夏期は、細菌による食中毒が発生しやすくなります。食中毒の原因となる細菌にはたくさんの種類がありますが、その中でも最も発生件数が多いのが「カンピロバクター」による食中毒です。
鳥刺しや鳥たたきなどの生の鶏肉や牛レバー、バーベキューや焼肉などでの食肉の加熱不足を原因として食中毒となることが多く、特に食肉の中でも鶏肉は保菌率が高いので、注意が必要です。
カンピロバクターとは
カンピロバクターは、鶏や牛などの家畜の腸内にいる細菌で、生の鶏肉や牛肉に付着していたり、牛のレバーの内部にも存在しています。
また、生肉に触れた手やまな板などから、野菜やほかの食品が汚染されることもあります。
少しの菌(100個程度)でも人に感染し、菌が人の体内に入ると1日から7日とやや長い潜伏期間の後、発熱や腹痛、下痢、吐き気などの食中毒症状が現れます。
また、冷蔵庫内(4℃以下)でも長期間生存し、空気が少ないところを好んで繁殖します。
多くの場合は1週間ほどで治癒し、死亡例や重篤例はまれですが、神経麻痺などのギラン・バレー症候群を引き起こしたり、妊婦の方では流産の危険性もあることが指摘されていますので、特に注意が必要です。
まず鶏肉や牛レバーなどの食肉の生食は避けましょう。
焼肉やバーベキューの際には、しっかりとお肉の中心部まで火を通すようにしましょう。(肉の中心部を75℃で1分以上加熱することで死滅させることができます。)
お肉を焼く際には、自分の箸は使わず、専用の箸やトングを用意して使用しましょう。
カンピロバクターは熱と乾燥に弱いので、使用した箸、トング、皿、包丁、まな板などは洗剤で洗ってから熱湯消毒し、最後にしっかりと乾燥させましょう。
飲食店の営業をされている方へ
鶏肉を調理する際には十分に加熱してカンピロバクターによる食中毒を予防しましょう。
鶏レバーやささみなどの刺身、鶏肉のタタキなどの半生または加熱不十分な鶏肉料理によるカンピロバクター食中毒が多発しています!!適切に取り扱い、十分な加熱調理をして、安全に提供しましょう。
加熱用や用途不明の鶏肉を生食用に使用してはいけません!
取り扱う鶏肉が加熱用でないか、製品包装の表示や商品規格書の情報を見て確認しましょう。
リーフレット
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