、動物実験では、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されています。しかし、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについては十分な知見はありません。そのため、現在も国際的に様々な知見に基づく基準値等の検討が進められています。また、国内において、PFOS、PFOA の摂取が主たる要因と見られる個人の健康被害が発生したという事例は確認されておりませんが、環境省は内閣府食品安全委員会が行った食品健康影響評価の結果等を踏まえ、最新の科学的知見に基づき、暫定目標値の取扱いについて、専門家による検討を進めています。
4 佐賀県における検査状況
本県では、毎年度、佐賀県水道水質管理計画に基づき、各水道事業者等で実施した水質管理目標設定項目等(農薬類を含む)の検査結果をとりまとめ、水道統計資料「佐賀県の水道」において、公表を行っています。