掘立柱建物は、礎石を用いず、地面を掘った穴の中に柱を立てた建物です。床面が地面にあるものが平屋建物、地面よりかなり高い位置にあるものが高床建物です。弥生時代の場合、倉庫として使われた場合が多いと思われますが、住居としても使用された建物もあります。
柱を立てていた穴(柱穴)が発掘調査で見つかりますが、穴に埋まっていた土をよく観察すると、柱の痕跡が分かる場合があります。写真は、吉野ヶ里遺跡で調査した奈良時代の柱穴ですが、穴の真ん中あたりに黒い土があることが分かり(白線の内側)、これが柱の痕跡と考えられます。この痕跡から、当時の柱の直径などが推測されます。