農林水産技術会議「H28年度革新的技術開発・緊急展開事業
(うち地域戦略プロジェクト)」
九州北部海域におけるスマート漁業の実現
-漁業者用CTDの試験と海況予報の効果検証を皮切りに、
沿岸漁業のスマート化を目指す-
研究体制(九州北部スマート漁業コンソーシアム)
代表機関:九州大学応用力学研究所(代表者:広瀬直樹)
参画機関:九州大学、水産大学校、佐賀県、福岡県、長崎県、JFEアドバンテック
研究の背景・課題
人工衛星データや海況予測などかなり情報化の進んだ外洋の大型漁業と比較して、沿岸の小型漁業では未だ「経験」と「勘」を頼りにした主観的な操業が続いている。
さらに、漁業資源そのものの変化だけでなく、燃料費の増減に伴う収益の不安定、沿岸地域の過疎化と漁業者の高齢化等が連鎖し、残念ながら日本の沿岸漁業は長期的に衰退の傾向にある。
我々は、精密な海況予測の情報を漁業者のスマートフォンに配信し、出漁の可否判断や漁場設定の目安を与えて操業の効率化を図る、いわゆる「スマート漁業」を導入して沿岸漁業の好転を目指す。
そのため、最新の海洋科学と漁業者の経験知をIT技術で融合した、地域社会にも地球環境にも優しい「アプリ」を開発する。
「スマホ世代」の若者を惹きつけ、地方の漁業現場に再び活気を取り戻すことが、当研究コンソーシアム設立の大目標である。