サーチャージ水位到達時 平成24年2月16日撮影
計画説明
松浦川水系の井手口川下流域は、昭和51年、平成2年をはじめとして、出水の度に家屋の浸水など多大な洪水災害に悩まされてきました。
また、伊万里市においては、近年の下水道の普及など生活水準の向上に伴い、水需要が増加してきたことから、新たな水道水源の開発が急務となっています。
このようなことから、県では、洪水調節、既得取水の安定化、河川環境の保全等、および伊万里市の水道用水の水源確保を図るために、井手口川中流部に、多目的ダムとして井手口川ダムの建設を計画しました。
平成19年度末には本体工事に着手し、平成22年6月にダム本体コンクリートの打設を完了しました。平成23年5月10日より試験湛水を開始し、平成24年2月14日サーチャジ水位(EL103.7m、洪水防止のため一時的に貯留できる最高水位)に到達しました。
平成24年2月20日までサーチャジ水位を保ち、その後平成24年2月27日に通常水位である常時満水位(EL98.1m)まで水位を降下させ、ダム本体、基礎地盤、貯水池周辺の安全性を確認しましたので試験湛水を終了し、平成24年6月1日から本格運用を開始しました。
事業概要
- 事業主体:佐賀県
- 水系名:一級水系松浦川
- 河川名:井手口川
- 位置:佐賀県伊万里市大川町
- 型式:重力式コンクリートダム
- ダム概要:
- 堤高:43.7m
- 堤頂長:235.0m
- 堤体積:120,600m3
- 集水面積:4.27km2
- 総貯水容量:2,180,000m3
- 有効貯水容量:2,030,000m3
- 工期:平成元年度 ~ 平成24年度
- 総事業費:138億円
現場状況写真 (平成24年6月4日現在) ダム上流から望む