古川原壮志(こがわら・たけし)監督について
カリフォルニア州Art
Center College of Design, 映画学部卒。
映画、 MV、CMのディレクターとして活動。CM作品はカンヌライオンズ、One Show, Adfestなどで受賞。また短編映画において釡山国際映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアでのジャパン部門最優秀賞・東京都知事賞を受賞、米アカデミー賞短編部門候補選出など。2017年、 2018年と長編映画脚本「なぎさ」がサンダンスインスティテュート・NHK脚本賞日本代表に続けて選出後、同企画にて2019年フィルメックスタレンツトーキョーに選出。そして初長編映画『なぎさ』が東京国際映画祭、トリノ映画祭特別表彰受賞、またスペイン最大の国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭にて上映。
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映画『なぎさ』に寄せられたコメント
【ロベルト・クエト(サンセバスティアン国際映画祭選考委員)】
古川原壮志監督のデビュー作は、驚嘆すべき華麗さと精細さの作品である。観客を魅惑的な映像と音の体験へと誘う物語となっている。そのパズルのような構成は罪と欲情の混沌へ、私たちを不穏な旅に導いていく。
【市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)】
記憶をめぐる物語なのである。説明的な台詞を極力排し、映像の力のみを信じているかのような大胆な編集で紡ぎ出されるこの物語は、これまでのどの映画にも似ていない。
【トリノ映画祭審査員一同】
壮麗でありまた独自性に富んだ映画言語。(特別表彰授与コメント)
【早川千絵監督 (PLAN 75 映画監督)】
繊細な物語を非常に大胆なやり方で描いている。そのギャップがなんとも魅力的で引き込まれた。青木柚さんと山﨑七海さんがすばらしく、ふたりをずっと見ていたくなりました。
【津田寛治(俳優)】
古川原壮志さんは「本気」の監督だ。映画の「本気」は「暴露」に似ている。古川原作品はいつも勇気をもって曝け出している。希薄な空気中にありながら高密度に閉じた世界を、粒子が震えるような勢いで暴露する。暴露系映画監督だ。作品群の中でも突出して閉じている長編「なぎさ」が暴露されるとき、観客はそこに何を観るのだろうか。目をそらしたって構わない。客席から逃げ出したって構わない。いつかそれと向き合う日が来るのだから。
【酒村ゆっけ、(作家・酒テロクリエイター)】
喪失の夏を予感させる映画『なぎさ』が頭から離れない…
どんなに悔やんでも大切な人は戻って来ない、罪を背負い暗いトンネルを彷徨うような日常と10代最後の夏。この映画の凄いところは、全員の表情を直接的に見せないの‼だから自分で小説を読んだときのように想像させようとしてくる。結末をどう捉えるかは自分次第。一緒に映画を作り上げる体験をさせてくれる人生初の作品に震えました。
【オカモトコウキ(OKAMOTO’S)】
人は、常に過去を抱えながら生きている。過去は現在の自分の立ち位置によって歪んだ鏡像のように形を変える。映画の中で「トンネル」を起点に重なる映像は、時間や現実を捻じ曲げながら私たちを答えのない迷路へ誘う。やがて、混乱した主人公のように我々の頭も混乱することになる。その先に出現するのは、炙り出されるのはあなた自身の過去?あの日感じた一瞬の感覚?見えないものを映し出す、映画のマジックがここにあった。
佐賀県フィルムコミッションについて
2005年に佐賀県庁内に設立。映画、ドラマ、CM、プロモーションビデオやWeb動画などの映像コンテンツのロケ誘致を行い、地域と一体となった映像作品づくりを支援し、また映像を通じた佐賀県の情報発信を行っています。
映画やドラマづくりに地元の方が参加し、楽しんでもらうことで地域活性化や話題づくりを促進し、その映像作品を通じて地元の方が改めて佐賀の良さを再認識したり、新たな魅力の掘り起こしにつなげたりすることも重要な目的のひとつです。
また、地域へ映像文化の定着支援として、若手クリエイターの育成のお手伝い、各種映画祭の支援など映像文化に触れる機会の創出・提供のお手伝いなどを行っています。