営巣中のコウノトリ(白石町教育委員会提供) |
コウノトリは日本の代表的な大型水鳥で、大型の淡水魚をはじめとする水生生物から、ヘビ、バッタまで、多様なえさを食べる肉食の鳥類です。
コウノトリは、日本では主に2つの法律によって保護されています。「文化財保護法」によって昭和31年(1956年)に国の特別天然記念物(地域を定めず)に指定されています。また、「文化財保護法」のほかに「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(「種の保存に関する法律」)でも国内希少野生動植物に指定され、保護(捕獲、殺傷、損傷の禁止など)されています。
コウノトリの保護増殖
コウノトリはかつて日本全国に生息していましたが、密猟や環境汚染などが原因で、昭和46年(1971年)に国内の野生繁殖個体は消滅しました。
その後、1980年後半にソビエト連邦(現ロシア)から日本に住むコウノトリと同じ種の野生コウノトリの幼鳥6羽を譲り受け、保護増殖が行われました。平成17年(2005)には野外へ飼育コウノトリの放鳥を試験的に開始し、平成19年(2007)には放鳥した野外コウノトリがつがいとなり、野生繁殖に初めて成功をしました(兵庫県豊岡市)。
令和2年(2020)には日本の野生のコウノトリは200羽に到達しており、北は青森県から南は鹿児島県まで全国各地で飛来が確認されています。佐賀県内でも飛来が確認されています。
佐賀県内では、白石町にて昨年(2022)、今年(2023)と2年連続でコウノトリが営巣・産卵・孵化をしています。昨年はコウノトリの営巣・産卵・ひなの孵化を確認しましたが、ひなは巣立ちすることができませんでした。今年は、ひなは大きく成長し6月には足環の装着を行いました。九州で繁殖をしたのは初めてのことです。
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巣作りをするコウノトリ(白石町教育委員会提供) | 子育て中のコウノトリ(白石町教育委員会提供) |