認知症は誰にでも起こりうる脳の病気です。自分や家族、友人、近所の人など、誰でも認知症になる可能性があります。
たとえ認知症になっても、周囲の理解や気遣い、適切な医療と介護の連携などがあれば、住み慣れた家や地域での生活が可能です。
佐賀県では、県民一人ひとりが認知症を正しく理解し、認知症の人やその家族を温かく見守り、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指しています。
認知症高齢者の状況
厚生労働省研究班の調査によると、令和4年における認知症高齢者数は約443.2万人(有病率12.3%)、また、MCIの高齢者数は約558.5万人(有病率15.5%)と推計されています。また、佐賀県内の認知症高齢者数は、令和4年時点で、約3万500人、MCIの高齢者数は約3万8500人と推計されており、今後も増加が予想されています。こうした状況を踏まえ、地域全体で認知症に関する正しい理解を広めるとともに、認知症の方々やそのご家族を支える体制をさらに強化することが重要です。
認知症とは・・・
認知症は、誰にでも起こりうる脳の病気です。いろいろな原因で脳の働きが悪くなると、記憶力や理解力、判断力が低下して、生活に支障が出てきます。その状態が6ヶ月以上続く場合を認知症といいます。
認知症の症状には”新しいことを記憶できない” ”時間や場所がわからない” ”手順を踏んだ作業ができなくなる””いつもと違うできごとに混乱する”などいろいろなものがあります。
たとえ認知症になっても、「何もできない」「何もわからない」わけではありません。認知症かもしれないと悲しんでいるのはご本人です。周囲の人が認知症について理解し、認知症の人のできない部分を補う「杖」となってください。温かい目で見守り、ほんの少し手助けしていただくことで、認知症の人や家族の安心やおだやかな暮らしを支えることにつながります。
認知症サポーターとは・・・
認知症サポーターは、なにか特別なことをする人ではありません。
認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人や家族に対して温かい目で見守る応援者です。
認知症を自分自身にとって身近な問題と認識し、認知症の人やその家族の気持ちを理解しようと努めることも、サポーターの大切な役割です。
県や県内の各市町では、「認知症サポーター」を養成する取り組みを行っています。
佐賀県内の認知症サポーター数は、令和6年9月30日時点で、131,290人となりました。総人口に占める割合は16.39%で、全国平均11.802%を上回っています。
認知症サポーターになるには・・・
各市町で行っている「認知症サポーター養成講座」を受講していただくと、「認知症サポーター」になることができます。
受講者には修了証の代わりに「認知症の人を応援します」という意思を示す目印のオレンジリングが渡されます。
認知症サポーター養成講座では、認知症の基礎知識だけでなく、認知症の人の気持ちを理解した接し方など、認知症の人を見守り支えるうえで役立つことをお伝えしています。
講座の所要時間は60分~90分程度です。受講された方を市町に登録するというものではありませんので、気軽に受講することができます。
(講座の内容の例)
1 認知症とは何か?
2 認知症の症状
3 診断・治療・予防について
4 認知症の人やご家族への対応について
5 相談窓口について
6 サポーターとしての心がまえ
オレンジリング
なぜ、「オレンジリング」なの?
「柿色」をしたオレンジリングは、認知症サポーターの目印です。江戸時代の陶工・酒井田柿右衛門が夕日に映える柿の実の色からインスピレーションを得て作り出した赤絵磁器は、ヨーロッパにも輸出され世界的な名声を誇ります。この赤絵磁器と同じように、オレンジリングが、世界のいたるところで「認知症サポーター」の証として認められればとの思いからつくられました。
なお、温かさを感じさせるこの色は、「手助けします」という意味を持つと言われています。