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山口知事と世耕経済産業大臣との面談内容をお知らせします

最終更新日:

山口知事と世耕経済産業大臣の面談

 平成29年4月22日(土曜日)に、佐賀県庁で、山口知事と世耕弘成(せこうひろしげ)経済産業大臣との面談が行われました。

 面談の様子(動画)は以下のURLからご覧になれます。
 https://youtu.be/XR1hve6zmsQ別ウィンドウで開きます(外部リンク)

 
 また、面談後の山口知事の囲み取材の内容については、以下のページでご覧になれます。
 http://www.saga-chiji.jp/comment/20170422/別ウィンドウで開きます(外部リンク)
 

 

面談内容(テキスト)

【司会】
 それでは、ただいまから世耕経済産業大臣と山口知事の面談を始めさせていただきます。
 初めに大臣のほうからお願いいたします。
【世耕経済産業大臣】
 きょうはお忙しいところ、お時間をいただきまして、ありがとうございました。
 山口知事を初め、佐賀県におかれましては、国のエネルギー政策、なかんずく原子力政策に多大なる御協力をいただいていること、まず、心から感謝を申し上げたいと思います。
 さて本日、ようやく佐賀県を訪問することができまして、山口知事とお目にかかることができました。
 お目にかかるに先立って、玄海原子力発電所の視察をさせていただきました。私自身の目で玄海原発の安全対策が着実に進展していること、そして、現場の皆さんが誇りと気概を持って、しっかりと安全対策に取り組んでいることを確認することができました。
 政府としましては、ことし1月、玄海原発3、4号機の原子炉設置変更許可がなされた際に、日下部資源エネルギー庁長官より、玄海原発の再稼働を進める政府の方針文書をお渡しをさせていただいたところであります。
 その際、山口知事からは、5点の要請をいただいております。本日はこれについて、回答をさせていただきたいというふうに思います。
 まず1点目でありますけれども、核燃料サイクルの推進、そして、高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定、そして、使用済燃料の貯蔵対策など、エネルギー政策について、国が責任を持って取り組むべきだという御指摘をいただきました。
 核燃料サイクルについては、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減の観点から、推進することを我が国の基本方針としているところであります。高レベル放射性廃棄物につきましては、国が前面に立って解決に取り組むこととしております。使用済燃料の貯蔵能力についても強化をしていくこととしております。これらはエネルギー基本計画において、それぞれ明確に位置付けているところでありまして、こうした課題を含めてエネルギー政策、原子力政策について、政府として責任を持って進めてまいります。
 2点目ですが、原子力規制の一層の充実強化、そして、廃止措置の安全確保、事業者への指導、監督の徹底及び緊急時対応の継続的な検証、改善について、国として責任を持って取り組むようとの御指摘をいただきました。
 原子力につきましては、安全性確保が大前提であります。原子力の安全規制につきましては、原子力規制委員会が規制の一層充実強化を図ることとしておりますけれども、経済産業省としても、規制基準さえ満たせば、リスクがないという安全神話と決別をして、産業界の自主的かつ継続的な安全性向上を促してまいります。
 廃止措置の安全確保につきましては、廃止措置が終了するまで安全性が確保されるよう原子力規制委員会が関係法令等に基づいて適切に規制を行うとともに、経済産業省においても、事業者が責任を持って安全確保に万全を期すよう指導、監督を行ってまいります。
 特に、知事から九州電力にお伝えをいただいている正確な情報を佐賀県としっかり共有すること、風通しのよい組織にすること、あらゆる事態に幅広く対応できる危機管理体制を構築することの3点については、政府としても思いを共有するものであります。
 今後とも具体的な対応をしっかり行うよう、九州電力を指導、監督してまいります。
 玄海地域の緊急時対応につきましては、玄海地域防災協議会で具体的、かつ合理的なものになっていると確認をし、昨年12月9日、原子力防災会議で了承をされたところです。ただし、原子力災害対策にこれで完璧ということはありません。引き続き国としても、その改善強化に取り組んでまいります。
 3点目でありますが、国からの立地自治体等関係者や住民への説明に当たって、原発の安全性に対する十分な説明や今後のエネルギー政策の展望の説明を求めるといったさまざまな地元の御意見に対して、丁寧に対応するよう御指摘をいただきました。
 この御指摘を踏まえながら、佐賀県内で計5回開催されました住民説明会において説明をさせていただき、丁寧な対応に努めたところであります。
 4点目でありますが、廃炉を踏まえた立地地域の振興についても御指摘をいただきました。
 玄海原発1号機の廃炉による地域への影響への対応や、立地自治体を初め、関係自治体の経済活力の維持、向上は重要な課題でありまして、さまざまな施策の活用を通じて、佐賀県を初め、立地自治体等と連携をしながら、地域の経済振興等にしっかり対応をしてまいります。
 最後に、再生可能エネルギーの導入促進についてであります。
 再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しながら、最大限導入を進めてまいります。その際、事業者の参入促進を容易にするためにも、技術開発やインフラ整備への支援などの取組を進めてまいります。
 なお、再生可能エネルギー導入に向けた具体的な計画や方法については、次期エネルギー基本計画の見直しの議論の中で検討してまいりたいと思っております。
 以上、知事からいただきました御要望に対する回答を申し上げました。先般も県議会の中倉議長に経産省にお立ち寄りをいただき、高木副大臣が議会として決議いただいた文書を受け取らせていただきました。私も目を通させていただいておりますが、その内容は大変重く受けとめているところであります。
 原子力の理解活動に終わりはないと思っております。今後とも、国民や地元の皆様の理解が広がり、深まるよう、丁寧かつ粘り強く取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【司会】
 では、知事のほうからお願いします。
【山口知事】
 世耕大臣におかれましては、お忙しい中を御来県いただきましてまことに感謝申し上げたいと思います。そして、きょうは現場のほうを御視察いただいたということで、私は政治家、特に閣僚が現場に自ら足を運ぶって、本当に大変意義深いことだと思っておりますので、本当にそちらのほうも敬意を表したいと思います。
【世耕経済産業大臣】
 ありがとうございます。
【山口知事】
 そうしましたら、これから説明させていただきたいと思います。
 まず、先ほど大臣からお話がありました県民説明会、これ5か所開催させていただきましたけれども、特に、それに加えて玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会というのを佐賀県は設置しておりまして、これにつきましては、経産省を初め規制庁、そして内閣府、政府関係の皆さん方にご協力いただきました。これについてお礼を申し上げたいと思います。
 そして、今、私のほうから要請させていただいたこと、そして県議会の決議に対しまして、大臣のお考えをお示しいただきました。本日は、せっかくの機会でもありますので、再稼働に関して本県の基本的な考えについて大臣に直接聞いていただきたいと思います。
 まず、私は原子力発電に関しましては、何よりも県民の安全が大切であるということを考えております。そして、稼働している、稼働していないにかかわらず、県として、現に存在しております玄海原子力発電所と真摯に向き合い、国や事業所の動向を注視しながら対処していかなければならないと考えております。このため、再稼働の問題に対しては真摯に、愚直に、真っすぐに、またプロセスを大事に、丁寧に取り組んでいきたいと考えてきたところであります。
 そのような中で、再稼働に関しては大臣も御案内のとおり、県民の間には様々な意見があります。立地地域に限らず、広く県民に知っていただこうと進めていくことといたしました。そうしたことから、県内の各地域で──この5か所というのは、この原発立地地域だけではなくて、佐賀ですとか、武雄ですとか、鳥栖とか、幅広く県民全体で議論いただこうということで県民説明会を開催したところであります。
 説明会におきましては、参加者から意見、質問など多くの発言のほか、用紙による意見もいただきました。また、説明会に参加できなかった県民のために、説明会の様子をインターネットで中継しております。そして、その様子を録画した動画、説明用ビデオも県のホームページで公開してきたところであります。
 このほかにも、2月21日から県のホームページで御意見メール、そして各総合庁舎では、13か所に御意見箱ということで、幅広く県民の意見を集めようという努力をさせていただいて、全て公開で、開かれたところで議論ができるようにという努力をしてまいりました。
 こうして県民から直接寄せられた意見は、中には再稼働すべきというものもありましたが、そのほとんどが再稼働に対して反対する意見でありました。また、県では、広く意見を聴く委員会を設置しましたけれども、この委員会で資源エネルギー庁を初め国の3府庁、事業者から説明をいただいた上で、3月13日の3回目の委員会において、各委員から意見をいただきました。委員からは、こちらのほうは賛成、反対の意見、不安の声など、様々な立場から意見をいただいたところであります。賛成の立場の意見もありましたが、安全性や事故後の対応など条件付きの意見も多く、やはり福島の事故を経験したことを踏まえた不安が前面に出たものだったかと思っております。
 加えて、県内20市町の首長から意見をお聞きするために──我々20人の首長、市長、町長と私で21人のGM21というミーティングを適宜開催させていただいているんですけれども、この件について議論した日は、16名の首長さんが出席して、4名の市町長からは書面で意見が提出されて、全員の意見をお伺いすることができました。
 市長、町長からは、明確に反対の意見を述べられていたのは3団体ございました。住民の間には不安感が根強いこと、避難計画の実行性や周知がまだ十分でないことについて意見をいただいたところであります。
 さらに、隣県の長崎県及び福岡県におきましても、3月15日から説明会が開催されましたので、本県からも職員を派遣し、そこでの意見を直接聞かせましたが、その多くが、再稼働に反対の意見だったと報告を受けております。
 このように、様々な形で意見を伺ってきたところでありますが、県民の意見といたしましては、再稼働に対する安全面での不安、使用済核燃料の処分のめどが立っていないことへの不安、現に、電気が足りている中でなぜ再稼働しなければならないかという疑問、そして再生可能エネルギー導入促進への期待といった声が総じて言えば多かったと思っています。やはり福島の事故を経験し、多くの不安があることの表れだと思っておりまして、現に原発立地する自治体の長として、これに真摯に向き合う必要があると再認識したところであります。
 また先日、福島第一原子力発電所を視察し、事故後の状況、その後の対策について直接現地を確認させていただきましたけれども、やはり深刻な状況というものがまだ現前に、眼前に広がっておりまして、あのような事故が二度と起こってはならないと改めて強く思ったところであります。
 私自身、原子力発電につきましては、その依存度を可能な限り低減し、再生可能エネルギーの導入などを積極的に推進していくべきと申し上げてきたところでありまして、その思いについてもさらに強くしたところであります。
 また、いただいた意見にもありましたけれども、今回、一連のプロセスを進める中で、私自身、その手続のありようが非常にわかりくいと感じるところがありました。原子力政策は国民の関心も高く、今後も高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題など、いろいろなことが続いていくと思いますので、一連の手続につきましては、分かりやすく開かれたものであったほうがいいのではないかと感じたところであります。
 また、大臣からもお話がありましたけれども、臨時県議会において佐賀県議会が議決をなされました。この議決につきましては、既に御存じのことと思いますけれども、国への要請については重く受け止めていただくというふうに言っていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、4月19日に、玄海原子力発電所へ視察に行きまして、瓜生社長との面談も行いましした。大臣のほうからも3ポイント触れていただいたので、非常にありがたいと思いますけれども、私自身、そうしたことに思い至ったことというのは、これまでの私自身の経験としてJCOの原子力事故で現場にずっと張っていたことですとか、有珠山、それから北海道の十勝沖地震や新潟中越地震とか、様々な場面で私は現場でずっと対応していたわけで、そのときにいろんなことが起きて、そういったことが教訓になってございます。
 特に、1点目のお話をいただいた正確な情報を共有するということなんですけれども、私は自分の言葉でうそをつかないことというふうに申し上げています。それは、様々な現場現場で情報がしっかりと伝わらないというちょっとしたヒューマンエラーが大きな事故を起こすという思いからでありまして、そういったところは世耕大臣もわかっていただけるのではないかというふうに私は思います。そういう小さいところからしっかりとやっていく、そして、部下が上司にそういった情報を上げられやすい組織の風通しというものも大事だということ、そして、幅広い事案についてしっかりと想定していくということが大事だということも話をさせていただきました。
 さらに、不断の取組、ヒューマンエラーの防止対策、全社での信頼向上への取組、県民に寄り添った取組を行うことなどを申し入れさせていただいたところでありますが、瓜生社長からは福島のような事故を決して起こさせないという強い思い、地域としっかり寄り添いながら、会社を挙げて安全性や信頼性の向上に取り組んでいくということを確認できましたけれども、こうした取組に終わりはなく、その姿勢を注視し続けていきたいと考えております。
 これは瓜生社長もお話しいただきましたけれども、今、そこにいる我々だけが合意したということではなくて、玄海原発1号炉は廃炉認定いただきましたけれども、それにしても、これから作業はあと30年続くという息の長い作業になるので、しっかりとそれぞれの組織が申し伝えていくことが大事だという話になったところであります。
 再稼働を進めるとした国においては、こうした県民の声、県議会の要請に真摯に向き合い、丁寧に対応していただきたいと思っています。そして、何といっても、原子力発電については国が責任をしっかり果たすということが極めて大切だと考えています。世耕大臣は我が国におけるエネルギー政策の責任者であります。同時に、本日は政府を代表し、こうして御来県いただいていると私は認識しておりますので、知事として改めて次のことを要請させていただきたいと思います。
 1点目、原子力発電所の安全性については、国において引き続き原子力規制の一層の充実強化に取り組むとともに、事業者への指導、監督を徹底すること、特に、ヒューマンエラーの防止については徹底した取組を図っていくよう指導すること。
 2つ目、使用済核燃料対策及び高レベル放射性廃棄物の最終処分などのバックエンド対策への取組を加速させること。
 3つ目、エネルギー基本計画で原発依存度については可能な限り低減させるとしていることに対し、再生可能エネルギーのさらなる導入促進や蓄電技術や新エネルギーの開発など、原子力に依存しない経済社会構造の確立を目指すこと。
 4番目、原子力発電所の安全性及び再稼働の必要性や使用済核燃料の貯蔵対策などのエネルギー政策については、引き続き県民及び国民に対し、国が前面に立って説明を行い、その理解を得るよう取り組むこと。
 5つ目、県、市町、防災関係機関等との連携を強化し、避難のための道路、港湾等のインフラの整備促進や離島住民及び避難行動要支援者に十分に配慮した避難計画の充実など、原子力災害対策の継続的な見直しを行うこと。
 6番目、福島原発事故後の環境変化や原子力災害対策の見直しなど、立地地域を取り巻く環境は大きく変化していることから、立地地域のさらなる振興対策に努めること。
 以上、6項目掲げさせていただいております。政府を挙げて取り組んでいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【世耕経済産業大臣】
 ありがとうございました。
 県民に対して説明、意見聴取を本当にきめ細やかに丁寧に続けてこられたことについて、心から敬意を表したいと思います。
 また、危機管理の現場での御経験に基づいた様々な御意見、非常に重いものがあるというふうに思っております。
 今、御要望いただきました。これは当然、我々は取り組んでいかなければいけないそれぞれの項目、そういうテーマだというふうに思っております。事業者だけではなくて、国もしっかり責任を持って、今、御指摘いただいたテーマについても誠意を持って対応をしてまいりたいというふうに思っております。
 そして、政府としても、今後とも責任を持ってエネルギー政策、原子力政策を進めてまいります。依存度をできる限り低減させるということも我々はきちっと国の方針として決めさせていただいておりますし、再生可能エネルギーについても、最近はさらに水素社会を目指すということも大きく打ち上げておりまして、当然、再生可能エネルギーの導入促進も国の重要なテーマとしてやってまいりたいというふうに思います。
 その上で、山口知事におかれましても、今回の玄海原発3、4号機の再稼働を進める政府の方針と対応について、ぜひ御理解を賜るようお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【山口知事】
 大臣の御発言につきましては、重く受けとめさせていただきたいと思います。
 重ねて申し上げますけれども、原子力発電につきましては、何よりも県民の安全が大切であるということと、国が責任を持って取り組んでいくということに尽きると思っています。今後も県として気づいた点につきましては、いろいろと申し上げることもあるかと思いますけれども、国におかれましては、地元の意見には真摯に向き合っていただくようにお願いいたします。
 また、加えて申し上げれば、世耕大臣のほうからも水素社会のお話もありました。我々も水素ステーションをつくったり……
【世耕経済産業大臣】
 さっき見ました。横を通りました。
【山口知事】
 ああ、そうですか。はい。自らも頑張っていこうという強い決意を持って取り組んでおりますので、再生可能エネルギーを軸とした社会が実現できればと思っております。
 大臣にはぜひ今後とも再生可能エネルギー導入促進に御尽力をお願いしたいと思います。
【司会】
 それでは、以上をもちまして面談を終了させていただきます。ありがとうございました。

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