質疑応答:佐賀空港の自衛隊使用要請関連 その1
○共同通信
幹事社から何点かお伺いします。
オスプレイ関連で、公害防止協定の軍事共用のあの一文のことなんですけれども、佐賀市議会でも、秀島市長が県とは異なった解釈の仕方をされていたと思うんですけれども、軍事共用をめぐるその一文の解釈を統一しないと、今後いろいろ齟齬が生じてくるのかなという思いもするんですけれども、関係者と軍事共用の一文はこういった意味なんだよというところの解釈を統一するとか、そういったこととかというのは考えていらっしゃいますか。
○古川知事
あ、すみません、秀島市長が何とおっしゃったのか、私承知していないんですが。
○共同通信
基本的に、この一文が、これをもって軍事共用ということをすることに対して慎重な意見という意味のことは前からお示しされていると思うんですけれども……
○古川知事
いや、それは正しいと思います。
○共同通信
それで、県としてはそれはこれをもって自衛隊共用を禁じているわけじゃないと、要はその後の一文の事前協議をするというところを県としては重視されていると思うんですけれども……
○古川知事
いや、重視をしているわけではなくて、そう書いてあるという事実を申し上げているということなんですね。仮にその文章がなかった場合、どうかという議論あるんですけど、その議論は置いとくとして、実際に書いてあるわけですね。書いてあるということを前提にして、この文をどう考えるかといえば、未来の当事者たちに対して、この防衛用途に使うということを未来の当事者に禁止しているという趣旨ではなく、仮にそのようなことが行われるとするならば、それは事前協議が必要となりますよということが書いてあるということだと思います。
それは、私どもがそう思っているだけでなく、顧問弁護士2名にも相談をして、全く同じ見解を得ておりますので、そこの読み方の解釈については、異論は全くないと思います。あるとするならば、佐賀市長さんがおっしゃっているのは、ある意味、そのとおりでありまして、当時は自衛隊と共用する考えは持っていなかったわけであります。それを自衛隊と共用するという考えを持とうとすると、当時の考えとは違う考えを持つということになるわけですね。それは自然に任せておけばそうなるというものではなく、何回も意思決定機関なり判断なりが必要になってくるんだろうということだと思うんです。で、それをおっしゃっているとおりで、現時点でどうかと言われれば、それは考えを変えるに至っていないので、それはこれまでと同じなんじゃないですかということを私は秀島市長がおっしゃっていると思っておられて、それは全くそのとおりだと思っています。だから、わざわざ当時の考えを変える必要があるのかどうかということについていえば、今はまだそこに至っていないということを市長がおっしゃっているんだろうと思いますし、それは私も同じだと思います。
○共同通信
あと2点なんですけれども、きのう防衛省から配られた場周経路のイメージ図なんですけれども、この北側のところは点線になっているんですけれども、これすみません、防衛省から回答がないので、知事に聞くんですけれども、この北側はどういった場合に飛行するということは、きのうの説明ではなかったと思うんですけれども、それについては聞いていますか。
○古川知事
いや、聞いてはいないです。これもまた確認をしていこうと思いますが、いろんな細かなものの中で。私はあれをぱっと見たときに、これはすみません、私の勝手な現時点における印象なので、防衛省から正式な回答があったら、別の答えになるのかもしれませんけれども、基本的には南側を通るんだということなんでありましょうが、どういう気象状況なのかはわかりませんけれども、その決められたルートを通るというのでは、安全性が保てないような気象条件というのもあるのかもしれないなと。そういったときには、とにかく安全性を第一に考えていただくのが一番ですから、こうしたルートを通るということも全く否定するというものではないということなのかなというのをその点線を見ながら感じたところでございました。
ただ、いずれにしても、私もその点線について聞かなかったなと思っておりますので、きちんと確認をしたいと思います。
○共同通信
あと1点なんですけれども、1万7,000回が見通しとして示されたと思うんですけれども、きのう県から発表の訂正があって、那覇空港の自衛隊発着が1万600回、年間ということで、改めて1万7,000回というのはほかの空港と比べても多い数字だと思うんですけれども、その受けとめを改めてお願いします。
○古川知事
終わった後の囲みのときに、私は那覇空港と同じぐらいだと申し上げたのは、ちょっと結果的に間違いでございました。最初にばっとデータをかつてもらったときに1万7,000回ぐらいというような数字が目に入ったものですから、そのイメージがあったんですが、その後精査をし直したところ1万600回ですか、それぐらいの数字だったということが確認できましたので、那覇空港と今回の提案が同じぐらいだというのは間違いでございまして、この場でおわびして訂正をさせていただきます。
確かに、那覇空港と比べては多い回数になるなと思います。問題は、きのうも申し上げたと思うんですけれども、回数が多いから、少ないからというのではなくて、何時ぐらいにどういうタイミングで飛ぶのかということが大事で、今回も、例えば春秋航空日本のもともと2便だったやつが冬ダイヤからは1便になってしまうわけですけれども、それも、時間帯がANAとダブったから飛べなかったというような話でございまして、要は、何便だからいい、何便だからだめというよりは、具体的にどういうふうな形で飛ぶようになるのかという具体的なところがわかってこなければ、私どもが常々申し上げている民間空港としての利用発展に支障がないのかどうかの結論を出すことはできないだろうと思っています。回数自体は、ほかの空港に比べて多いということでありましょうが、一方で、佐賀空港は民間機の発着回数はほかの空港に比べて比較的少ない空港なので、それを合計して考えたときにどうかということが議論になるんだろうと思いますが、繰り返しになりますが、回数も大事ですけど、問題は、どういうタイミングで飛ぶのかということなど、内容が極めて大事だということで、今回、一応数字だけ示されましたので、これからは、その数字の中身をつくっていただきたいという作業を防衛省側に求めていきたいと思います。
○読売新聞
今のに関連してなんですけれども、今おっしゃったタイミングというので、今の民間空港を維持する上で、多分、民間航空が飛んでいる時間帯っていろいろ偏りがあるのではないかと……
○古川知事
そうですね。
○読売新聞
それで、困るタイミングというのはどういうところかというのは。
○古川知事
私のイメージでいうと、朝9時とか、要するにみんなが乗りたくなる時間ですね。朝、夕というのが、大体、民間航空機が離発着の枠を欲しいという時間帯ですから、そういう時間帯には、訓練ということであれば、余りその時間はしないでいただければありがたいなという気持ちはあります。
○読売新聞
夕方も混んでいませんかね。
○古川知事
ですから、朝、夕ですね。朝と夕方というのは、一般的には混む時間帯なので。今、ほかの空港の様子も調べていますけれども、ほかの空港でも、割と、私の印象で申し上げれば、朝夕は、実質的には余り防衛機が飛んでいないという印象も受けています。そういったことなどは、協定でそうしているのかもしれませんので、その辺のところも調べてみたいと思います。
○朝日新聞
今の表の関連で、そもそも大分数が違うようなんですけれども……
○古川知事
表って何。
○朝日新聞
7空港の発着の回数、きのう訂正が出ているやつ。5か6くらい訂正が出たんですけれども、これは何でこんな間違いになるんでしょうか。
○古川知事
いや、ごめんなさい、何で間違えたかは私承知していなくて、すみません、集計のミスなのか、あとはカウンティングの、何を数え何を数えないとかというのが違ったのか、そこは私は承知していないんですが、いずれにしろ、数字が間違っていましたということで訂正の報告が私のところにもメールで来ておりました。すみません、詳しいことは実務のほうに聞いていただければと思います。
○朝日新聞
防衛省が出した数字をそのまま出したと最初出たときにはおっしゃっていたんですけれども、これ、そもそも各空港に個別に聞き取りってしないんですかね。
○古川知事
えっ、空港に聞き……ごめんなさい、今ごらんになっている資料がどの資料なのか私はわからないんですが、各空港に聞き取りに行ったんだと思います。そのときに聞いてきた数字だと思っていましたが。
○朝日新聞
じゃ、ちょっと担当課に確認します。私が別の記者が聞いたときに、防衛省が出した数字をそのまま使っていると聞いて、各空港に個別に聞き取ったわけじゃないみたいなことを言われたので、もしかしたら私もやりとりに齟齬があったかもしれないですけど。
○古川知事
なるほど。すみません、私も勘違いしているかもしれません。
○朝日新聞
大事な話なので、各空港に聞くべきじゃないかなと思ったんですけれども、知事がご存じなければ、別に担当課のほうにも確認してみます。
○古川知事
すみません。離発着回数は一つの大事な要素ではあるので、防衛省がどうおっしゃっているのかということもありましょうけれども、空港管理者がそのデータを出せるというのであれば、それはそちらからも出していただくということを話をするようにしたいと思います。
質疑応答:佐賀空港の自衛隊使用要請関連 その2
○西日本新聞
オスプレイの話に戻りますけれども、きのう、面会された副大臣に対して、オスプレイの運用が佐賀空港の民間機の運用に支障がないのか、民間空港としての発展に支障がないことを防衛省側に立証してほしいというふうに求められましたけれども、防衛省側としては佐賀空港を使いたい側なので、支障がないですよというようなことを強調してくるような立証の仕方をしてくるんじゃないかと思うんですが、知事はそれを受けてどのように今後、検討していかれようとお考えなのか、教えてください。
○古川知事
防衛省側がこれからつくっていただけるであろうその資料や環境への影響を見たときに、我々が見てなるほどと思うか、これは違うんじゃないかと思うかということだと思います。
我々としては、民間空港としての利用発展に支障がない形でなければだめだということを申し上げているわけです。ですから、我々はチェックする目としては厳しい目で見ます。それと、具体的に住民の方々やさまざまなところへの影響があるのかどうかということについても、そういう目で見ることになります。
ですから、防衛省側は何としてでも使いたいということであれば、私はきちんとしたものをつくってこられるだろうと思っておりますけれども、仮にそうではない、やや一方的なサイドからの資料をつくってこられたとしても、そこは私どものほうで、そうではない目でチェックをするということになります。
私どもはしては心配をしているわけです。このままいけば、佐賀空港の発展に支障が生じるのではないかと思って、そういうことを申し上げているので、ですから、あれだけのものをいただいたので、あとは我々が作業をしますではなくて、ベースになる回数とか飛行時間というものはいただきましたと。じゃ、それをさらに具体的に時間帯を区切っていったときに、どれぐらいの環境への影響になるのかといったことや、どういった回数やどういう時間帯にやっていくのかというようなことについても示していただかなければ、我々として本当に影響がないのかどうかについての立証ができないというのが私たちの考えです。そういう目でチェックをしたいと思っています。
○西日本新聞
防衛省側からそういう立証の資料なり提示を受けた上で県として検討していくと、そういうような検証の手順になるんでしょうか。
○古川知事
基本的にはそう考えています。全く何も準備をせずにじっとしているということはないにしても、基本的にはそういう立証なり資料の提示の責任は防衛省側にあると思っていますので、防衛省側が昨日示していただいた資料をもとにして、さらに細かなものを私どもに示すという作業が次に待っているということだと思っています。
それと、もっと大事なことなんですが、すみません、この離発着の回数のことについてはきちんと整理をしてもう一遍言います。というのは1万600回じゃないというんですよ。
○朝日新聞
だから、防衛省が出した数字をそのまま使っていると私は同僚が聞いたのを聞いて、ちょっと信じられなくてですね。何でこれで個別に発表したのかなと思って。
○古川知事
すみません、ちょっと私の勘違いで、きちんとブリーフィングを受ければよかったんですけど。
○朝日新聞
ブリーフィングもないんですよね。紙をしらっと出しただけで。
○古川知事
いや、僕はメールでもらったのをぱぱっと読んで、ぱぱっと理解したつもりだったんですが、それできのうの囲みのときにも違っているよと言われて、直してくれと言われたんで、直したつもりだったんですが、それも違っている話なんで、大変申しわけございません。今もらったメモで、私もこのメモをこのまま読んでいいのかどうかすらよくわからないんですが、那覇空港の1万600回というのは着陸の回数であって、佐賀空港で今回示されたのが1万7,000回というのは、それは離着陸の回数。だから、那覇空港の離着陸の回数というのに相当するのは2万1,200回だというんですね。ということなんですが、すみません。とにかくこれは私がきちんと理解をせずに発言をしたというところが間違いのもとですので、その間違っていたことについてはおわびをしますし、今ここで言うのではなくて、きちんとペーパーにして皆様方にお出しをしますので、要するにきちんとした回数はこうだというのを皆様方に資料としてお示しをさせていただきたいと思います。申しわけございません。
○朝日新聞
あともう一個、細かいところで恐縮なんですけど、機材も約何機とか書いてあるんですけど、多分これも細かく各空港に聞くと違うところが出てくると思うんですよ。約10機が実は3機だったとかですね。なので、もし資料として出していただけるんであれば、その辺もとりあえずちゃんと各空港にぜひ聞き取って、ちゃんとした数字を出していただかないと、機数が違ってくると離発着回数も本当にこれでいいのかなと思っちゃうんで。
○古川知事
いや、こうさせてください。各空港への聞き取りをやってからとなると、皆様方に対する情報提供が遅くなってしまいます。これはよくないだろうと思いますので、まず、佐賀空港と那覇空港で正確に申し上げなければならなかったところだけ、まずそこは出させてください。その一方で、今私どもが手にしているものがどういう前提で得られたものなのか、そしてイシダさんがおっしゃるようなそういう問題点がないのかということについてはもう一遍こちらのほうで整理をさせていただきます。そして、修正する必要があれば改めて出させていただきます。
○読売新聞
毎度聞いて恐縮なんですけれども、知事としての進退の判断時期を11月にもということを従来おっしゃっていました。オスプレイの問題が出てきたり、原発の問題とかはだんだん川内先送りされたり、そういう中なんですけれども、今のところ従来おっしゃっていた考えにお変わりないかということと、もしお話できる範囲があれば、その判断基準は何を考えていらっしゃるか、教えてください。
○古川知事
11月にもと言った言葉はそのまま今でも使える表現でして、11月にも判断をしたいと思います。要素はこれとこれで、言うように極めてシャープにクリアに判断をしようとしているわけではなくて、まさに私自身の4選目というものに対する考え方もありますし、またいろんな支持者の方、あるいは支持をしていただけていない方も含めてですけど、いろんな声も頂戴しているところで、いろんな人に会うといろんなことを言われるので、いずれもなるほどなと思っているところでございます。現時点においてこうだということを申し上げられるような段階に至っておりません。
この原子力発電の問題は、少しおくれていますけれども、大体この時期にこうなるというイメージはありましたが、このオスプレイの問題については、全く私の中でこういうタイミングでこのような形でということは想定ができていなかったことなので、この問題については自分なりにある程度の整理というものをしておきたいと思っているところでございまして、次またチャレンジするにしろ、今期で区切りをつけるにせよ、いずれにしても一番大きな課題になっているこの部分については、もうあしたからは知りませんよということにはいかないだろうとは思っています。
○佐賀新聞
先ほどコメントの中で、オスプレイ問題に関しては自分なりの整理をしていきたいということですけれども、これは自分でご自身で判断されるということでよろしいでしょうか。
○古川知事
自分だけで判断をするということは事実上あり得ないと思うんですけれども、自分自身の中で自分がどこまでこの任期中にやるべきことは何なのかとか、次に引き続き選挙に挑戦するとした場合にはそれがどういったことになるのかとか、そういったところであります。そもそも防衛省側の説明や米軍の利用のことなどについて、どこまで一体いけるのかというのも今のところわからない状態なので、そういったことについてもある程度はめどをつけておかないといけないかなと思っているということでございます。