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R5.9.6 OKADA-ROOM Vol.28の展示がスタートします 光をえがく―岡田三郎助とその周辺画家から―

最終更新日:

記者発表ヘッダー


 令和5年9月6日

県立美術館 学芸課

担当者 安東

直通 0952ー24-3947

【E-mail】hskubi@pref.saga.lg.jp

 

OKADA-ROOM Vol.28の展示がスタートします
光をえがく―岡田三郎助とその周辺画家から―

 
 佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠岡田三郎助(おかだ・さぶろうすけ)(1869~1939)の画業と人物を顕彰してきました。
 絵画にとって光の描写は、物の立体感や質感を伝える術(すべ)であり、人物の心情も投影する重要な要素です。また、光そのものに魅せられて描く画家は古今東西多くおり、画家たちの創作の源泉となっています。
岡田三郎助は、当初、ヨーロッパの古典絵画を思わせるような明暗を強調した油絵を描いていました。しかし、明治26年(1893年、岡田25歳)、黒田清輝や久米桂一郎より「外光派」とよばれる明るく柔らかな色彩で描写する画風を学び、自身も陽光の元で描く戸外制作を試みて、明るい色彩を画面に取り入れて描くようになります。また、明治30年(1897年)、フランスへ留学し、黒田や久米の師であるラファエル・コランから直接学べる機会を得て、より一層、光の変化によって感じ取った微妙な色彩を表現に活かしていきます。
 今回、OKADA-ROOM Vol.28では、岡田三郎助が描いた《夕陽》のような画面全体が光に包まれたような作品から、ラファエル・コランによる木陰から漏れる光に照らされた女性像の《日だまり》等、光を活かした作品を下記のとおり展示いたします。
画家たちの光の幻想を是非会場にてお楽しみください。
 

1 展覧会名称

OKADA-ROOM Vol.28

光をえがく―岡田三郎助とその周辺画家から―

2 会   期

令和5年9月14日(木曜日)~12月17日(日曜日)

3 開館時間

9時30分~18時

4 休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、

※9月19日(火曜日)は13時~17時まで臨時開館

5 会 場

佐賀県立美術館 OKADA-ROOM

6 観覧料

無料

7 イ ベ ント

ギャラリートーク
〈日時〉令和5年9月26日(火曜日)14時~ 

〈場所〉OKADA-ROOM

 

岡田三郎助

岡田おかだ三郎さぶろうすけ 1869(明治2)~1939(昭和14)

1869年(明治2年)、佐賀県佐賀町(現佐賀市)に旧佐賀藩士石尾(いしお)孝基(たかもと)の三男として生まれる。幼時に油絵に関心を持ち、のち洋画を学ぶ。黒田(くろだ)清輝(せいき)久米(くめ)桂一郎(けいいちろう)らとともに洋画団体「白馬会」を創立、東京美術学校の西洋画科の助教授に就任する。また文部省の留学生としてフランスに渡り、画家ラファエル・コランから穏やかで明るい色調の作風を学んだ。帰国後は東京美術学校教授として、官展の指導者として、後進の育成に力を注ぎ、1937年(昭和12年)、第1回文化勲章を受章した。

繊細優美な婦人像を多く描き「美人画の岡田」と呼ばれた。

 


主な出品作品

  • 岡田三郎助《夕陽》
    岡田三郎助《少女読書》

    岡田三郎助《夕陽》1894年頃(明治27年頃)

    油彩・板、個人蔵

    岡田三郎助《少女読書》1924年(大正13年)

    油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

    高木背水《練馬風景》
    高木背水《婦人肖像》

    高木背水《練馬風景》1935年代(昭和10年代)

    油彩・カンヴァス、佐賀県立美術館

    高木背水《婦人肖像》1912年(大正元年) 

    油彩・カンヴァス 、佐賀県立美術館

    山口亮一《秋の日》
    ラファエル・コラン《日だまり(くつろぎ)》

    山口亮一《秋の日》 1909年(明治42年) 

    油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館

    ラファエル・コラン《日だまり》1896年(明治29年)

    油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館


  • 出品目録

    No.

    作品名

    作者名

    制作年

    材 質

    所蔵等

    1

    老婦人像

    百武兼行

    1878(明治11)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    2

    矢調べ

    岡田三郎助

    1893(明治26)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    3

    子供のいる風景

    久米桂一郎

    1897(明治28)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    4

    夕陽

    岡田三郎助

    1894(明治27)頃

    油彩・板

    個人蔵

    5

    日だまり

    ラファエル・コラン

    1896(明治29)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    6

    西洋婦人像

    岡田三郎助

    1900(明治33)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    7

    岡田三郎助

    1908(明治41)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    8

    少女

    岡田三郎助

    1909(明治42)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    9

    縫い取り

    岡田三郎助

    1914(大正3)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    10

    裸婦

    岡田三郎助

    1935(昭和10)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    11

    秋の日

    山口亮一

    1909(明治42)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    12

    練馬風景

    高木背水

    1935(昭和10)代

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    13

    風景

    高木背水

    1931(昭和6)頃

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    14

    婦人肖像

    高木背水

    1912(大正元年)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    15

    少女像

    小代為重

    1897(明治30)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    16

    日傘の婦人のいる風景

    小代為重

    1890(明治23)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    17

    虹の海

    中沢弘光

    1912∼1989

    (大正∼昭和時代)

    油彩・カンヴァス

    佐賀県立美術館

    18

    朝日

    青木繁

    1910(明治43)

    油彩・カンヴァス

    個人蔵

    19

    繊月帰舟

    青木繁

    1910(明治43)

    油彩・カンヴァス

    個人蔵

     

    岡田三郎助アトリエ

    岡田三郎助アトリエ・女子洋画研究所

    (県立博物館東側)

    岡田三郎助は、1908年(明治41年)から1939年(昭和14年)まで、現在の東京都渋谷区恵比寿で暮らし、制作に打ち込みました。自宅に隣接したアトリエは木造の洋風建築で、岡田の没後は洋画家の(つじ)(ひさし)が譲り受けました。辻家の人々により長年守られた後、佐賀県立博物館東隣に移築・復原され、2018年(平成30年)度から一般公開されています。2022年(令和4年)には、国の登録有形文化財に登録されました。

    このアトリエで岡田の名作の数々が誕生し、またその一室は、彼が主宰した画塾「女子洋画研究所」の教室として使用され、数多の女性画家たちが巣立ちました。

    御来館の際は、ぜひアトリエもあわせて御見学ください。

     

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