PCBは、無色透明で化学的に安定しており、燃えにくく電気絶縁性に優れている等の特性により、電気製品の絶縁油として変圧器やコンデンサー、蛍光灯安定器等に広く用いられていました。
そのような中、昭和43年に起こったカネミ油症事件をきっかけに、発癌性・皮膚障害・内臓障害・ホルモン異常といった毒性が社会問題となり、昭和48年に製造・輸入・使用が原則禁止となりました。
平成13年、国は、PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進するため、PCB特措法を制定(同年中に施行)し、さらに、同法に基づき「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」(以下「基本計画」という。)を策定しました。同法の施行以後、PCB廃棄物等の保管事業者は、保管及び処分状況等について毎年度、県に届出するとともに、期限内の処分の委託を行うことが義務付けられています。
また、PCB特措法制定以後、PCB廃棄物等の処理の現状に合わせ、関係法令の改正及び基本計画の変更が行われました。直近の平成28年5月のPCB特措法等の改正では、新たに「処分期間」が設定され、高濃度PCB廃棄物は計画的処理完了期限の1年前までに、低濃度PCB廃棄物は平成39年3月31日までに処分の委託を行うことなっています。
なお、近年では、製造過程においてPCBを使用していないとされる昭和50年以降に製造された電気機器に、微量(数mg/kg~数十mg/kg)のPCBが混入していた事案が判明しています。このような電気機器は、機器中の絶縁油の濃度分析を行い、分析結果により低濃度PCB廃棄物又は産業廃棄物として処理していただくこととなります。