令和4年度公共用水域及び地下水の水質測定結果をお知らせします
佐賀県では、水質汚濁防止法の規定に基づき、河川、海域等の公共用水域及び地下水の水質調査を毎年実施しており、
1年分を取りまとめて公表しています。
この度、令和4年度(令和4年4月~令和5年3月)の水質測定結果をまとめましたのでお知らせします。
1 公共用水域
(1)調査地点数
河川100地点、湖沼・クリーク7地点、海域26地点の計133地点で調査しました。
(2)調査結果の概要
➀ 健康項目
カドミウム、全シアン、鉛等、人の健康に影響を及ぼす健康項目について、主要地点や発生源の立地等により
汚染が懸念される57地点(河川28地点、湖沼3地点、海域26地点)全て環境基準注1)を達成していました。
➁ 生活環境項目
ア 生物化学的酸素要求量(BOD)又は化学的酸素要求量(COD)について
有機汚濁物質による汚れの度合いを示す生物化学的酸素要求量(BOD)又は化学的酸素要求量(COD)
については、次の水域では環境基準を達成しませんでした。
・ 河川では、「寒水川」「切通川上流」「城原川下流」「嘉瀬川下流」及び「本庄江」の5水域
・ 湖沼では、「北山ダム貯水池」の1水域
・ 海域では、「有明海A」及び「玄海A」の2水域
| 年度 | H30 | R01 | R02 | R03 | R04 |
---|
河川(BOD) | 達成水域/基準設定水域 | 58/58 | 54/58 | 54/58 | 57/58 | 53/58 |
達成率 | 100% | 93.1% | 93.1% | 98.3% | 91.4% |
湖沼(COD) | 達成水域/基準設定水域 | 0/1 | 0/1 | 0/1 | 0/1 | 0/1 |
達成率 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
海域(COD) | 達成水域/基準設定水域 | 3/6 | 3/6 | 4/6 | 3/6 | 4/6 |
達成率 | 50.0% | 50.0% | 66.7% | 50.0% | 66.7% |
イ 全窒素及び全燐
富栄養化の度合いを示す全窒素及び全燐については、次の水域では環境基準を達成しませんでした。
・ 海域では、「有明海(イ)」及び「有明海(ニ)」の2水域
| 年度 | H30 | R01 | R02 | R03 | R04 |
---|
湖沼 | 達成水域注2)/基準設定水域 | 0/1 | 1/1 | 1/1 | 0/1 | 1/1 |
達成率 | 0% | 100% | 100% | 0% | 100% |
海域 | 達成水域注2)/基準設定水域 | 5/7 | 5/7 | 5/7 | 5/7 | 5/7 |
達成率 | 71.4% | 71.4% | 71.4% | 71.4% | 71.4% |
ウ 水生生物の保全に係る環境基準項目
全ての水域で環境基準を達成しました。
| 年度 | H30 | R01 | R02 | R03 | R04 |
---|
河川 | 達成水域注3)/基準設定水域 | 2/2 | 2/2 | 2/2 | 2/2 | 2/2 |
達成率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
海域 | 達成水域注3)/基準設定水域 | ー | 1/1 | 1/1 | 1/1 | 1/1 |
達成率 | ― | 100% | 100% | 100% | 100% |
注1)環境基準とは、環境基本法第16条第1項の規定による水質の汚濁に係る環境上の条件につき人の健康を
保護し、及び生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準のことです。
注2)全窒素及び全燐ともに環境基準を満足している場合に、達成水域としました。
注3)水生生物の保全に係る環境基準項目(全亜鉛等)全ての項目で環境基準を満足している場合に、達成水域
としました。
参考資料1 :人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)の達成状況
参考資料2 :BOD(河川)又はCOD(湖沼、海域)(75%値)の推移
参考資料3 :全窒素・全燐(年平均値)の推移
参考資料4 :水生生物の保全に係る環境基準項目(年平均値)の推移
2 地下水
4種類の調査を実施しました。(計16市町、181地点)
(1)概況調査(地域の代表的地点での地下水質を把握するため、県内一円で実施するもの)
・ 10市町43本の井戸を調査した結果、1市1地区において、新たな地下水汚染が確認されました。
この地区では、汚染状況を確認するため、(2)➁の汚染井戸周辺地区調査を行いました。
(2)汚染井戸周辺地区調査(新たな汚染が判明したときに、汚染範囲の確認のために実施するもの)
➀伊万里市新天町地区
・ 令和3年度に県が伊万里市新天町地区の1本の井戸を調査した結果、ふっ素及びほう素の環境基準を上回りました。
・ このことを受け、令和4年度に伊万里市新天町地区の4本の井戸を調査したところ、全ての井戸において
環境基準を満たしました。
※ 今回検出された濃度であれば、飲用しても直ちに健康被害が出ることはありません。
※ 調査した井戸で飲用のものはありませんでしたが、念のため、井戸の所有者には、井戸水の飲用を
控えるよう注意喚起を行いました。
➁武雄市武内町真手野地区
・(1)の概況調査において、武雄市武内町真手野地区の1本の井戸を調査した結果、1本の井戸がふっ素の
環境基準を上回りました。
・ このことを受け、武雄市武内町真手野地区の18本の井戸を調査したところ、2本の井戸がふっ素の
環境基準を上回りました。
※ 今回検出された濃度であれば、飲用しても直ちに健康被害が出ることはありません。
※ 調査した井戸で飲用のものはありませんでしたが、念のため、井戸の所有者には、井戸水の飲用を
控えるよう注意喚起を行いました。
(3)継続監視調査(過去に汚染が確認された地区の地下水質の動向を経年的に把握するために、毎年実施するもの)
・ 12市町58本の井戸を調査した結果、10市町22本の井戸において、ふっ素等8項目で環境基準を上回りました。
※ 基準を上回った井戸の所有者には、井戸水の飲用を控えるよう注意喚起を行いました。
(4)再度汚染井戸周辺地区調査(継続監視調査地区において、おおむね5年間ごとに実施するもので、汚染の拡がりを
再確認するため調査範囲を拡大して実施するもの)
・ 3市町58本の井戸を調査した結果、2市3本の井戸において、六価クロム等3項目で環境基準を上回りました。
※ 基準を上回った井戸の所有者には、井戸水の飲用を控えるよう注意喚起を行いました。
参考資料5 :地下水質調査結果
添付資料