北内郭
北内郭は、二重の環壕で囲まれ、簡単に入ることができない複雑な構造をもつ出入り口が1ヶ所しかない外部から厳重に守られた空間です。内部には、平面が12.3m×12.7mという弥生時代で最大級の規模を誇る大型掘立柱建物跡や物見櫓と考えられる掘立柱建物跡などが見つかりました。大型掘立柱建物跡は総柱建物という構造などから、巨大な高層建物と考えられ、建物北側の正面には中期前半につくられた墳丘墓を臨む位置に建てられていることから、おそらく墳丘墓に埋葬された吉野ヶ里の王たちの霊を祭るための建物であったと考えられます。また、この時期の竪穴建物跡が1棟しか確認できず、主に掘立柱建物で構成されているという特徴があります。
そこで、北内郭をクニ全体の祭祀の場あるいは最高司祭者の居住の場と考えました。
発掘調査当時の北内郭(上空から)
復元された北内郭(東から)