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県内では初めて、有明海の干潟がラムサール条約湿地に登録されました

最終更新日:

  平成27年5月29日(現地時間28日)、国指定の鳥獣保護区特別地区の「東よか干潟」(佐賀市)及び「肥前鹿島干潟」(鹿島市)が、ラムサール条約湿地に登録されました。

 

  

『東よか干潟』の概要

○所在地  佐賀県佐賀市東与賀町

○面積    218ha

○概要   佐賀県南部の有明海奥部北岸に位置し、本庄江、八田江等の河口部と海岸に発達する泥干潟です。

                ズグロカモメ、クロツラヘラサギ、ホウロクシギなどの絶滅危惧種を含む水鳥類の国内有数の渡りの中継地、越冬地となっています。環境省が実施している「モニタリングサイト1000」シギ・チドリ類調査において、2014 年の春期のシギ・チドリ類の飛来数は11,665 羽で全国で最も多い結果でした。

                海岸堤防上にある東与賀海岸展望台からは、シチメンソウの群落とその後方に広がる干潟が一望でき、また、海岸線沿いの遊歩道からは、引き潮時に無数のカニ類やムツゴロウ、トビハゼなどが観察できます。

 

 

『肥前鹿島干潟』の概要

 

○所在地 佐賀県鹿島市

○面積   57ha

○概要   佐賀県南部の有明海西岸に位置し、塩田川、鹿島川の河口部と海岸に発達する泥干潟です。

                ムツゴロウ、ワラスボ、ハゼクチ、シオマネキなど干潟の生きものが生息し、ズグロカモメ、チュウシャクシギ、クロツラヘラサギ、ツクシガモなど多くの水鳥類の重要な渡りの中継地、越冬地となっています。「モニタリングサイト1000」シギ・チドリ類調査において、秋から春にかけての飛来数は、約1,700 羽(H21~25 平均)でした。

 

有明海の干潟の豊かな生きもの

 有明海湾奥部の佐賀県内の泥干潟には、ゴカイ類、貝類、小型の甲殻類などの底生生物や、それらを餌にする水鳥、浅瀬を利用する魚類などの多種多様な生きものが生息しています。

今回、県内の有明海の干潟が国際的に重要な湿地に登録されたことで、有明海の価値や魅力を再認識しましょう。

また、私たちの生活を支える重要な生態系として有明海の干潟の保全に取り組みましょう。

  

 

*********** ラムサール条約と賢明な利用(ワイズユース) ***********

ラムサール条約とは

  [正式名称] 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約

  昭和46年(1971年)にイランのラムサールで採択された条約

 

湿地の賢明な利用

 ラムサール条約は、湿地を守るため、人々が湿地に入ったり利用できないようにすることを求めてはいません。ラムサール条約では、湿地を守るために、湿地に人々が関わり、湿地がもたらしてくれる恩恵を十分に理解することを大切に考えています。

そのためには、湿地が提供してくれる水や動植物、魚貝類や米などといった産物や、その他の様々な恩恵が「実際に用いられていること」が大切です。つまりラムサール条約は、人々が湿地に関わることを決して否定しておらず、むしろ、人間が賢明に利用することを求めています。それが、「賢明な利用(Wise use;ワイズユース)」です。

「賢明な利用」とは、湿地がもたらす様々な恩恵が、将来にわたって受け継がれていくような湿地との関わりあい方をいいます。

Q

ラムサール条約湿地に登録されたら、干潟に入ってはいけないんですか?

A

いいえ。

登録されたからと言って、人々の干潟に入ることを規制するものではありません。

ラムサール条約は、湿地を守るために、湿地に人々が関わり、湿地がもたらしてくれる恩恵を十分に理解することを大切に考えています。

ただし、登録地域内では、狩猟の禁止や一定規模以上の工作物の新築等の制限がありますので御注意ください。

 

 

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