産業廃棄物処理を委託する前に(産業廃棄物を排出する事業者の皆様へ)
産業廃棄物の処理を委託する際には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく委託基準を遵守しなければなりません。
下記に示す委託基準の概要及び委託契約上の注意事項に御留意の上、産業廃棄物の適正な処理手続きを徹底してください。
委託基準の概要
1.委託内容が処理業者が持っている許可の範囲内であること。
2.委託契約書を作成すること。
3.委託契約書には、法令で定める事項 → (1) が記載されていること。
4.委託契約書には、法令で定める書面 → (2) を添付すること。
5.委託契約書および添付書類を契約終了日から5年間保存すること。
6.
再委託を承認した場合は、承諾書の写しを承諾日から5年間保存すること。(再委託ができる場合は限られます。)
※委託する回数、量、金額等にかかわらず、法に定める必要事項が網羅された書面による契約が必要です。
(1)委託契約書の必要記載事項(施行令第6条の2、規則第8条の4の2)
必要な条項 |
委託の種類ごとの対応 |
収集運搬 |
処分 |
委託する産業廃棄物の種類 |
必要 |
必要 |
委託する産業廃棄物の数量 |
必要 |
必要 |
運搬の最終目的地 |
必要 |
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処分または再生の場所の所在地 |
- |
必要 |
処分または再生の方法 |
- |
必要 |
処分または再生の施設の処理能力 |
- |
必要 |
最終処分の場所の所在地 |
- |
必要 |
最終処分の方法 |
- |
必要 |
最終処分施設の処理能力 |
- |
必要 |
委託契約の有効期間 |
必要 |
必要 |
委託者が受託者に支払う料金 |
必要 |
必要 |
受託者の事業の範囲 |
必要 |
必要 |
積替え保管又は保管[収集運搬業者が積替え・保管を行う場合に限る] |
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積替え保管場所の所在地 |
必要 |
- |
積替え保管場所で保管できる産業廃棄物の種類及び保管上限 |
必要 |
- |
安定型産業廃棄物の場合、他の廃棄物との混合への許否等 |
必要 |
- |
委託者側からの適正処理に必要な情報 |
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廃棄物の性状及び荷姿に関する情報 |
必要 |
必要 |
通常の保管状況の下での腐敗、揮発等性状の変化に関する情報 |
必要 |
必要 |
他の廃棄物の混合等により生ずる支障に関する情報 |
必要 |
必要 |
日本工業規格C0950号に規定する含有マークの表示に関する事項(※) |
必要 |
必要 |
石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合には、その旨 |
必要 |
必要 |
特定産業廃棄物が含まれる場合には、その旨
(放射性物質汚染対処特措法施行規則附則第5条) |
必要 |
必要 |
その他、取り扱いに関する注意事項 |
必要 |
必要 |
委託契約の有効期間中に、廃棄物の正常等が契約締結時の内容から変更を生じた場合の伝達方法に関する事項 |
必要 |
必要 |
受託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項 |
必要 |
必要 |
契約解除時の処理されない産業廃棄物の取り扱いに関する事項 |
必要 |
必要 |
(※)JIS C0950について
対象品目: パーソナルコンピュータ、ユニット形エアコンディショナー、テレビ受信機、電気冷蔵庫、電気洗濯機、電子レンジ、衣類乾燥機(以上7品目)
対象物質:鉛及びその化合物、水銀及びその化合物、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、ポリブロモビフェニル、ポリブロモジフェニルエーテル
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基準値以下 | 基準値越え |
(2)委託契約書の必要添付書類(規則第8条の4)
・排出産業廃棄物処理(収集運搬及び処分)業の許可証の写し
・再生利用業に関する環境大臣の認定証の写し
・その他、他人の産業廃棄物の処理(収集運搬及び処分)を業として行うことができる者であって、委託しようとする産業廃棄物の処分が、その事業の範囲に含まれるものであることを証する書面
委託契約上の注意事項
3者契約の禁止
・排出事業者が、処分業者の処理能力等を確認することなく、収集運搬業者と処分業者を含めた3者間での契約を結ぶことは、いわゆる3者契約にあたり、法はこれを禁じていると解されています(法第12条第5項、第12条の2第5項)。
・廃棄物の処理を適正に行い、金銭の流れを透明にしてそれぞれの業者に適正な料金を支払うためにも、排出事業者は収集運搬業者と処分業者のそれぞれと個別の契約(2者契約)を結ぶ必要があります。
※収集運搬業と処分業の両方の許可を持つ業者との契約の場合には、収集運搬と処分を同一の業者が受託するので、これを 1つの契約書にまとめても差し支えありません。
再委託の禁止
・再委託とは、排出事業者と当初に委託契約を結んだ処理業者が、受託した廃棄物の処理を他の者に委託することです。法は再委託を原則として禁止しています(法第14条第16項、法第14条の4第16項)。
・ 再委託することで産業廃棄物処理の責任の所在が不明確になり、ひいては不適正処理を誘発する恐れがあるからです。ただし、以下の場合には再委託が認められております。
(1)再委託基準に適合した手続きにより実施する場合(施行令第6条の12、第6条の15)
(2)受託者が改善命令、措置命令を受け、委託者の承認を受けた場合(規則第10条の7第2項、第10条の19第2項)
廃棄物処理に関する排出事業者の責任について
上記の委託基準のほか、産業廃棄物の排出事業者に課される責任については、以下のリンク先ページをご確認ください。
廃棄物処理に関する排出事業者の責任について