■特徴
透き通るように白い磁肌と呉須で描いた染め付け、華やかな赤絵が特徴の磁器です。高い耐久性を持ち、美術品から日用品まで多くのアイテムを生産しています。
■背景
伊万里・有田焼の起こりは1616 年。朝鮮半島から渡って来た李参平が、有田町の泉山で陶石を発見し、日本で最初の磁器を焼いたのが始まりです。
その後、初代酒井田柿右衛門による赤絵の技法が完成し、今日の伊万里・有田焼の基礎を築きました。17 世紀からは欧州など諸外国への輸出が始まり、また全国の陶磁器産地に独自の技術を伝えるようになります。その功績は大きく、伊万里・有田焼は国内外で高い評価を得るようになりました。
透き通るように白い磁肌と華やかで精緻な絵付けの技は、先人達の多大な努力と工夫によって発展し、守られてきました。今もその伝統は脈々と受け継がれており、伊万里・有田焼は完成された美しさを誇っています。
【泉山磁石場(国指定史跡)=西松浦郡有田町】
■工程
泉山や天草の陶石を用い、粉砕、水すいひ簸、土絞り、土練りをして陶土を作る。ロクロ、鋳込み、型打ちなどで成形し、陰干しと天日乾燥を行い、切削で形を整えて生地を仕上げる。
約900 ℃の窯で素焼きした後、呉須を使って線描きし、その中に濃淡を施す濃だみで下絵付けする。浸しがけ、流しがけなどで施釉し、約1300℃の窯で17 ~ 20 時間本焼成する。さらに絵具を使って上絵付けを施し、720 ~ 830℃の低温で焼成して完成。
【ロクロや型で成形】 【素焼きに下絵付け】 【釉薬を浸しかけする】
【約1300度の窯で焼成】 【赤絵などを上絵付け】
■伊万里・有田焼に関する問合わせ先
佐賀県陶磁器工業協同組合(西松浦郡有田町外尾町丙1217)
TEL0955-42-3164/FAX0955-43-2917