1 本県における糖尿病の現状
佐賀県は全国的にも糖尿病及び糖尿病予備群の割合が高い状態が続いています。2015~2017年度と2019年度の特定健康診査結果(NDBオープン
データ)では、ヘモグロビンA1c(※1)が6.5%以上の者の割合、ヘモグロビンA1cが6.0%以上6.5%未満の者の割合がともに全国ワースト1位
でした。
また、本県の糖尿病性腎症による新規透析導入患者数は(わが国の慢性透析療法の現況(日本透析医学会))は、2012年の132名と比較すると減少
傾向にあるものの、新規人工透析患者の原因疾患別では約4割を占めており、これらのことから、糖尿病対策は本県の喫緊の課題となっています。
※1 ヘモグロビンA1c
血液中の糖化ヘモグロビンの割合で、過去1~2 か月の平均的な血糖値の状態が反映される。糖尿病の診断は、症状の有無や血糖値の検査値等も
踏まえて総合的に判断されますが、6.5%以上は糖尿病の可能性を否定できないものとして、発症リスクが高まります。
2 第3次佐賀県健康プランにおける糖尿病領域の指標と取組
○ 目標(指標)設定の考え方
○ 主な取組
・糖尿病及びその予防(生活習慣の改善等)に関する正しい知識の普及啓発
(特定健診及び特定保健指導の受診啓発、治療の受診促進、CKD(慢性腎臓病)等)
・「佐賀県糖尿病連携手帳」及び糖尿病コーディネート看護師等を活用した糖尿病の保健医療連携体制の強化
・糖尿病の治療や療養に従事するコメディカル等の資質向上
・糖尿病の未治療者・治療中断者対策
※糖尿病に対するスティグマ(※2)が治療中断の要因の一つとなっていることを考えると、正しい知識の普及啓発等、 スティグマ払拭のための取組
を進めていくことも必要です。
※2 スティグマ
特定の属性に対して刻まれる「負の烙印」という意味を持ち、誤った知識や情報が拡散することにより、対象となった者が精神的・物理的に困難な
状況に陥ることを指します。
3 具体的な取組
○ 「ストップ糖尿病」対策事業
糖尿病の予防と治療や重症化予防については、行政や医療機関、保険者など様々な関係機関・団体が取り組んでいますが、その取り組みをより効果的
なものにするために、糖尿病の関係者間で情報共有するなど連携するための会議や連絡会などの取組を平成28年度から行っています。
1 佐賀県「ストップ糖尿病」対策会議の開催
2 2次医療圏単位「ストップ糖尿病」対策会議の開催
3 糖尿病予防に関する普及啓発(2次医療圏単位)
4 糖尿病に関する医療機関及び関係者連絡会(2次医療圏単位、基幹病院)の開催
5 糖尿病を取り巻く医療連携のための環境整備(糖尿病コーディネート看護師の活動)
○ 佐賀県糖尿病連携手帳
佐賀県医師会では、佐賀県や佐賀大学医学部など関係機関と協力し、平成24年3月に「佐賀県糖尿病連携手帳」(以下「連携手帳」という。)を作成し、関係者による活用の促進を進めています。
連携手帳は、糖尿病に関わる検査結果や治療内容などを記録できるようになっている他、日常生活での注意点、緊急時の対処法や糖尿病に関する解説などが患者さんにもわかりやすいように掲載されています。また、病状や回復経過に合わせて、各機関が連携して医療を提供できるよう、治療経過を共有する計画表としての役割があります 。
○ 糖尿病コーディネート看護師
平成24年度から、佐賀大学医学部において、かかりつけ医と糖尿病の専門的治療を行う基幹病院が連携した治療をサポートする「糖尿病コーディネート看護師」を養成しています。
・糖尿病コーディネート看護師の活動について(準備中)
※この活動が高く評価され、2023年度糖尿病療養指導鈴木万平国内賞を受賞されました!
○ 糖尿病重症化予防診療ガイド
かかりつけ医と専門医・専門医療機関との連携を円滑にするための「糖尿病重症化予防診療ガイド」を平成30年3月に作成し、このたび、
改訂いたしました。
佐賀県糖尿病連携手帳と併せてご活用ください。
腎臓専門医外来を受診する場合は、下記の腎臓専門医一覧をご参照ください。
詳しくは、佐賀県ホームページ「さがの国保」をご覧ください。
○ 佐賀県糖尿病対策キャラクター”ナナ”
佐賀県では、糖尿病患者さんが病気をコントロールしながら、合併症を予防し生活できるよう、関係者が協力していきたいとの願いを込めキャラクターを作成しました。
このキャラクターの名前は「ナナ」。合併症発症予防のヘモグロビンA1cの目標値の「7」%未満から名づけられました。
キャラクター利用を希望される方は、利用規程をご覧ください。
佐賀県糖尿病対策キャラクター利用規程 (PDF:55.2キロバイト)