【吉野ヶ里歴史公園の概要】
吉野ヶ里歴史公園は、我が国固有の優れた文化的資産である吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るため設置された
国営公園で、佐賀県神埼市、神埼郡吉野ヶ里町にまたがる脊振山系より舌状に延びた丘陵上にあり、面積は約54
ヘクタールです。
また、本公園の周囲には、本公園と一体となって遺跡の環境保全及び歴史公園としての機能の充実を図るために
約63ヘクタールの県立公園が計画されており、総面積約117ヘクタールの区域が一体的な歴史公園として整備され
ます。
平成13年4月21日(土曜日)に、約49ヘクタール(国営公園約16ヘクタール、県営公園約33ヘクタール)が
第1期開園しました。平成31年4月1日現在の開園面積は、約104ヘクタール(国営公園約53ヘクタール、県立公
園約51ヘクタール)です。
【基本テーマ】
弥生人の声が聞こえる
【基本理念】
吉野ヶ里遺跡の保存を通じての本物へのこだわりと、適切な施設の復元やわかりやすい手触りの展示などの遺跡
の活用を通じて、弥生時代を体感できる場を創出することとし、もって日本はもとより世界への情報発信の拠点と
する。
【閣議決定文】
「我が国固有の優れた文化的資源である吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るための都市公園の設置について」(平成4年10月27日閣議決定)
我が国固有の優れた文化的資産である吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るため、佐賀県神埼郡神埼町大字志波屋及び大字鶴、三田川町大字田手並びに東脊振村大字大曲の一部にわたる区域に面積54ヘクタールの国営吉野ヶ里歴史公園を設置する。 |
理由:国の特別史跡に指定されている吉野ヶ里遺跡は、弥生時代における「クニ」の中心的な集落の全貌を示す、現存するものとしては我が国最大の遺跡である。
また、有柄銅剣やガラス製管玉等の出土品が国の重要文化財に指定されるなど、高い学術的価値を有する。 |
本遺跡をその周辺の豊かな自然環境と一体的に保存するとともに、広く県民が利用できる空間として整備する必要があるため、都市公園法第2条第1項第2号ロの規定に基づき、我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため国が設置する都市公園として、その設置を閣議決定するものである。
【基本方針】
(1)遺跡の保存と活用
遺跡の保存をはかり、雄大な環濠集落など我が国の「クニ」の始まりと魏志倭人伝の世界を想起させる遺跡
の全体的な特色を活かした整備を進め、我が国が世界に誇る歴史文化公園とする。
(2)魅力ある風景・環境づくり
広く弥生時代の景観を感じさせる整備をはかり、強く心に残り、歴史のロマンが感じとれる魅力ある風景の
公園とする。
(3)新しい歴史文化の創造
国際的なつながりをもつ遺跡の多様で豊かな内容を、わかりやすく、詳しく理解できるよう、博物館などの
展示施設や見学施設、体験・学習施設、研修施設等を整備し、楽しく学び、つどい、新しい歴史文化を創造す
る公園とする。
(4)国際交流の拠点として
世界の代表的な遺跡との連携をはかるなど、歴史文化を通じて世界の国々と相互理解を深め、国際交流の拠
点となる公園とする。
(5)レクリエーション環境の整備
四季を通じて誰もが一日中気持ちよく楽しく過ごせるよう、ひろばや遊び場など憩い楽しめるレクリエーシ
ョン環境を整えるとともに、多様な催しや親切な案内などサービス機能の充実をはかり、楽しい歴史文化公園
とする。
(6)地域振興の一翼を担う
広域観光レクリエーションネットワークの拠点としての役割を担い、まちづくりの核として、地域の活性化
など地域に寄与する公園とする。
(7)段階的な整備の推進
今後の発掘調査、研究にもとづいた整備を継続的に行い、長い時間をかけて発展成長していく公園とする。