クロダイ タイ科 学名 : Acanthopagrus schlegeli 英名 : Black sea bream
■地方名 (方言):チヌ、チン、メイタ
■主な漁場 : 唐津湾、伊万里湾
■漁期と主な漁法 : 3~11月【釣り、固定式刺網】
銀灰色で、体型はマダイと非常によく似ているが、マダイに比べ口がとがっているのが特長。全長60cmに達する。20cmくらいまでの若魚をメイタとも呼ぶ。
暖海性の魚で本州中部以南に多く、朝鮮半島、中国、台湾にも分布する。日本では内湾に多く、水深5~50mの砂泥底や岩礁地帯にすむ。貪欲で、エビやカニ、岩についたフジツボやカキ等なんでもかみ砕いて食べてしまう。
満3才で成熟し、4~6月に深場から岸近くに寄り産卵、幼魚は湾内や河口付近で育ち、防波堤の捨て石や網だなの下などに群れている。
クロダイで面白いのは、一生のうちに性が変わること ( 性転換 ) である。若魚の時は全てオスで、2~3才になるとオスの精巣とメスの卵巣が同居したものが出来る。もっともこの時期にはまだオスの働きだけしかない。 4~5才 ( 30cm以上 ) になると精巣、卵巣のどちらか一方が退化しオスかメスになる。つまり、成魚のオスは生まれた時からオスで、メスは全てオスから変わったものである。
玄海での漁獲量は5~8トン程度である。なお、有明海でもわずかではあるが獲れる。刺身、アライ、塩焼き等として美味で特に夏から秋にかけて脂がのっておいしい。