ノリ養殖は、まず、種づくりから始まります。種は、貝殻の中で育つ糸状体で作られます。そこで、1月~9月の間、カキ殻に潜り込ませた糸状体を陸上の水槽で培養します。
9月になるとノリ養殖に備えて、ノリの支柱の立て込みが始まります。
佐賀県では、「支柱式養殖」を行っています。これは、潮の干満を利用するもので、潮が引けばノリ網が一定時間空中に出ること(干出)により病気にかかりにくくなり、丈夫なノリを作るのに大変有効です。大潮、小潮などの潮の動きを見ながら、網の吊る高さを調整します。
10月頃、水温が下がると、カキ殻糸状体の中からノリの種が出てきます。この種をノリ網に付着させる「採苗(さいびょう)」を行います。採苗は、海面に30枚ほど重ねた網を張り、その下にカキ殻糸状体を入れた袋をぶら下げて行います。
ノリ網の汚れを落とす網洗い作業を行いながら、ノリ芽が大きくなるに従い、30枚ほど重ねていたノリ網を15→5→1枚と漁場に広げていきます(展開作業)。
ノリの葉長が3~5センチになったら、半数のノリ網を引き上げ、陸上で半乾燥した後、ビニール袋に密封し、冷凍網期の生産用として、マイナス20℃~25℃で保存します。
ノリの葉長が15cm前後まで育つと、ノリの摘み取り作業(摘採)を行います。1回摘採で、1枚のノリ網から板ノリ300~500枚分のノリが収穫されます。ノリの摘採間隔は、7~10日間で、通常、秋芽網は2~4回、冷凍網は、5~8回ほど摘採します。