麻しん(はしか)は、2015年に日本が麻しん排除状態にあることが世界保健機関(WHO)に認定され、2020年以降は全国的に麻しん患者報告数の減少が続いていましたが、2023年に世界的に患者報告数が増加し、国内においても海外からの輸入症例が契機と考えられる事例が報告されています。
今後、輸入症例や国内における感染伝播事例が増加する可能性がありますので、ご注意ください。
海外では、東南アジアや西太平洋地域、ヨーロッパなどで多く確認されています。
麻しんは、潜伏期間が1週間から2週間ありますので、帰国後に発症することがあります。
麻しんの予防には、ワクチン接種が有効です。麻しんの「り患歴」や「ワクチン接種歴」が明らかでない場合は、ワクチンの接種をご検討ください。
海外に出かける際には、事前に厚生労働省検疫所(外部リンク)や外務省(外部リンク)の海外感染症情報などで渡航先の感染症情報を確認し、出国前に必要なワクチンを受けましょう。
麻しん(はしか)の感染事例が報告されています (PDF:281.6キロバイト)
麻しんとは
「はしか」とも呼ばれており、麻しん患者のせきやくしゃみなどによって感染します。ウイルスがしばらく空気中をただようこともあり、部屋などの閉鎖空間では少しの間患者と同室になることでも感染するなど感染力が強く、感染した人の90%以上が発症します。
免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
症状は、感染後、10~12日間の潜伏期間を経て、38℃程度の発熱や咳、鼻水といったかぜのような症状が2~4日続き、その後39℃以上の高熱とともに発しんが出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、脳炎といった重い合併症を発症することもあります。合併症がなければ、主な症状は7~10日で回復します。
予防方法は?
麻しんは、感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。
個人でできる唯一有効な予防方法は、ワクチンを接種し、免疫をあらかじめ獲得しておくことです。
また、麻しん患者と接触した場合、接触後3日以内なら麻しんのワクチンで感染を防止できる可能性があります。
定期の予防接種について
麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)を第1期・第2期の期間において計2回接種を行っています。
定期接種の年齢を過ぎてしまうと定期の予防接種として受けられなくなってしまいます。接種年齢になったら速やかに接種を受けるようにしましょう。
<定期の予防接種対象者>
・ 第1期:1歳児
・ 第2期:5~7歳未満で小学校入学前の1年間(入学前年度4月1日~3月31日)の方
<定期の予防接種の予診票と実施場所>
お住まいの市町から渡される予診票に必要事項をご記入ください。
県内の指定された協力医療機関なら、どこでも予防接種を受けることができます。
(協力医療機関リストは佐賀県庁ホームページ「こども及び高齢者の予防接種」をご覧ください。)
<費用>
定期予防接種の対象となる方は、無料(公費負担)で予防接種を受けることができます。
任意の予防接種について
定期の予防接種対象者以外の方は任意の予防接種として麻しんワクチンの接種を受けることができます。
麻しんに罹ったことがなく、ワクチンを接種していない方は、麻しんに感染する可能性がありますので、予防のために麻しんワクチンの接種をご検討ください。
20~30歳代の方は、定期の予防接種として麻しん含有ワクチンを1回のみ接種している世代ですので、十分な免疫を獲得していない可能性があります。母子健康手帳等で接種歴を確認してください。
<費用>
定期予防接種対象外の方は、1万円程度かかります。
接種時の注意点について
・ほとんどの医療機関では、事前の予約が必要です。事前に医療機関にご相談ください。
・他の予防接種を受けた場合は一定の期間を空けてから接種しましょう。
(例:インフルエンザワクチン接種後は、6日間以上あけて、麻しん・風しん ワクチンを接種するなど)
・妊娠中の方は胎児に影響を及ぼすことがありますので、接種できません。
・アレルギー体質の方は医師と相談してから受けましょう。
・体調やワクチンの在庫状況によっては、すぐに接種できない場合がありますので、余裕をもって接種の日程をお決めください。
麻しんかなと思ったら
麻しん(はしか)患者と接触後、発熱、せき、発しんなどの症状が出た場合には、学校や仕事を休み、早めに医療機関を受診してください。
受診の前に麻しん(はしか)が疑われること、渡航歴や麻しん(はしか)患者との接触歴等についても電話等でお伝えいただき、医療機関に注意事項をご確認のうえ受診してください。
過去に予防接種を受けたことのある方は、典型的な症状が出現しないことがあるので、かかりつけ医等にご相談ください。
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