ご意見
里親として日々の生活の中で、心配していること改善していただきたいことは様々あります。その中で2点あげさせていただきます。
(1)社会的養護の下で暮らす子どもたちにアドボケイト制度を
児童養護施設や里親家庭で暮らす子どもたちにアドボケイトを派遣していただきたいです。
子どもたちは自分がなぜ施設や里親家庭で暮らすことになったのか、いつまでこれが続くのか、今の養育環境に不満をもっているなど、様々な思いを持っています。この思いを利害関係なく聴いてくれ、それを代弁して改善してもらえる環境を整えていただきたいです。子どもたちが社会に出ていく際に必要なヘルプを出す力を養う、自分の意見を聴いてもらい改善できなくても自分の声に意味があるということを感じられるかどうかは、今後の大きな生きる力になると思います。
(2)児童相談所職員の負担軽減を
社会的養育ビジョンが出され、今、佐賀県でも里親委託率は年々高くなっています。支援する子どもや里親家庭がそれとともに増えています。里親家庭から元の家庭へ復帰する子どももこれから年々増えていくでしょう。アドボケイトしかり、子どもへの支援、里親支援、元の家庭への支援、現状は足りていません。
一人の児童福祉司が担う業務役割が多く、子ども・里親・実親・施設、多くの立場への共感性も必要なため、これでは前に進まないと思います。それぞれへの支援と調整を単独の立場で考えられるよう外注するなりして、その全体を調整することを児童福祉司の役割にするなど、分業を行う必要があるのではないかと思います。
担当課の回答(令和3年11月9日)
この度は、児童相談所における子どもへの支援と業務の改善についてご意見をいただき、ありがとうございました。親元から離れ心を痛めた子どもをご家庭に招かれ、温かく養育してくださる里親の方々は本当にありがたい存在であり、心から感謝いたします。
県では現在、児童養護施設の入所児童や里親へ委託する児童へのアドボケイトの派遣は行っておりませんが、子どもにとって最善の利益を実現することを目指した「佐賀県社会的養育推進計画」に基づき、毎年度アンケート調査を行い、このような環境に置かれた子どもたちの声をお聞きしています。
また、児童福祉司が里親や施設職員等と協働し、半年に1回をめどに措置の理由や今後の見通しなどについて、丁寧に説明を行うとともに、子どもたち自身の考えや気持ちを聞き、子どもたちに寄り添った方針決定ができるよう努めています。
里親支援業務を担う児童相談所では、乳児院や児童養護施設を運営する社会福祉法人に委託し、里親制度の普及啓発や研修、子どもとのマッチングまでの業務を、一貫した体制の下で実施しています。今年度からは新たに県内4地域での訪問支援を委託し、身近な地域での相談体制を充実させ、里親へのきめ細かな支援につなげています。
児童相談所においては、里親担当の児童福祉司が全体的な調整の役割を担いながら、社会福祉法人と協働して里親の支援にあたるとともに、委託児童の支援を行う児童福祉司と役割を分担して、子どもやその保護者、里親への対応を行うなど、職員の負担軽減を図っています。
引き続き、子どもたちが家庭的な環境の中で健やかに育つことができるよう、社会的養育の充実・強化に取り組んでまいります。