環境試料の測定
(1)ガンマ線核種分析
セシウム134、セシウム137、ヨウ素131などのガンマ線を出す放射性物質は、ゲルマニウム(Ge)半導体検出器という機器で測定し
ます。半導体検出器はガンマ線のエネルギーを測定することにより試料に含まれる放射性物質を複数種類同時に測定することができま
す。このような分析をガンマ線核種分析といいます。
ゲルマニウム半導体検出器(ガンマ線の測定全般に使用)
放射化学分析
トリチウムやストロンチウム90はベータ線を測定することにより環境試料中の放射能を調べます。ガンマ線と異なり、ベータ線はエネルギーにより放射性物質の種類を分けることが難しいため、測定前の化学処理により、それぞれの放射性物質の測定に適した形にします。
(1)トリチウム分析
トリチウムは非常に弱いベータ線を出しているため、蒸留操作や化学処理を行った後、低バックグラウンド液体シンチレーション計数
液体シンチレーション計数装置
トリチウム(ベータ線)の測定に使用
(2)ストロンチウム90分析
ベータ線の測定を行いますが、化学的性質が似ている他の物質を取り除くためカラムクロマトグラフィーなど様々な処理を行って、目
的の物質を取り出します。
ベータ線の測定は、低バックグラウンドベータ線計数装置(LBC)で行います。
ストロンチウム90などベータ線の測定に使用